鎌田實の一日一冊(427)
『がんになった人のそばで、わたしたちにできること: 「幸せな生」を支えるための10の講義』(西 智弘著、中央法規出版)
本書で学べるのは、がんになった人たちの「幸せな生」を、最期の時まで支えつづけるための知識や技術、態度の数々。
傍らでどう接すればよいのかと戸惑うことも多いご家族や医療福祉職まで、みんなに知っておいてほしいと思う情報がぎっしり詰まったガイドブックだ。
がんという病気そのものは変わらなくても、患者さんに居場所があって、それぞれの「どう生きたいか」「どう死んでいきたいか」をよく聞き、寄り添ってくれる人がいれば「がんは怖くない」と言えるようになる。
「もう死なせてほしい」と言われた家族は、どう答えたらよいのか。ここには具体的な対応の仕方がわかりやすく書かれている。
いくつもの大切なことを、街の中に「暮らしの保健室」を開いて、実践で証明してきた若き緩和ケア専門医をぼくは訪ねたことがある。
これは本物だと思った。
役に立ついい本ができた!
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