看護の日
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「うぉっしゅ」
孫のソープ嬢と、認知症になった祖母との関係をコミカルに描く。
なんでも忘れてしまう祖母は、会うたびに「初めまして」と繰り返す。
どうせ話しても忘れてしまうんだから、と自分の悩みなんかもチョコチョコ話し始める孫。
祖母は、身の回りのことは何もしない。
掃除もおばさんに頼んでいる。
そのおばさんがまた面白い。
孫は寂しくて、ついつい掃除のおばさんにワインをすすめ、2人でワインを飲む。
そのときの、掃除のおばさんの言葉。
「忘れられてるから、忘れる人になるんだ」
祖母が放置されていたことにハッと気がつく。
祖母は、どんな人生を歩んできたか、孫はもう一度、自分の目で見つめようとする。
祖母はかつてジャズミュージシャンだった。
少しずつ祖母と孫の関係が縮まっていく。
認知症があっても、こんなふうに心を通い合わせる糸口があるんだということがわかる映画になっている。
監督の岡崎育之助は、永六輔の孫である。
音楽を担当した永太一郎も、もう一人の孫だ。
面白い。
久しぶりに日本映画を見た。
「日曜はがんばらない」(文化放送)にも近々、ゲスト出演していただこうと思っています。
5月2日から公開中。
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5月23日、新刊「うまいように死ぬ」(扶桑社)が販売されます。
農業を一生懸命やってる人でした。
誰よりもいい作物を作ろうと、肥料も大型機械も入れて、努力しました。
しかし、収穫量はわずかに増えるだけ。
味の差もあまり評価されませんでした。
馬鹿らしくなって、できるだけ今度は手抜きの農業をやろうと、
化学肥料や除草剤を使わずに、自然のまま作り続けたら、
結構評判がいいことがわかりました。
耕運機や農業機械を買わないで済むようになり、
その分友達と世界旅行を始めました。
友達が行けなくなっても、この方は1人でも旅を楽しめるようになってきました。
この方ががんの末期になり、
みんなが世界中の面白い話、経験談を聞きに集まってきました。
同級生や孫たちが、かっこいいと思っているのです。
いよいよ最期がやってきました。
呼吸は弱くなり、心臓も止まり、瞳孔も対抗反射がなくなりました。
ぼくが「お亡くなりました」というと、
後ろに立っていた長男とおじいちゃんの親友2人が、拍手をしだしたのです。
お別れの場で拍手なんてあまり聞いたことがありません。
このように「うまいように死ぬ」ことは、
ちょっと意識を変えれば、
実現可能だということを伝えたくて、1冊の本にしました。
表紙の絵は、はらだたけひでさん。
昔、週刊朝日で連載をしていたときに書いていただいたものです。
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