鎌田實の一日一冊(428)
『わが名はシャクシャイン』(名取弘文著、自然食通信社)
アイヌの地を侵略し圧政支配するヤマトに対峙し、
抵抗し、蜂起したアイヌの英雄たち。
叙事詩的スケールで、いきいきと劇的に語られるアイヌ民族の世界観と受難の物語です。
東北を支配下に置こうとする朝廷は724年、宮城県多賀城に陸奥国府を置き、10万もの兵を出すなど壮絶な戦いが繰り返されます。
そのなかで一目置かれた、蝦夷の軍事指導者アテルイ。
時代は下って江戸時代、部族のリーダー、シャクシャインはアイヌを酷使する松前藩に戦いを挑み、敗れました。
アイヌは、文字をもっておらず、すべて口伝で伝承されていきました。
その壮大な叙事詩に圧倒されます。
これを読むと、アテルイやシャクシャインのことをもっと知りたくなりました。
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