タヌキも来るレストラン
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「私は憎まない」
2009年、自宅がイスラエル軍の砲撃を受け、3人の娘とめいが殺された。
壮絶な体験をしながらも共存の可能性を信じ、平和と人間の尊厳を追求するガザ出身の医師イゼルディン・アブラエーシュ博士に迫ったドキュメンタリー。
ぜひ、多くの人に見ていただきたい。
イゼルディン博士が来日し、10年ぶりに再会した。
彼はガザ出身のパレスチナ人。イスラエルの病院で働く初のパレスチナ人の産婦人科医だった。
今はカナダのトロント大学で産婦人科医学のほか、心のもち方と人生について研究している。
3人の娘とめいは「亡くなった」のではなく、「殺された」という。
イスラエル軍の戦車は、狙いを定めて攻撃をしてきたという。
それでも彼は、ハマスのような考え方を否定している。
パレスチナとイスラエルが共存する方法があるとして、
「それでも私は憎まない」と言い続けている。
生き残った三女は、右目を失明し、右手に大きな外傷を負った。
彼女もこう語っている。
「右目が見えなくても左目で社会で生きていく」
「右手が使えなくても、左手でペンをもつ練習をして字を書く。勉強をあきらめない」
姉妹が殺されたことを怒っているか、とインタビューで聞かれ、
「怒っている。でも、父と同じように憎まないようにしてきた」と答えた。
そして「今でも怒っている自分自身を怒っている」と述べた。
抑えようのない怒りを認めながら、そんな自分を抑えようとしているのだ。
2015年、パリの劇場で、「イスラム国」の多発テロにより観客89人が殺された。
そのなかに、小さな子どもをもつ母親がいた。
その夫が「ぼくは君たちを憎まないことにした」という本を書き、映画にもなった。
憎しみは、感染する疫病のようにまわりに広がり蝕んでいく。
「憎まない」ということは大事なことだと思った。
現在、東京・アップリンク吉祥寺などで公開中。
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『芸人たちの芸能史』(永六輔著、中央公論新社)
35歳の永六輔が書いた芸能論が、55年ぶりに復刊された。
芸能、芸道、芸人を愛していた永さん渾身の本は、読みこだえがある。
「農耕技術が発達するにつれてその宗教性は失われていき、
かつて神に奉納した芸能は庶民に演出して見せることで放浪芸が生まれていく。しかも差別の歴史のなかで」
「戦時中、淡谷のり子はブルースを禁じられたが、慰問に行くと兵隊はブルースを歌ってくれという。
その兵隊の気持ちを察して、舞台のすみにいた憲兵が姿を消し、彼女はブルースを歌った。あとで、その憲兵が舞台裏で同じようにブルースを聞き涙ぐんでいたという。このエピソード一つでも、芸能とわれわれの人間的なかかわり合いというものがわかるはずだが、軍部はそれがわからなかったのだからおそろしい」
やっぱり、永さんはすごい。
エンタメの源流がこの一冊でよくわかる。
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『長生きたまご』(サンマーク出版)
本日発売。
すぐに増刷が決まりました。
丸ごと一冊、たまごに注目しています。
年齢を重ねて怖いのは「低栄養」と「骨折」、そして「認知症」。
たまごはまさに「筋肉」と「脳」に効く超優良たんぱく質として、
健康・健脳に貢献してくれる「ナンバー1」食材です。
朝食にまず、たまご4個を使ったスペイン風オムレツ、
運動後には「たまごシェイク」、ランチの蕎麦屋では、蕎麦の前に「だし巻き」を!
1日4個以上毎日たまごを食べ、たまごをこよなく愛する76歳の鎌田實医師が、
たまごの栄養の最新情報と「毎日の生活に“プラス1個”」する楽しい工夫を1冊にまとめました。
レシピ未満の「超カンタンたまごレシピ」と、「長生きたまご的プチ運動」も必見。
「鎌田式たまごダイアリー」もぜひご活用ください。
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