ウクライナを想う(82)
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悲劇の始まりは、イギリスの三枚舌外交だった。
アラブの独立を約束してオスマントルコとの戦いに協力させる一方で、
第一次世界大戦の戦費を集めるために、ユダヤ人の銀行家ロスチャイルドにパレスチナにユダヤ国家建設を約束する。
さらに、英仏露で中東を分割する約束をしていた。
映画「アラビアのロレンス」で有名なロレンスはイギリスでは英雄だが、本人はそれを恥じていた。
名前を変え、身を隠し、46歳でオートバイ事故で亡くなった。
その意味で、ロレンスも悲劇の人だったと言える。
この結果、乳と蜜が流れる土地といわれるパレスチナに、ユダヤ人たちが入っていく。
近年は、特にガザ地区を完全に封鎖し、ヨルダン川西岸も着々と移住促進をはかり、イスラエル化が進められている。
行き過ぎた剛腕があった。
写真は、パレスチナ難民キャンプを訪ねたときにぼくが写したもの。
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パレスチナとイスラエルがやったらやり返すの戦いを続けている間で、
罪のない人たちが不条理な死を遂げている。
『アハメドくんのいのちのリレー』で書いた、アハメドくんという12歳のパレスチナの少年は、イスラエル兵に銃撃されて亡くなった。
写真の木馬のある公園では、イスラエルのロケット弾が撃ち込まれ、医師がパレスチナの患者を救急車で搬送中、救急車ごと爆撃された。
ハマスの攻撃は、イスラエル側にとっては納得できない。
一方、イスラエルのしめつけや空爆は、パレスチナ人を脅かしている。
両国それぞれに言い分はあるが、一般の人たちの不条理な死は止めなければならない。
今回のハマスの攻撃に対する、イスラエルの怒りはわかるが、何とかガザ地区への総攻撃は思いとどまってほしい。
そして、話し合いの場をもつべきだ。
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今すぐガザ侵攻をやめてほしい。
パレスチナ人の住む土地に、イスラエルの建国が認められたことで、
両者の間で、やったらやり返すの憎しみの連鎖が続いてきた。
イスラエルは自分たちの安全を確保するためにパレスチナに侵略し、自分たちの陣地を広げてきた。
それに対して、パレスチナの青年がイスラエルに入り込んで自爆テロをする。
その報復に、イスラエルはガザ地区を空爆。
そんな10倍返し、50倍返しが繰り返されてきた。
今回、本格的にイスラエルが地上侵攻すればガザでは大虐殺が起こるだろう。
パレスチナとイスラエルは、どちらも冷静さを取り戻してほしい。
現状を確認しあい、不満があっても、今以上の攻撃や侵攻をやめることが大事だと思う。
どうか、頭を冷やしてもらいたい。
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風に立つライオン基金が「ハワイ・マウイ島山火事緊急支援プロジェクト」として
寄付型と購入型のクラウドファンディングを始めました。
目標は1000万円。
期限は24年1月15日まで。
寄付型:3000~5万円
「ジャカランダの丘」のポストカード1~10枚
購入型:
1万2000円 「ジャカランダの丘」オリジナル額装複製画
12万円 「ジャカランダの丘」限定50部のピエゾグラフ
いずれも1万円以上の方には、さだまさし直筆お礼状をお送りします。
「ジャカランダの丘」は原田泰治さんの代表作の一つです。
泰治さんがさださんにすすめられ、一緒に訪ねたマウイ島の風景。
丘の斜面に根を張るジャカランダの木が、どうなったのかとても心配です。
風に立つライオン基金「マウイ島山火事緊急支援プロジェクト」に応援をお願いいたします。
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写真家の大竹英洋さんのめちゃくちゃおもしろいエッセイ「そして、ぼくは旅に出た。はじまりの森ノースウッズ」(文春文庫)。
自然写真家をめざしていた著者は、写真集「ブラザー・ウルフ」に衝撃を受け、
写真家ジム・ブランデンバーグに会いに行く。
その過程で、何人もの親切な人に出会い、ブランデンバーグへとつながっていく。
その勇気がすごい。
運ももっている。
すぐに引き込まれ、読み応えがあった。
その写真集「ブラザー・ウルフ」を見てみたいと思い、調べたらすでに絶版。
ネットで手に入れることができた。
ブランデンバーグは一日一回しかシャッターを切らないとか。
光やタイミング、構図、考え抜いて撮るということなんだろうか。
すばらしい写真集だった。
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ガザ地区の作家協会に呼ばれ、詩人や小説家たちと『アハメドくんのいのちのリレー』についてディスカッションしことがある。
ガザでは、狭い地域に押し込められてどこにも行けない生活の大変さが語られた。
検問を通過するためには、かなり難しい許可を得なければならない、みんな窒息状態だと言われた。
作家たちは、パレスチナの西岸地域についても語った。
イスラエルに侵略され、高い塀で隔てられた向こう側はイスラエルの美しい町があるのに、
自分たちは仕事もなく、貧困のなかであえいでいる。
そんな苦しさを訴えていた。
トランプ政権になってから、アメリカはイスラエル寄りの発言をするようになり、
それをいことにイスラエルのネタニヤフ政権はパレスチナ西岸地域の激しい陣取り合戦を強行しはじめた。
ハマスの行為は許せないが、70年を超える抑圧があったことも知っておく必要があるように思う。
とにかく、イスラエルも、パレスチナも、冷静になってほしい。
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2012年、ぼくはイスラエルや、ヨルダン川西岸のパレスチナ地区、そして、今紛争になっているガザ地区を訪ねた。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の代表している清田ドクターにエスコートしてもらい、
著書『アハメドくんのいのちのリレー』の英語版と、イスラエルの人のためのヘブライ語版、パレスチナの人のためのアラビア語版をもって、読書会をして歩いた。
パレスチナの少年の心臓が、イスラエルの少女の命をつないだ、パレスチナとイスラエルの間で行われた臓器移植の物語を読むことで、
お互いに理解しあえるようになるといいと思ったのだ。
今、パレスチナとイスラエルは「やられたせらやり返す」的な殴り合いから、戦争状態に発展した。
どちらに味方しているわけではない。
少しでも冷静になってもらいたいと思って、この文章を書いている。
『アハメドくんのいのちのリレー』は実際にあった話。
イスラエルの少女は重い心臓病だったが、パレスチナの少年アハメド君の心臓を移植し、
学校に行けるようになった。
左からアハメド少年の父親と、心臓移植を受けたイスラエルの少女
アハメド少年の父親は、息子がイスラエルの兵士に撃たれ、脳死状態になったとき、心臓の提供に同意した。
「息子さんを助けてあげることはできないが、息子さんの心臓はほかの子どもを助けてあげることはできる」と医師に言われたのだ。
父親は、イスラエルの子どもに移植されることも予想していた。
友人からは非難されたが、
父親は息子の心臓が、パレスチナとイスラエルの平和の架け橋になってくれたら、と考えたのだ。
戦争状態にあるパレスチナとイスラエル。
今こそ、冷静になってもらいたい。
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「憎悪は大きな病気だ」
アブエライシュ医師の言葉だ。
彼は2009年、イスラエル軍のガザ攻撃により、3人の娘とめいを失った。
パレスチナ難民キャンプで成長し、エジプトのカイロ大学を卒業し、ハーバード大学で研修した医師である。
仲間たちから、お前はイスラエルを憎むだろうと言われたとき、
「憎しみは、憎む側をも破壊するがん細胞のようなものだ」と述べた。
4番目の娘が砲撃で瀕死の状態になったとき、必死に助けようとしてくれたのはイスラエルの医師だった。
「憎悪は大きな病気だ。それは破壊的な病であり、憎む者の心を破壊し燃やし尽くす」
『それでも、私は憎まない あるガザの医師が払った平和への代償』(イゼルディン・アブエライシュ著、高月園子訳、亜紀書房)
この本が日本で翻訳されて出版されるとき、お手伝いをした。
著者であるこの医師は、現在の状況をどのように見ているだろうか。
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JIM-NETではシリアから逃れてきた患者とその家族を支えたいと、
クラウドファンディングで寄付を呼び掛けてきました。
おかげさまで約300万円を達成。
シリアのアサド政権に追われて、イラクに脱出した小児がんの子どもたちなどの治療の役立てていきます。
JIM-NETではもう一つ、シリア・トルコ地震の支援のためのクラウドファンディングも行ってきました。
こちらも、543万円という多額の寄付が集まりました。
地震発生直後、鎌田がお金を出し、必要とされている抗生物質や心臓の薬を支援が入らない被災地に送りました。
その支援活動を見て、クラウドファンディングでたくさんのお金が集まりました。
ありがとうございました。
JIM-NETと兄弟関係にあるNPO、JVCやJCFからも応援をしていただきました。
この3つのNPOは大きな支援をするときには、協力しあっています。
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テレビ寺子屋「鎌田實・さだまさしスペシャル対談」
3回にわたって放送されます。
フジテレビ 来年1月20日~ (3週連続)
長野放送 来年1月6日~
福島テレビ 11月5日~
岩手めんこいテレビ 来年3月31日~ 他・・・
ぜひご覧ください。
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「アナザーストリーズ 運命の分岐点」(NHK総合、夜10時~)
10月13日は、「ブラックジャック」の作者・手塚治虫の特集です。
名作「ブラックジャック」を、鎌田流に分析します。
再放送は10月18日午前0.05~。
ぜひ、ご覧ください。
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ぼくの住む地域のお祭り、欅(けやき)フェスが、開催されました。
コロナ禍ではできなかったので、久しぶりの開催です。
欅通りという大きな道路を「歩行者天国」にして、
たくさんのお店や、うたやダンスのステージでにぎわいました。
体育館では、マッサージや指圧の先生たちが無料でマッサージ。
諏訪中央病院の若手の医師も、無料でコーヒーを飲んでもらいながら、健康や病気の話をする「健康カフェ」を開きました。
ぼくも、90歳の壁をピンピン元気に越えるための4つの極意という話をしました。
この欅フェス、予算が足りなくなり、住民に50万円の寄付を呼び掛けたところ、100万円が集まりました。
住民たちに愛されている欅フェスです。
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