鎌田實の一日一冊(437)
『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』(橘玲著、文春新書)
とてつもない富を持つ1%の天才たちが、渇望する究極の自由とは。
リバタリアンとは自由原理主義者のこと。
その一人ティモシー・メイがこんなことを言っている。
「市民たちがオンラインの利益共同体をつくり、互いに直接関係を結んで、
国家とはまったく無関係に生きることができる社会」
ビットコインのような仮想通貨を扱える人たちにとっては国家は必要のないものなのかもしれない。
イーロン・マスクもリバタリアンの一人。
もともとはリベラルな考え方だったが、アメリカ大統領選で共和党に大口の献金をすることを表明。
22年10月にはロシア寄りの和平案を提案したり、
スターリンクについてもウクライナに無料で利用させないと言い出している。
マスクはプーチンとも、中国とも、インドとも交渉を始め
スペースXやテスラを自由に儲けられるように動いている。
もしトランプが大統領になり、テクノ・リバタリアンと手を組むと、とんでもない社会がやってくる。
ディストピアを想像した。
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