鎌田實の一日一冊(447)
『神聖ローマ帝国全皇帝伝』(菊池良生著、河出新書)
歴代の皇帝は54人。
初代オットー大帝からラスト・エンペラーのフランツ2世まで
約1000年の歴史ドラマを
映画の活弁を聴くかのように語られている。
筆者の菊池良生は、明治大学名誉教授。
ドイツ・オーストリア文化史を専門とする文学部の教授だった。
そして、ぼくにとっては小学校からの親友である。
中学の野球部で、ぼくはショート、ときどきキャッチャーだった。
キクチ君はピッチャー。
中学生ではめっぽう球が速かった。
だけど、ノーコン、コントロールが悪かった。
みんなからは「オッチン」と言われて、中学生の時に大学生みたいな顔をしていた。
キクチ君はこれまでもたくさんの本を書いてきた。
同級生たちは皆下り坂に差し掛かっている。
その下り坂で一念発起して、またまた面白い本を書いた。
彼が1年間のウィーン留学をしている時に、ぼくはイラクへ行く途中、
乗換のためウィーンで一日一泊時間をとって、キクチ君にウィーンを案内してもらったことがある。
彼の案内は素晴らしかった。
ハプスブルク家のすべてが頭の中に入っている。
ぜひ、たくさんの人にこの本を読んでもらいたいと思う。
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