鎌田劇場へようこそ!(574)
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介護保険制度ができて今年で25年。
在宅ケアが充実してきた。
訪問診療、訪問看護、訪問介護の3つがバランスよくあることによって、
家にいたいという人を在宅で見ることができる。
介護保険の制度の優れた点である。
しかし、訪問介護ステーションなどが経済的に成り立たず、倒産や閉鎖が追い込まれている。
給料も安く、人材も集まらなくなった。
訪問介護の人たちの給与を増やす必要がある。
そのためには介護報酬の見直しも早急にしないといけない。
現在、介護施設で働いている外国人は約5万3000人。
この人たちの支えはとても大きい。
さらに政府はこの春から、特定技能や技能実習の人たちに研修を条件に、訪問介護も解禁する。
どれだけの人が訪問介護に応じてくれるかわからないが、とてもいいことである。
日本は高齢化のスピードも速ければ、人口減少のスピードも速い。
介護保険制度を成り立たせていくには、外国人の働き手をが大切である。
受け入れる側の日本人の意識も変えていく必要があるように思う。
かつて諏訪中央病院看護専門学校の校長をしていたとき、
中国出身の学生たちを教育してきた。
とても優秀で、看護師となり、日本の病院に勤めている人も多い。
看護も、介護も、外国人が必要な時代になってきていることを認識する必要がある。
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2024年の国際収支速報では、経常収支は約29兆円の黒字だった。
円安で苦しんでいるが、やはり輸出企業にとってはホクホクだったのだろう。
思いのほかいい成績だったが、心配なことが二つある。
一つはデジタル赤字が6.6兆円。
動画配信やクラウドサービスの利用において、日本は一方的に払う側で、稼ぐ側になっていない。
DX化が進む今後はますます大きくなっていく。
二つめは、政府の借金が約1317兆円。
与党は次の選挙でも勝とうとして大盤振る舞い。
野党も国民の支援がほしくて減税を主張する。
みんなが巨大な赤字があるにもかかわらず、お金を使うことばかり考えいてる。
はたしてこれでいいのだろうか。
国民民主党が人気を博しているが、見方を変えればポピュリズムの代表になっているように見えなくない。
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4月13日から大阪関西万博が始まる。
しかし、熱気が伝わってこない。
大阪関西万博で関西や日本をどう変えるのか、なかなか見えてこない。
建設中も、軟弱地盤やメタンガスの発生など人工島の弱点が心配された。
そして、カジノを含む統合型リゾート=IRをやろという下心が見えてくる。
1970年の大阪万博には行った。
大阪の大学とぼくの通っていた東京医科歯科大学の野球部の定期戦があったため、
大阪に行ったついでに訪ねたのだ。
会場はとにかくものすごい人で、何を見たかほとんど覚えていない。
どうも万博というは、1970年も、2025年も、ぼくの心をあまりワクワクさせてくれないようだ。
やる以上は成功を祈るが、とんでもない赤字を抱えて終わるのではないかと心配している。
東京オリンピックももえなかった。
イベントで景気づけをするという手法は、そろそろ終わりにしたほうがいいのではないだろうか。
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イスラエルのネタニヤフ首相がトランプと会談。
トランプ大統領はガザをアメリカが所有すると提案し、ネタニヤフも賛成した。
ガザの町の現況を見ると、もう人が住めるような状況ではない。
そうしたのはネタニヤフだ。
テロリストを捕まえるためと言いながら、一般市民が住めないようしてきた。
それをトランプが再生させると言う。
地中海に面したガザは避暑地になる、とビジネスマンのトランプは考えているのだろう。
そして、170万人近いガザの市民はヨルダンやエジプトへ移す、という。
とんでもない作戦である。
トランプは、ユダヤの保守派の人たちや、アメリカ国内の福音派の人たちの支持を得るために、ネタニヤフがやりたいことをしようとしている。
これからヨルダン川西岸地区も締め付けが強くなり、パレスチナ人は住みづらくなっていくだろう。
ユダヤ人はかつてホロコーストの悲劇を体験した。
なのに、今度はユダヤ人がパレスチナ人に対して同じことをしようとしている。
民族浄化というのは危ない発想である。
1948年、この一帯にパレスチナ人が住んでいたことを忘れないようにすべき。
そのパレスチナ人が人間らしく生きられるようにすることが世界の役割のはずだ。
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パリ市がX(旧ツイッター)のアカウントを閉鎖。
ドイツ、オーストリアの60以上の大学や研究機関も利用を停止した。
Xは、ドイツの総選挙で、極右政党AFDを後押ししている。
イーロン・マスク氏はアメリカの政府効率化省のトップになったが、
国際開発局という対外援助機関を閉鎖しようとしたり、
行政も大幅なリストラを試みたり、やりたい放題。
彼はもともとテクノリバタリアンの代表選手で、「政府はいらない」というのが彼らの目標だ。
マスク氏は、他者の感情をすばやく察知し、適切な対応をとる能力EQ、共感指数が低いのに対し、システム化指数という論理・数学的知能が天才的。
極端にシステム化された脳をもつハイパーシステマイザーともいわれる。
部下を無慈悲に解雇することを躊躇しない。
Xの利用を停止する、テスラの車に乗らないといった行動が、
彼の動きを止めることになるといいのだが…。
ぼく個人は、テスラという車に興味はないし、Xもやらないようにしている。
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中国・杭州のAI企業が開発したディープシークが世界にショックを与えている。
低コストで、先端半導体を使わない生成AIを次々に発表。
三代目は、chatGPTに匹敵する性能だといわれている。
これにより、アメリカの半導体大手エヌビディアの株価が大きく下がり、
93兆円の時価総額が一日で吹っ飛んだという。
半導体市場の先頭第一グループはエヌビディア、第二グループはサムソンやTSMC。
その後ろから、日本は先頭集団に追いつけるかどうか。
そんな状況のなかで、ディープシークの生成AIが先端半導体を使わないとなると、
これからの半導体の需要が読みづらくなる。
日本の半導体メーカー・ラピダスは政府が700億円近くを投入予定。
この20年近く、世界の先頭を走れなくなっている日本にとって、
半導体は頼みの綱である。
AIの世界では、圧倒的にアメリカが勝ちだと思っていたが、
中国が逆襲を仕掛けている。
そこへ日本の先端開発が絡んでくるとおもしろいのだが、
なかなかそうはいかない。
自民党が引っ張ってきた日本づくりは後手後手に回ってるように思う。
自民党も立憲民主党もガラガラポンして、新しい日本をつくるための新しい政党をつくったほうが早いかもしれない。
世界はどこへ行くのか、日本はどこへ行くのか、いよいよ混沌としてきた。
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久しぶりに茅野市美術館に行きました。
常設展示室では「すがた~それぞれの視点」が3月末まで開催されています。
柔らかいタッチの吉浦摩耶さんの作品や松樹路人さんの大作、矢崎虎夫さんの彫刻などを見ることができます。
これらの作家は、諏訪中央病院にもゆかりがあり、病院の玄関にある大きな木彫は矢崎虎夫さんの作、入って真正面にある500号の大作は、吉浦摩耶さんと中尾彰さん夫妻によるものです。
ちなみにこの写真は、ぼくの家にある中尾彰さんのはがき大の作品。
「すがた~それぞれの視点」展は3月30日まで開催中。
ぜひ、訪ねてみてください。
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『お金が貯まる健康習慣』(主婦の友社)
経済評論家の荻原博子さんと鎌田實が
お金をためながら長生きできる「健康」と「お金」について対談しました。
健康習慣を三日坊主で続けられない人も、
健康とお金の関係がわかれば、食事や運動の行動変容が起きやすいのではないでしょうか。
荻原さんは、かつて肥満で腰痛、膝痛、高血圧が起きていましたが、
「5キロやせたら100万円」と言い聞かせて、ダイエットに成功しました。
介護費用は平均月8万円、一人約500万円がかかります。
介護不要のPPH(ピンピンひらり)を実現すれば、
もっと楽しいことにお金を使えます。
「5キロやせたら100万円」とは?
「老後2000万円はホントに必要?」
「60代女性がメタボだど、年間医療費が10万円アップ」
健康とお金の関係がわかる一冊です。
ぜひ、お読みください。
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シリアのアサド政権が倒れたことは朗報だった。
アサドは50年、親子二代にわたって恐怖政治を続けてきた。
シリアのダマスカスで病気の子どもたちを支援しているNPOと連絡をとるため、
イラクからシリアに入ったことがあった。
イラクのタクシーであったために、秘密警察のような人物に尋問された経験がある。
ビザも取って入国申請したにもかかわらず、強圧的なチェックを受けた。
怖い国だと思った。
そのアサド政権が崩壊して、シリア国民会議ができかかっているが、本当にできるかどうかわからない。
暫定政府を支援するシリア解放機構はかつては過激派だった。
解放機構を解散すると発表している。
そして、新憲法基礎を協議すると述べている。
本当にそうなるかどうか、ほかの反体制組織がどう出るかで決まってくる。
それぞれ組織にある後ろ盾の思惑が絡んでくるからだ。
アサドを支援していたのはロシアとイランだった。
だから、この二国の力はだいぶ削がれたと言っていい。
その代わりに出てきたのが、トルコの支援を受けているシリア国民軍や、
トルコとは敵対関係にあるクルド人勢力主体のシリア民主軍などである。
シリア民主軍はアメリカと連携し、過激派組織イスラム国と対峙してきたこともある。
関係国の思惑に踊らされないか心配だ。
シリアが国民会議をつくり、新憲法がつくれるかどうか。
この半年ほどは注視したい。
シリアが安定しなければ、シリア難民はいつまでたっても帰れない。
難民を抱えている国も不安定を抱え込むことになる。
だからこそ、シリアを安定した国にしなければならない。
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3年に一度の今回の介護報酬改定では、
介護全体では1.59%引き上げられたが、訪問介護の基本報酬は2~3%引き下げられた。
これによって、訪問介護事業者は大きなダメージを受けている。
改訂前、訪問介護事業者は7.8%の黒字を確保をしていたので、これがやり玉にあがったのだ。
もともと訪問介護事業者は黒字を出しているとはいってもわずかで、職員の処遇改善ができないところへ、今回の基本報酬の値下げとなった。
サ高住のような集合住宅を効率的にまわる事業者はなんとかもちこたえているが、
地域を一軒一軒まわる中小零細の訪問介護事業者はひとたまりもない。
この状況を考えると、訪問介護の報酬を引き下げたのは厚労省の間違いだったと思う。
在宅介護を希望する高齢者は多く、それを支えるためには訪問介護はさらに充実が必要。
政治はすぐにでも手を打つべきだ。
介護保険の問題点について、上野千鶴子さんと語り合った。
共同ニュースや、YouTubeで配信されているのでご覧ください。
http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-be30d2.html
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