鎌田實の一日一冊(434)
『レシピの役には立ちません』(阿川佐和子著、新潮社)
ぼくがおすすめしている「具だくさんみそ汁」にしばらく凝ったという話が書かれています。
あまりにも凝りすぎて、夫は「生涯分飲んだ」と飽き飽きしているよう。
『残るは食欲』(新潮文庫)という本も読みましたが、佐和子さんは料理に対する天性のひらめきのようなものがあるようです。
父親の阿川弘之さんが、子どものころの佐和子さんがぬか床を触っているのを見て、この子は料理の素質がある、と言ったとか。
みそ汁の話に戻しますが、そのアイデアがすばらしい。
古くなったのりを入れると、香りがよいみそ汁になる、とか
冷蔵庫の隅で忘れられかかっている、半分くらい食べ残した瓶詰のウニや、柚子胡椒を入れるとか。
バターも、みそ汁に合ういいます。
ぼくはこのところ、ぜいたくみそ汁としてベーコンを入れるのをお勧めしていますが、
バターもコクが出て、いいかもしれません。
月刊「潮」の「鎌田實の『ガラスの天井』を破る女性たち」という新連載で、
阿川佐和子さんと約2時間、抱腹絶倒の対談をしました。
いつも元気をもらっています。
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