うまいように死ぬ
5月23日、新刊「うまいように死ぬ」(扶桑社)が販売されます。
農業を一生懸命やってる人でした。
誰よりもいい作物を作ろうと、肥料も大型機械も入れて、努力しました。
しかし、収穫量はわずかに増えるだけ。
味の差もあまり評価されませんでした。
馬鹿らしくなって、できるだけ今度は手抜きの農業をやろうと、
化学肥料や除草剤を使わずに、自然のまま作り続けたら、
結構評判がいいことがわかりました。
耕運機や農業機械を買わないで済むようになり、
その分友達と世界旅行を始めました。
友達が行けなくなっても、この方は1人でも旅を楽しめるようになってきました。
この方ががんの末期になり、
みんなが世界中の面白い話、経験談を聞きに集まってきました。
同級生や孫たちが、かっこいいと思っているのです。
いよいよ最期がやってきました。
呼吸は弱くなり、心臓も止まり、瞳孔も対抗反射がなくなりました。
ぼくが「お亡くなりました」というと、
後ろに立っていた長男とおじいちゃんの親友2人が、拍手をしだしたのです。
お別れの場で拍手なんてあまり聞いたことがありません。
このように「うまいように死ぬ」ことは、
ちょっと意識を変えれば、
実現可能だということを伝えたくて、1冊の本にしました。
表紙の絵は、はらだたけひでさん。
昔、週刊朝日で連載をしていたときに書いていただいたものです。
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