日本はどこへ行くのか(17)
予算案が衆議院を通過。
高校の授業料無償化は本当に必要なのだろうか。
今まで、世帯年収に応じ私立公立の高校授業料には支援金制度があった。
世帯年収が590万円以上910万円未満の家庭では、私立公立とも11万8800円の支援があり、
公立では実質、授業料が無償となっていた。
さらに私立では、590万円未満の場合、上限約40万円が支給されていた。
今回の予算案では所得制限が撤廃。
公立では事実上一律に授業料が無償化、私立では上限45万7000円を保障するという。
これはいくらなんでもやりすぎだと思う。
ぼくの孫は私立の中学に通っており、来年から高校に入る。
今回の予算案の恩恵を受けるわけで、親は歓迎するだろう。
しかし、日本全体を考えるとやはり賛成できない。
私立高校に行くなら、授業料のことも考慮したうえで選択すればいいのではないか。
私立高校の支援金を45万7000円も出せば、私立の授業料はどんどん値上がりしてしまうだろう。
公立高校には生徒が集まらなくなる可能性もある。
ただし、2026年からの小学校の給食の無料化は大賛成。
給食費を出せない親のつらい気持ちを考えると、今年からでもやるべきだと思う。
もっとも問題なのは自民、公明、日本維新の会が合意した来年からの「医療費4兆円削減」。
今も病院は存続が大変で、特に地方の小さな病院は医者不足にあえいでいる。
高度医療と救急医療をやっている病院はやれぱやるほど赤字が出る。
関西の高度医療・救急医療を行う病院では、患者がたくさん集まるが数十億円の赤字だという。
そんな病院全体が息も絶え絶えの状況のなかで4兆円も削減するとどうなるのか。
とても問題である。
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