鎌田實の一日一冊(438)
『城砦』(アーチボルト・ジョセフ・クローニン著、夏川草介翻訳、日経BP)
あのクローニンの名著が新訳で復刊。
訳は、『神様のカルテ』(小学館)などで一躍ベストセラー作家になった夏川草介だ。
彼の年代では読書家でもクローニンなんて読んでいないはず。
ぼくは1964年刊のクローニン全集をもっているが、
『城砦』などがいくつか欠けている。
だれかが持っていって、返してくれなかったのだろう。
わりあい読みやすい翻訳だったが、
夏川さんの新訳はもっととっつきやすい。
大学を卒業したばかりの医師が夢と希望をもち、
医師という仕事に望む半生が綴られている。
50年前、医学部を出たばかりのぼくがその後、半生を過ごす病院に赴くために、
東京から茅野駅に降りたったときに感じたようなことが、
冒頭に綴られている。
自分の人生を振り返りながら、伝説の名著を読み直した。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 鎌田實の一日一冊(439)(2024.09.11)
- 夏川草介さんと対談(2024.09.07)
- 健康本の選び方(2024.08.24)
- 新発売「エンディングノート」(2024.08.23)
- 教科書に掲載(2024.08.20)