2009年4月14日 (火)

4/17 緊急報告会「イラクは今」開催

イラク戦争から6年。
JIM-NETが、4月17日19時から、東京・高田馬場で「イラクは今」という緊急報告会を開く。

JIM-NET事務局長の佐藤真紀さんと、クウェート大学を卒業し、アンマン在住の加藤丈典さんが、シリア・イラク国境沿いのアルアリードのキャンプの、難民たち1700人の生活状況や、がんや白血病になった子どもたちの現状、JCFが支援した血液検査機器が十分機能しているか、などを報告する。0904171
バグダッド近郊はじゃっかん治安が改善したのにもかかわらず、われわれが支援しているバスラやモスルではさらに治安が悪化している。
その状況のなかで、比較的治安のいい北部のクルド人地区に、2人は入ることができた。
その様子も報告があると思う。

興味のある方は、ぜひ参加してください。
詳しくは、JIM-NETのホームページ
をご覧ください。

先日行われたJIM-NETの会議では、今年のチョコ募金がおかげさまで7万個が完売し、それに伴って新規の会員も増えた。
新会員420人を迎えて、さらに有効な支援をしていこうと思う。

その夜には、「JCFの今後を語る会」が行われた。ありがたいことに新しい会員も参加してくれ、有効な議論が行われた。

イラクのモスルで小児がんの治療に取り組んできたドクター・リカアが、ジャイカの事業を利用して、信州大学大学院で3年間、博士課程で小児白血病の治療や遺伝子解析を研究することになった。
ドクター・リカアはアンマン会議やトルコで開かれたJIM-NET会議に毎回参加してくれて、ぼくらと友好関係を培ってきた。
そのドクター・リカアがいよいよ信州大学にやってきたことが報告され、遺伝子解析の特殊技術の習得や、イラクで増えている小児白血病の原因究明への期待が高まった。
また、一緒に来日した彼のお母さんの生活面での支援も、できるだけ行っていこうということになった。

3月に、チェルノブイリのこれまで支援してきた8つの病院をまわり、その後の状況を確認してきた。
ベラルーシ共和国では、全般的に生活の状況は改善し、自分たちで医療機器を買える病院もいくつか出てきた。
どの病院も、好意的に迎え入れてくれ、JCFの支援があったおかげだと感謝されたという。
この感謝は、そのまま、JCFを18年間支えてくれた方々にお伝えしたい。

昨年、ぼくもベトカの、放射能の高汚染地域の病院をたずねた。
JCFが支援してきた医療機器が順調に動いていることが確認でき、非常に感謝された。
今後も信頼関係を増していきたいと、食事会までしてもらった。

チェルノブイリの原発事故から22年たち、世界のNGOが撤退をしはじめている。
しかし、まだ高汚染が続いており、生活被害や新規の体内被曝者も年間50人近く現れている。
JCFは、こうした現状を見続け、原発事故で何がおきたのか実態を追い続けていくことが必要であるという意見が、会員たちから出された。

イラクやチェルノブイリの現状について、生々しく、鋭い指摘もあり、あらためて、子どもたちの救援活動をしていこうと確認しあった。

2009年4月12日 (日)

政府の追加景気対策、まず評価

政府の追加景気対策の骨格が明示された。
事業規模は56兆円で、真水は15兆円のお金を使うという。
このため、国債を10兆円ほど追加しなければらならなくなる。
2009年度だけで新規国債の発行は40兆円になる。
これで国と地方の基礎的財政収支、プライマリーバランスの健全化は夢と消えた。
ちょっと心配である。

15兆円の真水をつかって、自動車の買い替え促進やエコカーに対する税金の減額、買い替えの補助など、なかなかいい点もいくつかある。090315
住宅ローンの保証などは評価ができると思う。
しかし、2010年まで時限つきで、贈与税を住宅購入にかぎって500万円まで非課税としたのは、なんとも構想力が弱いと思った。
高齢者がもっているお金を動かすことが重要なので、これは2000万円くらいまで非課税にすべきだった。
このへんはちょっと評価できないところである。

ポピリズムなんだろうな、と思う。
金持ち優遇政策と批判をされたくなかったのだろう。
結局、全部、選挙対策のような気がしてくる。
批判をうけても、経済を動かすことが必要なのである。
そういう勇気をもつことが大事だと思った。

半分は選挙対策であることと、今後、この国のプライマリーバランスをどう立て直すかという宿題は残るが、
こういう時期に批判ばかりしてはいけない。
政府の追加景気対策は、概ね評価したいと思う。

今回の政策で、介護の現場などはちょっと変わりだしている。
批判ばかりしていないで、少しくらいしょうがないと思いながらも、ムードを変えていく必要はある。
何をしてもケチをつけるのではなく、みんなで空気を盛り上げていく必要があると思う。

民主党も、経済を動かすためにどうしたらいいか、明確な方針を出すべきだ。
そして、できるだけ早く選挙を行い、きちんとしたリーダーを選んだうえで、全力でこの国の危機脱出をはかるべきだと思う。

2009年4月 9日 (木)

鎌田實の日本経済への提言27

~~分厚い中流をつくれ~~

168円のケーキを盗んだために、捕まった男がいる。
悲しい話である。

生活保護を必要とする人が、160万を超えた。
世帯数では、115万世帯になる。
2年前、107万世帯151万人だった生活保護受給者が、うなぎ上りなのである。
年収が200万円以下の人も、1000万人以上いる。
貯蓄なしの世帯も、23.8%といわれている。
民医連の調査によると、2008年の1年間で、無保険かあるいは医療費が払えないために亡くなった人は31人いた。
国民皆保険制度という世界に誇れる日本のすばらしいシステムも崩壊しかかっている。

この10年、ぼくたちの国は下流をつくる政策を行ってきた。
規制緩和、構造改革、新自由主義という新しい手法を使って、一握りの想像を超える巨万のお金を得る人と、貯金も仕事も家もない、生活が雪崩をうつような下流を生み出してきた。
そのことによって、日本の特徴であり、日本を支えてきた分厚い中流が崩壊しだしたのである。

中流崩壊をくいとめるための新しい形の資本主義をつくらなければならない。
これがウエットな資本主義なのである。
一時的に会社の経営が上向いたとしても、下流の人たちが多くなれば、結局、社会の負担率は上昇する。
そうではなく、はじめから分厚い中流をつくることが大事なのだ。

中流のなかに、上中下があっていい。
でも、みんなが中流に入っている社会が大事なのだ。

一握りの上流ができてもかまわない。
資本主義であるからそれはいいのである。
ただ、下流をつくらないことに、政策をシフトすることが大事なのではないか。
政治の責任は重大である。

2009年4月 7日 (火)

鎌田實の日本経済への提言26

トヨタ九州が1000人いる工場勤務の派遣社員の多くを、期間従業員や社員として雇用するらしい。
雇用調整が進みつつあるようである。
期間従業員や準社員として採用したうえで、正社員に登用するということを検討しているとのこと。
こういう企業の全力投球はうれしい。
初夏になるとプリウスが大々的にモデルチェンジをするということであるが、売れるといいと思う。

必死にいいことをする企業には、みんなで応援すること。
それが、日本という国の資本主義を守るために大切である。
企業も、第1にお客様、第2に社員、そして、地域やこの国を守るという気概が必要である。
株主への配慮は4番目くらい。
それがウエットな資本主義である。
トヨタ九州、えらい。
全国のトヨタでも実践してくれたなら、さすがにトヨタ、世界に冠たる企業だと思う。

2009年4月 4日 (土)

鎌田實の日本経済への提言25

~~合言葉は、新しい資本主義の形をつくろう!~~

週刊朝日で、経済同友会の終身幹事である品川正治氏が、日本型の新しい資本主義を提示していた。
おもしろいと思った。

品川氏は、アメリカのモノマネをするのではなく、平和憲法をもつ日本にふさわしい資本主義をみつけることが大事だといっている。
うれしいなあ、こういう資本家がいるというのは。

キヤノンの労務担当役員も、朝日新聞(1月21日付け)で、経済合理性を超えて、雇用を守ることがいまの社会がキヤノンに期待していることだ、と述べていた。

こういうのが大事なのだ。
リーマンブラザースが破綻したとき、トヨタとキヤノンはいちはやく派遣切りを行った。
派遣とはそういうものだということを、いまも言う人がいるが、すぐれたリーダーならば、苦しいけれど何とかこらえるから、車やカメラを買って欲しいと訴えたほうがよかったのである。
日本の消費者は、それにこたえた思う。
それをしていれば、こころの萎縮は連鎖せず、不況の泥沼にはまり込まなかったのではないかと思う。

アメリカ流の契約社会のスタイルではなく、少しあやふやだけれど、あやふやの日本のなかで、人と人のつながりを信じることができるような、新しい形の資本主義があっていいのではないかと思う。

品川さんは、「私が経営トップだったら、いちばん弱いものを切るなよと言うでしょう」といっている。
政治家も国民も、資本主義の新しい形をつくるんだという意識がない。
品川さんは、そういう意識が大事だという。
ぼくも同感である。

品川流にいうと、「日本型の新しい形の資本主義」。
鎌田流にいうと、「ウエットな資本主義」。
どちらも、人間を大事にする経済観がある。
品川さんの言っていることと、鎌田が言っていることは、かなり近いところにあるように思う。

合言葉は、「資本主義の新しい形をつくろう!」。
この不況こそ、資本家も、政治家も、国民も、官僚も、みんなが意識を変えるいいチャンスだと思う。

2009年3月31日 (火)

鎌田實 日本経済への提言24

~~政治家の志を問う~~

経済をよくするためには、政治がリーダーシップをとらないといけない。
政治がリーダーシップをとるためには、志が高く、国民から尊敬される政治家が必要だ。
だが、二階経産相も、小沢民主党代表もアウトである。

一度は小沢さんに、この国の舵取りをさせてみたかったが、この不況のリーダーとしては適していないだろう。
ぼくが再三「首相よ、物語を語れ」ということで、麻生さんを批判してきたが、やはり小沢さんも国民に物語を語れないリーダーになりそうである。
冷え切った国民のこころに、あったかい演説ができるリーダーがいま必要なのである。
政局を得意としている小沢という虚像ではなく、国民に真摯に訴えかけることができる新しい政治のリーダー像が求められているのである。

民主党もどうしようもないことはわかっているが、とにかく二大政党という形にすべきである。
そして、民主党政権の間に、政治資金規正法を厳しく改革する必要がある。
政治をきれいにするのである。
そして、きれいになった政治に、国民は力を与えるべきである。
政治が、官僚をコントロールすることができるようにすべきである。
優秀な官僚が、十分に能力を発揮できる環境をつくりながら、天下りのうまみを吸わせないこと。
二大政党制を行いながら、垢のたまった政界をクリーンに再編成し、あたたかで豊かなものづくり国家としての土台を築いていく必要があると思う。

2009年2月24日 (火)

病院集中化の穴

国はがん治療の拠点病院化をすすめ、救急医療の拠点化もすすめている。
中途半端な拠点化は、地域全体の医療を弱体化し、ほころびを生むことが多い。
やるなら徹底的にやらないとだめ。

兵庫県伊丹市で1月、交通事故で重症を負った69歳の男性が、14病院から受け入れを断られ、約3時間後に出血性ショックで死亡した。
救急車は5分後に、事故現場に到着したのに、である。
皮肉なことに、衝突したパイクに乗っていた29歳の男性は、目の焦点が合っておらず、緊急を要したため、「1人だけなら」と神戸の大学病院に受け入れられた。
69歳の男性は、事故直後、意識がはっきりしており、むしろ軽いと思われたために、14病院から受け入れを拒否され、出血性ショックで死亡した。

救急医療のたらいまわしは、35年前もじつに頻繁に、今以上に起きていた。090211
当時は、夜間や土日の救急医療を断る病院が多かった。
だが、20年ほど前から多くの病院が救急医療をきちんと受け入れるようになり、救急のたらいまわしは一時期減っていたはずである。
ここへきて、再びたらいまわしが増えだしたのは、病院の拠点化、集中化と関係があるとぼくは思っている。

拠点病院化をすすめると、拠点病院にならなかったところは自分たちの仕事ではないと思うようになってしまう。
もちろん、意識の問題だけではない。
医師はどうしても拠点病院に集中するため、今までどんな患者さんも受け入れようとしていた中小の病院が、医師不足に陥ってしまう。

中小の病院は、今まで最後の受け皿として役割を果たしてきた。
場合によっては、大学病院や専門病院ときちんとやりとりをしながら、自分たちでみれる病気と専門病院にまわす場合とをきちんとジャッジをしていた。
だが、病院の拠点化をすすめることで、弱体化していく。

その半面、拠点病院には患者が集中し、医療はパンクする。
手一杯になり、ちょっとした理由をみつけては患者を断るようになる。
これが、がんの拠点病院でがん難民を生んでいる。
がんの拠点病院は、がん対策基本法で緩和医療を充実させると法律で決められたにもかからず、再発したり進行したがんに関して、あいかわらず冷たい医療が行われている。
拠点病院化をはかるなら、国は、がんの患者さんの治癒率をあげ、助からない患者に対してはどれだけ大切にみているか、事実をきとんとフォローしていく必要があるのではないかと思う。
救急医療においても、患者を断ってはいけないはずのERで、患者の受け入れを拒否するというようなことがないよう、徹底していくしかない。

写真は、札幌で見た夜明け。日本の医療にも再びあたたかい日差しはさすのか。

2009年2月19日 (木)

地域医療の崩壊をどう防ぐか

「医療崩壊をどう防ぐか」
こんなタイトルで、国保の病院や診療所のドクターたちの勉強会が行われた。
ぼくはこの学術部会の委員長をしていて、2日間の研修のプログラムをつくった。
いちばんのメインは、兵庫県の丹波地域にある県立柏原病院の小児科医、和久祥三先生(写真=左)と地元の丹波新聞の足立智和記者(写真=右)がキーパーソンとなり、町に革命が起きていく“物語”だ。

丹波地域の病院には、小児科医が7人いた。 090123_2
一病院は小児科が閉鎖となり、ほかの二病院も、1人ずつとなった。
それでも何とか、輪番制をひいて、燃え尽きるのを防いでいたが、ついにこらえられなくなり、和久医師も辞めることを決意する。
そのことを足立記者が、新聞に書き始めた。

新聞を読んで、はじめて地元の小児科医の窮状を知ったお母さんたちは、自分たちが夜間、次々に救急外来をコンビニ受診していたことに気がついた。
そして、県立柏原病院の小児科を守る会を立ち上げた。
病院が閉鎖しないように呼びかけて署名運動を行った。
署名は5万5000人集まり、県知事に届けた。

こうして、医師会も変わる。
守る会だけでなく、いくつも新しい会ができ、丹波医療再生ネットワークが立ちあがった。
住民のパワーに、専門家たちも、理解を示しはじめる。

守る会は、ただの圧力団体になるのではなく、患者自らの意識を変えるために、三つのスローガンをつくった。
「コンビに受診を控えよう」
「かかりつけ医をもとう」
「お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう」
特に三つめは、医師にとって、とても大きな力になった。

和久医師自身がこんなことを言っている。
「患者さんのクレームと聞くと、どうせ話をしても理解してもらえない。わずらわしい。もう人とかかわりたくないと思っていた」
もうこころは冷えきっていたのである。
しかし、子どもたちやお母さんたちから「ありがとう」のメッセージを何度も聞かされているうちに、何かが変わった。
こころがだんだんあたたかくなっていき、辞めるのをやめた。

すると不思議なことが起こった。
病院に、次々に小児科医たちが集まってきた。
小児科医は、いまだかつてない5人になった。

県立柏原病院の小児科での問題は、解決されつつある。
しかし、43人いた医師は現在、全体で19人。
小児科の問題は奇跡的に改善しているが、病院全体としては依然としてたいへんな状況だ。
12あった診療科が次々と閉鎖されて、5つになるという。
303床あったが、現在146床に削減されている。

まだまだ地域医療の現場は厳しい。
その厳しさを伝え、住民と一緒になって、住民がその地域に理解を示すと、そこにあたたかな血が通う。
Photoあたたかな血が通ったところには、あたたかな医師が集まってくるのではないかと思う。

小泉元首相の時代から、医療費抑制政策が厳しくなった。
3回の医療費改定で、6.9%の医療費の削減をし、毎年2千200億円の社会保障費の抑制もかけた。
その結果、地域の医療は崩壊しはじめているのである。
国の土台が壊れようとしているのである。
こんな間違った国づくりは、ない。

もう一度、国の土台をつくりなおさなければいけない。
教育や子育て支援や医療や福祉を充実させることが、この国にとってもっとも必要なことであり、そして、安心できる国づくりをした後、国民に自分のもっている貯金を少しでも使ってもらう。
この国の再生も、経済の再生も、医療の再生も、ここからはじまるのではないだろうか。

医療崩壊を防ぐ方法はまだまだある。
そう信じて、闘っていかなければいけない。

Photo_2 『小児救急』(鈴木敦秋著、講談社文庫)、『医療崩壊はこうすれば防げる』(本田宏編著、洋泉社)の本の中に、ぼくが国診協の地域包括ケア研修会のシンポジウムにお呼びした、和久祥三先生のことが書かれている。
あたたかな小児科医だ。
彼は、柏原病院を辞めかかったけれど、市民とつながることによって、もう一度、あたたかなこころを取り戻し、地域とつながりながら、いまは、地域医療がおもしろくなったとぼくに言ってくれた。

参考にどうぞ、お読みください。

2009年2月18日 (水)

中川財務相は日本の恥

G7の記者会見中、居眠りをしたり、ロレツが回らなくなったり、日銀の現在の政策金利をきちんといえなかったり、恥ずかしいことである。

アルコール多飲者である。
この人と一緒にしては申し訳ないので、あえてアルコール依存症とはいわない。
アルコール依存症の人に失礼だからだ。

単なる麻生君の酒飲み友だちを財務相兼、金融担当相にしたことが大きな間違いであった。

麻生さんは、はじめはすぐに選挙をするつもりだった。
だから、大臣はだれでもよかった。
この国をよく治めようとするための大臣の布陣ではなかったのだ。
自分が首相になるのに世話になったお友だちたちを、大臣にすえたにすぎないのである。

だが、自民党が行った世論調査で、就任直後も、自民党の低迷が予想されたため、選挙がやれなくなった。
こんな布陣の大臣でやらざるをえない麻生内閣は、なかなか国の舵取りができない。
当たり前である。

手遅れなアドバイスではあるが、中川さんは、大臣をやっている間は酒を止めたほうがいいと思う。
国会の答弁でも、二十数カ所も、原稿の読み間違えをして、訂正を申し出る一幕もあった。P1250319
なんとも教養のない、きちんとした国家観のない首相と大臣であろうか。
恥ずかしい。

クリントン国務長官が来日した。
皇居に行かれたり、麻生総理大臣と会い、外務大臣と会い、明治神宮へ参り、拉致被害者家族と会い、その間、インタビューにも応じ、一日を分刻みで動いた。
しかも、それを世界中のメディアが追いかけ、日本とアメリカの深い仲をアピールし、なおかつ日本の首相を世界ではじめてオバマのホワイトハウスへ招待するという話し合いをつけた。
猛烈な仕事ぶりだ。

その同じ日、中川財務相が辞意を表明した。
あえて呼び捨てにするが、中川とか、麻生とかは、結局、政治屋でしかないことがよくわかる。
中心的な存在にならないときは、適当にうまいことを言って、批判したり、おちょくったりして、気の利いた話をするが、結局、彼らがやっていることは、うまいものを食って、うまい酒を飲んで、いい生活をしているだけである。
政治屋なのである。

クリントンは命がけで、アメリカの国益を守るために全力投球している。
政治家と政治屋の違いが、明確になったような気がする。

そういう意味では、自民党には、どうも政治屋としか思えない人があまりにも多く、あとは小泉チルドレンのような、アマチュアのどうしようもない無能の集合である。
さりとて、民主党にすぐれた人材がいるかというと、残念なことに見当たらない。
日本の政治状況は、悲惨である。

日本の政治を立て直すには、二大政党にして、官僚を中心とした国家から、政治が中心の日本へと変えていくことである。
そのためには、10年くらいのスパンで、政治家のクオリティーをあげて、日本のリーダーシップをきちんととれるようにすることだ。
政治家の二代目や三代目は、職業選択の自由があるから、政治家になってはいけないわけではないが、親族の地盤をそっくり受け継ぐのはよくない。
親族から親族へと、地盤を譲り渡すようなことは法律でしばるべきで、二代目、三代目が政治家になるときは、違う地盤から出るという前提をつくるべきである。

そうすることによって、少しは日本の政治は再生することができるだろう。
2カ月ほど前のブログでも発表したが、参議院をつぶして、国会議員の数を3分の1に減らす。
そして、すぐれた政治家がきちんと議論をしながら、二大政党で意見を闘わすというスタイルにしていくことが大事だと思う。

2009年2月11日 (水)

鎌田實 日本経済への提言23

~~それぞれの応援~~

「マリソル」という女性誌で、ニュースキャスターの安藤優子さんと対談した。
安藤さんの連載「私の人生の師匠たち」のコーナーに招かれたのだ。
なんと、カマタが、人生の師匠の一人にされてしまった。

安藤さんは、『がんばらない』から『いいかげんがいい』まで、ほとんどぼくの本を読んでいてくれる鎌田マニアだということがわかった。
対談の内容は、おもしろい。
丁々発止である。

そのなかで、ぼくは、最近、注文したスーツのことを話した。
はじめて、寸法をはかってもらって注文した。
えりが立っているような変わったスーツである。

経済状況が厳しいなかで、まちの洋服屋さんもたいへんな状況にある。
以前から、市内にあるまるもという洋服屋さんに、いろいろアドバイスをもらって、出来合いのブレザーやコートを買っていたが、
商店街がみんなピンチと聞いて、完全なテーラーメイドではないが、セミテーラーメイドという方法でスーツを作ったのだ。

経済を動かすためには、みんなができる範囲でお金を使うことが大切。
洋服を買ったり、お化粧品を買ったり・・・。
自動車を買う予定があった人は今こそ、買うときである。
それがこの国を守り、経済を後押しする大事なきっかけになる。

こころを萎縮させないこと。
こころの萎縮の連鎖をおこさないことが大事である。

ぜひ、月刊誌「マリソル」の3月号をみてほしい。

2009年2月10日 (火)

鎌田實 日本経済への提言22

~~麻生さん、国民に安心感を与えよう~~

主要先進国17カ国の民間調査機関が行った国際調査で、世界的な金融危機を受け、もっとも経済の先行きに悲観的なのは日本であることがわかった。
「今後3カ月間で、経済が良くなる」と答えた日本人はわずか2%。
反対に「悪くなる」が70%に達している。
金融危機の張本人であるアメリカでも「悪くなる」は、46%である。P1250318
日本人は、「今後1年間の収入が減る」が45%。
銀行と株式市場の安定度についても、日本は17カ国中、4番目に低い評価をしている。
すべてにわたって悲観的な結果がでた。

麻生さんは、75兆円の経済対策を発表している。
だが、国民のこころを揺さぶっていないので、国民はその気になることができない。
調査の悲観的な結果は、それをよく物語っている。
国民のこころをもっとあたためないと、だめ。
麻生さん、漢字は読めなくてもいいので、国民のこころを読んでほしい。
国民は、日本のリーダーにこころをあたためてもらいたいのである。

どういう国をつくろうとしているのか、見えてこないことに、まず問題がある。
今回の経済対策は、GDPでは諸外国のなかで最大規模になると、いくら胸を張っても、
どんな国をつくるために、75兆円をこう使うということを明確に示していなければ、国民は安心できない。
麻生さん、国民をぜひ安心させてほしいと思う。

2009年2月 9日 (月)

鎌田實 日本経済への提言21

~~ビジット・ジャパン・キャンペーン~~

2010年までに外国人旅行者を1000万人にしようとビジット・ジャパン・キャンペーンが展開されている。
08年では、年間約835万人の外国人旅行者が日本に来てくれた。
03年には521万人だったから、着実に目標に向かって増えているが、もっと拍車をかける必要がある。

ぼくが住んでいる茅野市も、中国や台湾からの団体旅行者が多い。090205
誘客活動の成果だと思う。

ちょっと心配なのは、日本人のホスピタリティーだ。
とくに中国や韓国や台湾というアジアのゲストに対して、日本人はきちんとホスピタリティーをもって迎えているだろうか。
旅館やホテルは、生活がかかっているので、丁寧におもてなしをすると思うが、一般の人たちは、自分自身もふくめて、何かよそよそしい。
日本人のシャイなところが、コミュニケーションを邪魔している。
言葉の問題ではない。
何かその場にある空気というか、ぼくたちの目があまり彼らを歓待していないような気がするのである。
異文化の人たちだって、その感じはわかるのではないだろうか。

観光資源は、京都や奈良や各地に有名なお寺があり、温泉があり、自然あふれる景観があり、スキー場やゴルフ場がある。
どの国にも負けない観光資源があるわりには、外国からのお客さまが少ないのは、ぼくたちが持っている外国のお客さまへの空気が関係していないだろうか。
ヨーロッパやアメリカの人にはちょっとあたたかな気がするが、より強い絆を結ばなくてはいけないアジアの人たちに対しての空気は、もっとあたたかなものに変えていく必要がある。

観光立国を目指すならば、日本全体が外国から来るお客さんに対して、日本人が本来がもっているおもてなしのこころを発揮すべきだと思う。

写真は、特急しなのの車内。一車両に1人しか乗客がいないというのも、ちょっとさびしい。

2009年2月 7日 (土)

鎌田實 日本経済への提言⑳

~~流民をつくるな~~

派遣切りが行われ、行き場がなくなって、ふるさとにも帰れない若者たちが続出している。
「住所不定」にしないであげる方法を考えるべき。

デフレで人や社会が豊かになれるわけがない。0902042
給料が下がって、ものの値段がもっと下がれば、差引勘定、生活がしやすくなるという考えもある。
反対に、給料が上がって、物価がもっと上がれば、個人の収入は減る。
だが、少しつらいけれど、物価が上がり、軽いインフレが起きているほうが、社会はまっとうになる。
雇用を生み出し、流民を減らすことができるからである。

インフレを起こすためには、日銀の発行する貨幣だけでなく、政府も貨幣を発行するのも方法だ。
政府の発行したお金を、国民に20万円ずつくらい配って、みんなに使ってもらえば、インフレは起こる。

と同時に、こういう邪道に走れば、円は下がる。
下がっていい。
少し円安にもちこむことができるからだ。
いまドルは、ドル高の虚像がつくられていたが、化けの皮がはがれていくたびに、ドルは評価が下がり、安くなっている。
ドルが安くなれば、円は本来の力以上に円高にもちこまれていく。
その円高を防ぐためにも、政府の貨幣の発行などの方法で、少しだけインフレにもちこむことが大事なことだと思う。

2009年2月 6日 (金)

鎌田實 日本経済への提言⑲

~~空気を壊すな~~

大阪の釜ケ崎にある子どもの里では、毎週土曜、おにぎりとみそ汁と毛布を持って、町のなかを歩くという。
80人ほどの子どもたちが、5つほどのグループに分かれて、野宿している人たちに声をかけてあるくのだ。
夜まわりは、夜の8時から2時間ほど。
寒空の下、子どもたちも、よくやっている。

子どもたちは、釜ケ崎に流れてきた人たちの人生の話を聞く。
なぜ、どんな事情で、釜ケ崎に来て、いま野宿するようになったのかという一人ひとりの自分史に、耳を傾ける。
子どもたちはそれに共感し、何かを学んでいく。P1250320

釜ケ崎では、シェルターに入りきれない人たちが、この冬の寒風の中、野宿をしている。
食べ物はいろいろなNGOが曜日を決め、分担を決め、炊き出しをしながら、最低限の食がとれるようにしているが、十分とは言えない。

派遣切りが行われ、40歳くらいの働き盛りの人たちも釜ケ崎に増えている。
すると、今まで日雇いの仕事をもらえていた50歳代の人たちがあぶれてしまう。
職を失い、ドヤに泊まれていた人たちが、野宿に転落しているという。

軽い知的障害がある人たちも、数年前までは、日雇い仲間がみんなで守りあい、見守りあうことで、その人も一人前の給料をもらっていた。
だが、自分が生きるのがやっとという時代になり、恵まれない社会でさらに恵まれない人たちを、なんとかみんなで守ってきた空気が壊れ始めている。
日雇い労働をたばねていた親方役には、人格者で面倒見がよい人が多かった。
だがそんな親方役自身も仕事がなくなり、野宿をするようになった人もいるという。

今回の派遣切りのしわ寄せは、もっとも弱いところに、さらに厳しい形であらわれている。
職を失うことによって、今まで何とか成り立っていた、見えない支え合いの空気をも壊していく。

なんとか雇用の創出を考えないかぎり、今の状況は打破できないと思う。
低賃金だとしても、仕事があれば、賃金を使う。
使うことによって資本主義社会はまわりだすのである。
自治体も国も企業もNGOも、雇用の創出へ向かって、全力投球しないといけない時代がきている。
それが、自分の地域を守ること、自分の企業を守ること、この国を守るることにもなると思う。

2009年2月 5日 (木)

鎌田實 日本経済への提言⑱

~~仕事を創出しろ~~

マルクスは『資本論』のなかで、資本主義経済が進めば進むほど貧困がつくり出されるといっているが、まさにその通りの惨状になってきた。
3月までの半年間で、日本では40万人の製造業にかかわっていた派遣労働者などが職を失う。
大変なことである。

麻生首相は、国会で、失業保険をもらいやすくできるように制度改革すると表明した。
もちろん悪いことではないが、大事なことは、安心して失業できる状況をつくるのではなく、失業しない社会をつくることである。
仕事の創出を最優先するべきである。

介護の世界は、小泉首相のおかげで、崩壊寸前である。Dsc01972_2
人手が足りなくて困っている。
5万人ほど確保するには、介護ヘルパー2級のライセンスをとる間、生活の保障と受講料の保障をし、仕事の斡旋をすることがまず、大事である。
そして、さらに環境の時代を意識した、新しい産業へ人を促すことである。

以前、このブログでも書いたが、太陽光発電を本気で普及させるなら、自家発電の電気の買取価格を、現在の4倍であるドイツ並みに引き上げるべき。
同様に、エコカーを本気で普及させ、また日本がエコカーで世界トップを目指すならば、国も企業も全力を傾けるべきである。
世界の最先端を走れるような、新しい研究には助成が必要だ。
エコカーは、電池の性能が命であるから、その開発はとくに重要だ。
全国のスタンドで、充電できるようなインフラも必要である。
そういうことにお金の投入をして、日本がこの1、2年の間に、エコカーの部門で、一気に世界の先頭を走れるようにするのである。
もちろん、それにともなう雇用も生まれる。

自動車業界は、できるだけ雇用の確保に内部留保資金を投入すべきである。
ある企業などは10兆円を超えるような内部留保金があると聞く。
企業も国も、雇用の創出に全力を傾けるべきなのだ。
この国を守るために、みんながひと肌脱がなければいけない。

写真は、岩次郎小屋から。八ケ岳に朝陽が昇る

2009年2月 4日 (水)

病院センター化の波紋

なぜ、銚子市立総合病院は崩壊したのか。
銚子市病院事業在り方委員会の報告書をみると、病院経営改善計画が楽天的すぎた、病院職員にも危機意識が低かった、とある。
さらに、市会議員の暴言に近い発言が、医師のモチベーションを下げた、という。
おそらく、この時点から医師たちが逃げだしたのだと思う。

結果論としては、平成19年の中ごろに、病院経営の縮小を決断すべきだった。
だが、議会や行政や市民の考え方が、すべてを存続させるか、ゼロか、両極端な決定を考えていたようだと反省している。
そして、銚子市立総合病院はすべてを失ってしまった。
「加減」をきちんとみなかったのだ。
近くには、旭中央病院という大きな病院がある。P1250300
救急医療や高度医療はそこに任せるにしても、一般病院として二次救急をカバーし、入院患者を診れる病院が銚子市にあることは大事なことであったはずである。

一つの病院の破綻は、一つの病院ではおさまらない。
病院がつぶれると、そこに受診していた患者が、別の病院に押し寄せる。
すると、医師や看護師に大きな負荷が加わり、患者や家族の要望にこたえきれない状態が発生する。
医師や看護師の士気は低下し、だれかが燃え尽きて、辞めていく。
だれかが辞めると、ほかの医師にしわよせがいく。
ほころびが、どんどん大きくなっていく。
一つの病院が破綻すると、ほかの病院に負担がかかりだし、医療崩壊の連鎖がはじまる。
一つの病院ではすまないのである。

いま、政府が苦し紛れにやろうとしていることは、集約化と拠点化である。
がん医療でも、救急医療でも、集約化、拠点化をはかることによって、その病院は一時的には質は上がる。
しかし、地域全体からみれば、医療の質は落ちていく。
一時的に質が上がった拠点病院も、患者が集中するなかで疲弊し、やがて医療の質が落ちていく。

銚子市立総合病院が破綻したいま、その負担を負うのが旭中央病院である。
どんな巨大病院でも、そこだけに任せていては、いつか疲弊していく。
大きな病院を中心として、まわりにいくつかの病院が助け合うように、存在していることが必要なのである。
銚子市立総合病院は、規模を縮小してでも、存続させる意味は、地域にとって大きかった。

日本各地で、病院の集約化や拠点化を喧伝していこうとする動きが強まっているが、苦し紛れの策に思えてならない。
それぞれの病院がきちんと機能分担をして、それぞれの特色を出し合いながら存在していくようにしないかぎり、どこかに人員を集中させたりすれば、ほかの病院がつぶれていき、結局、いつか集中した一つの病院も疲れて、崩壊していくのである。

銚子市立総合病院の崩壊から学ぶことは多い。

2009年2月 2日 (月)

もんじゅ再開延期

再び、高速増殖原型炉もんじゅの再開が延期された。

1995年12月のナトリウム漏れ事故から13年たっている。
再開、再開といって、もう4度目である。
日本原子力研究開発機構の力のなさがはっきり示された。
名前ほどの“もんじゅ”の知恵が、ないのではないだろうか。

高速増殖原形炉の構想そのものに、やはり問題があったのではないだろうか。
もうすでに13年、構想そのものの再検討をしたほうがいいように思う。

無理なことは無理とするのが、賢いジャッジメントだと思う。

2009年2月 1日 (日)

鎌田實 日本経済への提言⑰

~~子どもを産もう~~

豊かな社会は、分厚い中流が支えている。
分厚い中流の多くは、若者たちによってつくられる。

好きな人ができたら結婚し、子どもを産む。
当たり前のようだが、今はそれができにくい。
結婚し、家庭を築いていくことは、よい消費者となる。
結婚式や出産祝いなども、GDPを押し上げる。
子どもができることが、分厚い中流をつくっていくうえでたいへん大事なのである。

日本の人口は、2005年、1億2777万人。
2030年には1億1522万人になり、高齢化率は31.8%になると推計されている。
このままいくと、2055年には人口は8993万人と1億を割ってしまう。P1110304
日本の人口は急激にブレーキがかかり、消費者が減っていくのである。
資本主義社会としては、成り立たなくなる。
2055年の高齢化率は40.5%。
弱者や高齢者を支えようも、支える力が非力になっていく。

若者を大事にすることである。
昔は、世話好きのオヤジやオバサンがいた。
若者たちを一緒にさせようという世話好きが、いまもう一度必要なのかもしれない。
大きなお世話と思わずに。

出生率を上げるためには、子育て支援のお金をフランス並にGDP比3.02%くらいにす べきである。
日本は0.75%しか支援していない。
みんなが、子どもを産みやすいような環境をつくるべきである。

医療も小児科や産婦人科が手薄にならないように、制度改革をしていく必要がある。
国立大学の医師には、それぞれの希望する科の枠の制限などを設け、日本が今後必要な数の医師を養成していくことである。
たとえば、一つの科に多くの医師が希望したら、成績順に決め、そして、それ以外の科でも、社会にとって必要な数の医師をきちんと養成していく。
公共財として医療を考えていくべきだと思う。
医師の職業の選択の自由は少し狭まるが、そのぶん、医師に対する社会的な評価や金銭的な評価を、きちんと高めることによってカバーすればいい。

この国をどうしていくのかというデザインのなかで、ぼくたちの税金をどこに投入すれば、国の勢いをつくり出せるのか。
人口推計からみれば、はやく手を打たなければならならいのは間違いない。

日本には、10年先をみている政治家が非常に少ないことが危惧される。
ましてや、40年以上先の2055年の、人口8900万人台の日本を想定しなら、こうならないようにどうしたらいいかを考えている人はとても少ないと思う。
もちろん、短期的な視点で、ここ数年の経済不況を脱出するための方策を考えることが大事だが、長期的な視点で、50年先の日本の姿を想定しておくことも大事なのだと思う。

2009年1月31日 (土)

鎌田實 日本経済への提言⑯

~~「ブレーク・ステート」しよう~~

ブレーク(braek)は中断させるという意味、ステート(state)は、状態という意味である。
仕事をしているときに、窓に外に夕日が落ちていく。
そのときは仕事を一瞬やめて、ブレーク・ステートすることによって、副交感神経が刺激され、血液の循環がよくなり、血圧も少し下がり、疲労回復に向かう。
当然、仕事の能率も上がる。

カッカしていたり、イライラしていたり、交感神経が緊張していると、血管が収縮して、血圧が上がる。
そんなときに、ブレーク・ステートすれば、いい状態に揺りもどされていく。 Dsc01975

会議でいき詰まっているときでも、親子でケンカしかかっているときにも、ブレーク・ステートするのはとてもいい。
がんの治療中でも、ほかの難病の治療中でも、のめりこみすぎているときには、ブレーク・ステートしてみることが大事である。

最近、パチンコ依存症なんていう言葉があるらしい。
アルコール依存症も同じ。
ブレーク・ステートしてみると、もしかしたら、そこから脱出できるきっかけがつかめるかもしれない。

ブレーク・ステートして、こころをあたためることである。
経済崩壊のなかでは、「会社がどうなるか」「仕事がどうなってしまうのか」・・・と悪い考えが頭のなかをめぐってしまいがちだ。
そんなとき、ブレーク・ステートするといいと思う。

写真は、ファンの方が作ってくれたパッチワーク。
ドクター・カマタが鼻歌をうたいながら、ひまわりの咲く道を行く。

2009年1月29日 (木)

鳩山総務相、えらい

かんぽの宿に関しては、このブログでも一度、取り上げた。
109億円で、オリックスへと売却するそうである。
オリックスのトップをしている人は、政治商人的で、もともと胡散くさいと思っていた。
小泉さんのブレーンにもなり、日本の医療を崩壊させるような政策に加担してきた感じがするのである。
オリックスは保険業をしているので、日本の国民皆保険がつぶれて、アメリカのように民間の医療保険でカバーする方向に向かえば、大きなビジネスチャンスになる。
オリックスはそれを狙っているのではないかと、ぼくは何となく勘ぐってきた。

郵政民営化により、かんぽの宿が売られる。
売られることは問題はないが、売り先が怪しい。
政治を動かすような発言ができる人が、自分の会社の有利になるような商談をまとめてしまうというのは、ちょっと下品なような気がする。

鳩山総務相が、これに「待った」をかけた。
よく言い出したと思う。
徹底的に暴き出したほうがいい。
日本郵政は入札の経過など、すべてをオープンにしたほうがいいと思う。
こういう話はできるだけオープンにしたほうがいいのである。

一括譲渡というのも、ちょっと変だ。
埼玉県のある施設は、300億円もかかっている。
しかも、年間の利用者が5万6000人もいて、人気施設だ。
そんなものもまるごと全部、売ってしまう。
首都圏にある、9物件の社宅も含まれているというから、あきれる。
価値のあるものを叩き売って、政治商人がもうかるという構図は、ちょっと許せない。

2009年1月27日 (火)

医師不足はさらに悪化

P1250304 日本政策投資銀行の試算によると、2025年には、医師不足がさらに進むらしい。
現在、医師不足が叫ばれているが、16年後には、比較的医師が多い東京や京都でも医師不足になる、という。

2005年の段階では、患者数1000人あたりの医師の数は、東京が約41人で1位、京都が約40人で2位、福岡が約39人で3位。
反対に、医師が少ないのは、埼玉が約21人、茨城県が22人、新潟が23人となる。

2025年には、さらなる高齢化によって患者数が増えると試算し、患者1000人あたりの医師数は、最も恵まれていた東京でも、41人から33人に、京都でも、40人から36人に低下する。

現在、日本の医師の数は27万8000人。
この数少ない医師たちにどう働いてもらうかという戦略が必要なのであるが、麻生さんには、その戦略がまったく見られないのである。
医療が崩壊する前に、麻生さん、早く手を打たなければ。
2兆円のバラマキはやめて、医療や福祉に投入しよう。

2009年1月24日 (土)

政商を許すな

日本郵政のかんぽの宿70カ所簿価141億円を、109億円で譲渡することが決まったという。
27社が二度にわって、競争入札をして、その結果、オリックスになったという。
制度上の問題は何もなさそうに思えるが、国民感情としては納得ができない。

日本郵政は、無駄使いをしておいて、赤字を垂れ流ししているので、売ることに関しては問題ない。
だが、オリックスの会長は、小泉内閣の総合規制改革会議の議長をつとめ、政府の対して、経済のご意見番みたいな役目をしてきた人だ。P1250302
その人が、自分の企業に利するようなことをしていいのだろうか。
規制改革会議のなかでは、郵政民営化は議論しなかったと言い訳をしているようであるが、この国の大きな流れをつくってきたことは間違いない。

オリックスの宮内会長に関しては、もともとぼくは不安をもっていた。
この6、7年、アメリカは日本の医療制度を崩壊させ、アメリカ並みに自由に民間保険が医療制度を支えるしくみにすべきだと、強行に申請書を出している。
日本の宝である国民皆保険制度を崩壊させようとしているのである。
小泉政権や宮内さんたちは、こうしたアメリカの考えにのっかっているように思えた。

保険業をしている人たちにとっては、国民皆保険制度がなくなり、民間の医療保険がカバーするという話はたいへん魅力的な儲け話なのである。
小泉政権時代の2002~2006年にかけて、医療費の診療報酬が6.9%抑制され、なかおつ、2200億円の社会保障費の抑制も毎年行われるようになった。

わざと医療に逆風を吹かせ、医療崩壊をさせる。P1250301
そして、医療制度が崩壊してしまったら、アメリカのような民間保険を中心にした制度をつくるという、アメリカ大好きの小泉さんの発想と、保険業をしている宮内さんの利害が一致したのではないか、とぼくは疑っていたのである。

こういう政商に、仁とか、義とか、愛とかは語れない。
国を救う意識のない人を、政治にかかわらせてはならない。
こういう人に規制改革会議の議長など、させるべきではなかったのだ。
この国の再生を本気で考えるなら、自分の企業に、出来レースのように利益をもってくるようなことは厳に慎まなければいけない。

2009年1月21日 (水)

鎌田實 日本経済への提言⑮

~~保護貿易に傾かないこと~~

ロシアが輸入する自動車について、高額な関税をかけだした。
この傾向が、世界中に広がることを防がなければいけない。
1930年ごろの大恐慌は、この保護貿易によって、病態をさらに悪化させた経験がある。
オバマは、当然、労働者よりの政策をとる。
ビッグ3が当面、立ち直れないとなると、アメリカの自動車産業を守るために、関税を高くして保護貿易をもちこむ可能性も否定できない。

世界中が、厳しい状況になってきている。
一時元気があったベトナムも、厳しい。
中国の農民工とよばれる出稼ぎ労働者も、解雇されだしている。
これから270万人の労働者が失業する可能性もあるといわれている。

金融立国として元気だったイギリスも、アイスランドも、たいへん厳しい状況に追い込まれている。
カジノ経済のようなばくち打ちの経済を、世界中で二度と行われないような規制が必要であろう。
しかも、世界が立ち直ってくためには、新たなパラダイムシフトをおこしていく必要がある。

では、どんなビジネスモデルを作り上げていったらいいのだろうか。

前回、書いたように、グリーン・ジョブ、あるいはグリーン・リカバリーをテコにして、再生をはかっていくべきだ、とぼくは思う。
価値ある商品づくりをして、厳しい状況のなかでも輸出をしつづけ、なおかつバランスよく、今までとはケタはずれに内需を拡大していく必要がある。

そのめには、分厚い中流をつくることである。
若者たちが結婚しやすい状況をつくり、子育てをしやすい支援を充実し、そして、国民に、自分のもっている貯金の一割を使うことが国を救うことになるという物語を語り続けないと、経済的危機を脱出することは難しいだろう。

1930年代は、大恐慌が引き金となり、保護貿易が行われるようになり、苦し紛れに戦争まで走っていった。
地球上に二度とそのような悲劇がおきないようにしたい。
そのためには、保護貿易をせず、自由貿易がきちんと行われるように、日本も経済政策の舵取りをしていかないといけないと思う。

埴谷雄高の『死霊』のように、経済が崩壊し、生活が行き詰まり、絶望に陥っても、そこで絶望とは何か考えてみるべき。
どんな状況になっても、もう一人の自分が客観的にのぞいているような視点をもつことが大事だ。
景気の波が下がっていると、永久に下がり続けてしまうのではないかと不安になる。
不安にさいなまれるのが人間であるが、下がった波は必ず上がると信じながら、絶望を客観的に受け止めることが大事なのだと思う。

2009年1月20日 (火)

鎌田實 日本経済への提言⑭

~~グリーン・ジョプを~~

昨年夏、太陽光発電を岩次郎小屋の屋根に取り付けた。
発電した電気は、1キロワット23円で電力会社が買ってくれる。
ドイツでは1キロワット90円で電力会社が買ってくれるのに対して、ずいぶん違いがある。
今年から太陽光発電を取り付けると、補助金がでる制度もやっとつくられたが、もっと大胆な政策が必要なのではないか。
日本の太陽光発電を、世界のナンバーワン企業にするためには、まず国内での消費をおこさなければならない。

明日、大統領に就任するオバマは、この10年間で、15兆円をエコに投入し、約500万人の雇用を生み出そうとしている。
EUも2020年に自然エネルギーの比率を20%にするという目標をたてている。
英国は、2020年までに10兆円を投資して、風車を7000基建設するという。
ドイツは、自然エネルギー分野の雇用を25万人に増やし、2020年には自動車産業を上回る労働者をつくる算段だといわれている。
フランスでも、50万人の雇用創出を考えているという。

では、日本はどうか。
自動車産業にもお金を投入していいから、今回のような派遣の切捨てをさせないで、ワークシェアをさせながら、世界最先端のエコカー作りをさらにすすめる大胆な施策を講じるべきだと思う。

電力会社の言いなりにならず、原発エネルギーではなく、自然エネルギーをもっと増やそう。
そのためには、自然エネルギーの買取価格を、ドイツ並みに高く設定する必要がある。

麻生さん、電力会社の言いなりになってはいけない。
自然エネルギーを増やすということを、日本は高らかに掲げよう。

前回、政治にとっても経済の立て直しにとっても、「愛」が必要であると述べた。
国民を愛すること、そして、自然を愛すること。
どうも、このへんに経済危機を脱出するヒントが隠れているような気がする。

2009年1月19日 (月)

鎌田實 日本経済への提言⑬

~~経済にも「愛」が大事~~

NHKの大河ドラマ「天地人」は、上杉謙信を支えた直江兼続が主人公。
かぶとの前立てに「愛」の一文字を使用していたという。
戦国時代に生きた武将としては、なんとも不思議な文字をかぶとにつけている。
義に生き、愛に生きた武将なのらしい。

チェ・ゲバラの映画をみたが、その映画のなかで、革命家に必要なのものは「愛」だとチェは言っている。
真の革命家は、偉大なる愛に導かれ、人間への愛、正義への愛、真実への愛を重んじる。

これからくるであろう数年間の恐慌状態をのりきるためには、経済にも、愛が必要なのだと思う。
もちろん、政治にも、だ。

麻生さんは、愛を語れる政治家ではない。
経済の建て直しに愛を語れる、しゃれた感性はもっていないだろう。
国民への愛。
これが救国には必要なのである。
さりとて、民主党の小沢さんが愛を語れるとは思えない。

戦国時代に直江兼続が出現したように、世界的な恐慌のなかで、窒息しそうな日本の政治状況のなかで、愛を語れる政治家が現れることを願う。
ドライな資本主義からウエットな資本主義へ、国民のこころを揺さぶり、ひとつの革命ができるような政治家が必要なのは、今だと思う。

2009年1月18日 (日)

鎌田實 日本経済への提言⑫

~~大きな時代の流れとしてとらえる~~

19世紀は帝国主義の時代だった。
欧州が中心だった。
植民地体制を構築し、その余力で合理主義や科学主義を広めた。

20世紀はアメリカの時代である。
ボブ・ディランの音楽や、ハリウッドの映画は全盛であった。
このブログで『世界が静止する日』という映画を、最近の失敗作として取り上げたが、ハリウッド映画の衰退はひどいものである。
文化の力が壊れかけていると考えていいだろう。
アメリカ流の金融工学が、大仕掛けの詐欺まがいのものであったことは、やっと世界が認識した。

21世紀は、多極化の時代である。
今までの世界観に反動が起き、ヨーロッパやアメリカという一極を中心にした世界観が変わっていく。
おそらく、ロシアももう一回、息を吹き返すだろう。
世界は、いわぱ、横綱のない時代に突入する。
EUや、アメリカ、ロシア、中国など、そういった関脇クラスの国が群雄割拠する時代となっていく。
そのなかで、日本は、ロシアともヨーロッパともアメリカとも上手につながりながら、基本的にはアジアと連携していくことである。
いま、アジアは苦しんでいる。
傷の少なかった日本がアジアを丁寧に支え、アジアのリーダーとして、日本らしい生き方を世界に示していくこと。
どこかの国の子分になるのではなく、アジアという拠点に、きちんと足場を構築していくことが、不況の苦しいなかでの日本の選択だと思う。

麻生さん、きちんとした世界観をもとう。

読売新聞の「大波乱に立ち向かう」という連載のなかで、ぼくの大好きなノーベル文学賞受賞者、オルハン・パムクの談話がのっていた。
イスラム原理主義と、世俗主義の戦いを書いた『雪』という小説は、彼の近作のなかで、優れた小説だと思っていた。

多民族、多文化の共存はできると、パムクはいう。
イスラム世界にも自由な民主主義社会を望む人はけっこう多い、と述べている。
トルコのEU加盟が取り沙汰され、反対する人たちもけっこう多いが、EUという“キリスト教徒クラブ”に加入することによって、キリスト教という宗教ではなく、もう一方にある自由、平等、博愛の精神を共有することが、お互いにできるようになる。
EUにトルコが加盟するために、クルド人の分離独立もゆるやかに認めざるを得なくなる。
そうすることによって、表現の自由や少数派の権利を認めることになり、イスラム世界の一つの橋頭堡になっていく可能性がある、という。

実にそうだと思う。
パムクの言うように、世界は多極化に向かっている。
いろんな宗教が共存し合い、多極化のなかで経済も、政治も、文化も、宗教も、共存し合っていく。
それが21世紀の大きな目指すところである。

今回の経済の崩壊により、アメリカの一極中心主義が崩壊した。これを契機に、今までずっと戦いの元となっていた矛盾や違いというものを、お互いにそのまま認め合い、お互いが共存していく、新たな世界観をつくっていくことが大事なのだと思う。
そうした世界観のなかで、日本の経済をどう再建していくかが問われるところである。

2009年1月17日 (土)

原発施設に不透明なお金

西松建設は、海外でつくった裏金一億円を、福島の企業に融資し、そのお金を青森県のむつ市に計画されていた、
使用済み核燃料中間貯蔵施設の土地の先行取得に関係して、偽装融資が行われていたようである。
二重三重に悪いことをしている。

福島は、原発のある地域である。
青森もそう。
原発を行っている地域で、不透明なお金がいつも動いている。
むつ市の当時の市長の後援企業に、このお金の一部が融資されているらしい。
どういうふうにお金が流れたかはわからない。
おそらく、政治家にもお金が流れているのではないだろうか。

原発をつくろうというムードが世界中に広がりだしている。 Photo_2
地球温暖化というキーワードを逆手に取っているのである。
ゴアも、原発メジャーに近いところにいるといわれている。
原発を開発していく巨大なお金に汚されない人たちが、地球温暖化を救う答えが本当に原発の推進なのか、ニュートラルに考える必要がある。

チェルノブイリの放射能汚染地域のベトカ(写真↑)では、22年たったいまも、新しい体内汚染患者が発生している。
その現実をみると、原発の一回の事故は、あまりにもツケが大きい。
原発内の事故があっても、公表されず、透明性が保てない体質は、不安を呼び起こす。
また、それ以前に、地震国の日本で、本当に安全が保たれるのか、技術的な心配もある。
原発を長期間使って、廃棄するときの自然に対する負荷や金銭的な負荷を考えたときに、原発は安全で効率がいいのか、きちんと考えないといけない。

今回のようなダーティーなお金が原発のまわりにうろうろするのは、まず避けなければいけないと思う。
西松建設は3億8千万円を出し、いかにも社員一人が政治団体を構成しているようにみせかけて、企業のお金が政治家に献金されている。
違法献金である。
政治家の鼻の下をくすぐり、原発産業に進出しようとしているのだろう。

まず、当たり前のルールを守ること。
そうでなければ、国民は原発に対するダーティーな感覚をぬぐうことはできない。

鎌田實 日本経済への提言⑪

~~人を大事にすること~~

経済が悪いときには、このままずっと悪いままだと思いがちだが、決してそんなことはない。
10年周期の大きな波を、間違いなく描いているのである。
ただ、危機の波から脱出しかかったら、とにかく反省しなくちゃいけないことを反省して、二度と繰り返さないことである。

いま、反省すべきことは、人を簡単に切り捨てていることだ。P1110321
日本の会社は、人を簡単に切り捨てる組織になり出した。
本来、公的機関や学校以外は就職の紹介はできないはずなのに、法律を変え、中間搾取をしやすくする派遣労働といういかがわしいスタイルを構築した。
こんな国は、日本と韓国くらいしかない。
不誠実なスタイルは、どんなに短期的には利益が大きいにしても、長続きするはずはないのである。

世界のなかでの日本の武器は、人を大事にしてきたことだったはずだ。
経営者は、社会の公器として会社を考えながら、人を大切にしてほしい。
派遣労働者にやめてもらうならば、それなりに次の職場を探してやる努力をするとか、仕事が見つかるまで、たとえば半年とかの期限付きでもかまわないから、寮に住まわせてあげるなど、キメの細かい、あたたかな日本の経営というのがあっていいのではないか。
そうすることによって、社会は安定する。
資本主義社会が成熟していくのである。

非正規労働者は1779万人いるといわれている。
非正規労働者といわれている人たちのなかには、アルバイトが332万人、派遣労働者が180万人いる。
そのほかに、パートや嘱託や契約社員もいる。
パートやアルバイトや嘱託が、ある程度、その人の生活のスタイルとして、選択されたものならば問題はない。
しかし、本当は常勤として一生懸命働きたい人たちが、正規雇用されず、派遣として身分不安定な状況で生活していかざるを得ないことは、大きな問題である。

分厚い中流層をつくり、ウエットな資本主義をつくり、健全な消費層をつくりだすためには、
勇気をもって、この派遣社員を徐々に正規雇用していくことが大事。
それを、企業が気合を入れて努力していくことが、日本の再生につながっていくと信じている。

2009年1月16日 (金)

鎌田實 日本経済への提言⑩

~~日本の分水嶺~~

「MOKU」という月刊誌の1月号に、「あいまいで、あやふやで、いいかげんな日本の時代」というタイトルの文を書いた。
日本の分水嶺について、である。

P1110317 二項対立をしたり、分化しながら進歩させていく、西洋的な学問の方法とは違い、日本には統合しながら、全体を見るために、あやふやで、不透明になる、そんなものの考え方が日本にはあったはず。
生と死を分けたり、善と悪を分けたりするのではなく、生のなかにある死、死のなかにある生を考えたりする。
そこに日本の特徴があったはずである。

イエスとノーの意見についても、ぼくたちは両方の意見を大事にしてきた。
「はい、そのとおりです、でも・・・」
煮え切らない、イエスとノーが共存してしまうような生き方を、ぼくたちはしてきた。

宗教でも、そう。
子どもが生まれると、神社でお宮参りをして、クリスチャンでもないのに教会で結婚式をあげ、亡くなるとお寺で葬式をする。
あいまいで、あやふやで、寛容な日本。
見事にいいかげんなのである。

アメリカ流のグローバリズムが、世界を席巻していたとき、日本的な、怠惰な、あいまいな生き方を日本人じしんが否定したり、批判する評論家が多かった。
しかし、このあやふやな考え方が、日本的な経済のスタイルをつくってきたし、60年間戦争をすることもなくやってこれたのはこのためではないか。
ここに、日本人の先見性があるのではないだろうか。

哲学や経済や憲法、すべてがあやふやであいまいである。
このあやふやであいまいな日本に胸をはって、守り続けていくことが、日本の政治の再生でもあり、経済の再生でもあり、日本文化を保持していくことになると思う。

あやふやでいいかげんな道を行くか。
それでも、アメリカ流を選ぶのか。
日本の分かれ道である。

2009年1月15日 (木)

鎌田實 日本経済への提言⑨

~~平成の米百俵~~

読売新聞を見ても、朝日新聞をみても、麻生内閣の支持率は極端に悪化している。
共同通信社の支持率では、ついに19.2%となった。

P1110300 おもしろいのは、定額給付金2兆円の政策に対しては、多くの国民が反対をしていることだ。
では、その2兆円をどんなふうに使ったらいいかという質問に対して、国民の42%の人たちが年金、医療など社会保障にあてたほうがいいと答え、もっとも多かった。
公共事業費と答えたのは、4.5%である。
給付金がいいというのは、3.3%と最低であった。

大事なことは、公共事業も、バラマキの給付金も、望んでいるのはごくわずかな人だということだ。
これは、大きな国民の思いだと思う。

小泉元首相が、米百俵の話を突然したことがある。
長岡藩の、戊辰戦争でのことである。
戊辰戦争後、藩の財政が困窮しているとき、米百俵が支援としておくられてきた。
しかし、この米百俵をみんなで分けて、食べて終わらすのではなく、この米百俵を次の時代を担う子どもたちのために使うことを、長岡藩は決めたのである。

今、日本という国は、世界恐慌のなかにいる。
長岡藩と同じように困難のなかにいる。
平成の米百俵は、子どもたちの教育費や、子どもが安心して育てられるように小児科や産婦人科の充実のために使う。
これが大事なのではないだろうか。

時代を背負う子どもや若者たちのためにお金を使うことは。無駄金にならないのである。
今、苦しくても、そのお金を使うべきだと国民は思っている。
いらない道路に無駄なお金をつぎこむ、くだらない公共事業には、もううんざりしているのだ。

公共事業をするなら、後悔しない公共事業にすること。
もっとも大事な“公共事業”は、時代を担う、人を育てることではないか。
小学校や中学校の校舎の耐震強化をするのでもいいと思うが、いちばん大事なのは、しっかりと教育を立て直すことである。

2009年1月14日 (水)

鎌田實 日本経済への提言⑧

~~セロトニン神経を活性化しよう~~

大好評につき、不況をどう生き抜くかの対策を提案する。

不況のなかでは、元気が出てこない。
元気を出すには、ドーパミン神経が大事である。
ドーパミン神経は、お金をもうけたいとか、出世したいとか、欲望にかかわっている。。
がんばる神経ともいえる。
しかし、ドーパミンだけに偏ると、欲望が勝手に走り出す。P1110297
今回の金融資本主義の暴走は、ドーパミンで引き起こされている可能性が強い。

脳内には、ドーパミンと関係しながら、微妙に調整してくれる脳内の危機管理センターの役割がある。
ノルアドレナリン神経という。
この神経は、ストレスに対応する。
ときにはストレスに過剰に反応してしまい、ぼく自身も48歳のときに陥ってしまったパニック障害も、このノルアドレナリンが引き起こすことがある。

金融資本主義は、ドーパミンでつっぱしってきた社会だ。
それでも、ドーパミンの調整役のノルアドレナリンが、ストレスに対応しなから、何とか生きてきた。
しかし、鎌田實が『いいかげんがいい』で書いてきたように、大事なのはバランスである。
もう一つの大事な神経、セロトニンが有効に働いていることが大事なのである。

がんばるドーパミン。
がんばるのを少し微調整するノルアドレナリン。
そして、安定的にはたらくセロトニン。
このバランスが大事である。

セロトニンが働きだすと、シャンと目覚め、からだがピンシャカしてくる。
セロトニン神経が弱ってくると、ネガティブにものを考えたり、軽いうつになったりする。
セロトニンをいつも上手に、バランスよく分泌していることが大事である。

おいしいものを食べたり、よくかんでいる間に、セロトニンは分泌されるという。
食べ物は、ゴマ、豆腐、納豆、チーズに、トリプトファンが含まれていて、これがセロトニンの材料になるといわれている。
いろんなものにゴマをかけたりするのは、いい食べ方である。

朝は太陽に当たること。
これは、セロトニンを分泌しやすくする。
夜型の人間ではなくて、朝型の人間のほうが、より明るくとらえることができる。
ものごとがうまくいかなくなっているときには、夜型人間は悪循環に陥りやすくなる。
ちょっとつらいときや、不況になったときこそ、朝、数分でも太陽にあたり、太陽にあたることをおすすめする。

いい音楽をきくこと。
鎌田實の本も、セロトニン分泌につながると思う。

笑ったり、泣いたりがセロトニン分泌にはといもいい。
そして、孤立しないこと。
家族や友人や職場でつながることである。
セロトニン神経にいい刺激をつねに与えておくことが、不況下では大事である。

2009年1月13日 (火)

鎌田實 日本経済への提言⑦

~~不安連鎖を断ち切る5カ条~~

悲しいことに、この国のリーダーたちには、戦略がない。
悲しいことに、この国のリーダーたちには、戦術がない。

リーダーを信頼できない以上、国民一人ひとりがこの国を守らなければならない。

不況から恐慌へ発展するプロセスには、不安心理がある。
この不安心理の連鎖を、どこかで断ち切らなければいけない。

《不安連鎖を断ち切る5カ条》

1 「下がったものは必ず上がる」と、毎日毎日自分に言い聞かせること。これについては、前に触れたので、簡単にしておく。

2 不況時の呼吸法はやめる。
  不況時の呼吸は背がまるまり、下向きになり、抑制的な呼吸になる。
 いい考えも浮かばなくなり、ものごとをネガティブに考えるようになる。
 呼吸は、自然にしていると一分間に18回。これは海の波を起こす回数に似ている。
 海辺に立つと、なにかほっとするのは、自分の呼吸数と波の繰り返しが似ているからなのである。
P1110319  宇宙とつながっている自分を感じること。
 そのためには、顔と胸を斜め上にあげ、下向きにならないこと。
 極端に下を向くと、胸郭が抑制され、いい呼吸ができなくなる。
 わずかに上を向くことによって、息をいっぱい吸いやすくなる。
 吸った息はゆっくりと吐く。
 世界とつながっていることが、呼吸をしながら感じられる。
 ただし、上を見過ぎないこと。首が疲れる。呼吸もしにくくなる。ほんの少し、胸も顔も上を向くことが大事。鎌田實がいう「いいかげんがいい」のである。

3 今までやろうとして、できなかったことをやること。
 買いたいものがあったら、ここは見栄をはってでも買おう。車でも、マンションでも、電気製品でもいい。
 大きく背伸びをするのは破綻を招くが、少し背伸びをして、車を買ってみる。
 団塊の世代で、一生に一度はスポーツカーに乗りたいと思っていた人は、スポーツカーに乗ってみよう。それが国を救うことになる。
 もちろん、日本の車が最高で、日本の車を買ったほうがいいが、世界の不況を考えたとき、日本は世界と経済がつながっているのだから、どの国の車でもいい。かつて乗りたかった車を買えばいいのである。
 尻の穴を小さくしないこと。
 円高なので、以前よりは外国の製品だって買いやすいはずである。
 旅をするのもいい。
 行きたいところがあったら、国内でも国外でも旅にでよう。いまがチャンス。
 韓国の旅行ならば、国内の旅行よりも安い。韓国に焼肉に行きたいと思っている人は今がチャンス。
 ヨーロッパだろうが、南極だろうが、どこでもかまわない。
 ぼくはアメリカがきらいではあるが、ブロードウェイにミュージカルをみにいくのもいいと思っている。
 「こんな時代に」と人に後ろ指をさされることをするのが大事。
 つまり、第3条は、「ばかやろう」になればいいのである。
 「あいつ、バカだな」とみんなに言われるようなことを、今する人間が大事なのである。

4 「ばかやろう」に拍手をしよう。
 おバカさんになることをすすめた。不況のなかで、ドン・キホーテのようなことを国民の一割がやりはじめれば、この国は変わる。
 1500兆円という世界でいちばん貯金をもっている日本。P1110318
 その1500兆円の一割が動けば、日本は世界でいちばん早く危機から脱出できると話した。
 国民の一割の人が、「おバカさん」といわれるような大胆な行動をすること。
 100年に1度の危機を迎えたときにき、合理的な行動だけでは脱出ない。
 一割の「おかしな人たち」をみんなで拍手することである。
 「いまどき、スポーツカーなんて買って、あいつはバカだ」と言わずに、「あいつはすごい」と、みんなで拍手する。
 こんなときに、家を建てるための地鎮祭をみかけたら、知らない他人も拍手をして、えらい、えらいと言ってあげることである。
 いま何かを買ったり、旅行をしたり、いのちがけでお金を使ってくれる人を評価することである。

5 笑うこと。
  バカらしいけれど、けっこう大事なことだ。
  月刊誌「諸君」に、ぼくはアランの言葉を引用した。
 「しあわせだから笑うのではなく、笑うから幸せなのだ」
 いま多くの人間は、不幸せになりかかっている。
 こんなときこそ暗い顔をせず、みんなで笑うこと。
 笑ううちに幸せは近づいてくる。
 つまり、経済の危機から脱出できるはすである。

とにかく、2009年はちょっと上をみながら、胸郭をひろげて、いい呼吸をする。
そして、自然とつながっていることを確認しながら、笑うことである。
なんでもいい。くだらないことでもいいから、笑うことを繰り返してみようではないか。
リーダーに頼ることができないのなら、この危機を自分たちの力で脱出しなければならない。

2009年1月12日 (月)

鎌田實 日本経済への提言⑥

~~土俵際でこらえる~~

この国のリーダーには、戦略がない。
経済のたて直し、雇用問題を解決、そして、この国が安心して生きていくことができるよう0901101にするにはどうすべきか。
具体的にどんな戦略を展開すべきか、ずっとぼくは考え続けている。
ぼくのフレーズでいうと、「ウエットな資本主義」をどうつくるかという戦略論である。

きょうの話は、土俵際で踏ん張ること。
雪崩現象を起こす発端となったものを強いてあげるとすれば、08年夏、リーマンブラザーズがつぶれたことだ。
日本では、日本の企業を代表するソニーが、1万6000人の首切りをし、トヨタが派遣切りを宣言した。
そのことで、大企業だけでなく、多くの企業が萎縮へと向かった。
ドミノ倒しのように。

土俵際の最後の俵のところで、だれかがこらえることが大事。
そして、こらえている人を支えたり、評価したりすることが大事なのだ。

ソニーやトヨタが、正規社員や非正規社員みんなで給与などの減額を分担して背負い、こんなふうに簡単に労働者の首を切らず、苦しいなかでも踏ん張りをみせていれば、
消費者も、社員を辞めさせたくないという経営者の熱い心情に共感し、何とか電気製品や車を買って、その企業を支えようというムードを作り出すことができたのではないかと思う。
だが、企業家はそれをせず、株主総会でたたかれたくないために、とにかく切りやすいところから切るという、早い手を打った。
結局は、保身である。

リーダーは、自分の身を切ってでも、いままで働いてくれた人たちを守るべきではないか。
しかも、その人たちは、一兆円を超えるような信じられないような利益をうんでくれた人たちである。
派遣社員を雇用し続けることで、数十億円の余分なお金がかかったかもしれないが、それはひとつの土俵際であったと思う。0901102_2
大企業は、その土俵際を簡単に逃げてしまった。
それによって、つるべ落としのように、たいへんなことが起きだした。
もう社会は、車や電気製品を買うムードをなくしてしまったのである。

では、もう手遅れかというと、そうではない。
まだまだ第二、第三の土俵際があるはずである。
土俵際で、だれかが、絶対に社員を切らないと名言し、そのためにどうしたらいいかと語り、みんなもこうしてほしい、と物語れる経営者が必要である。

この国を救う対策を考えたなかで、麻生首相は物語を語れない、という決定的な欠点をかかえているという話をしてきた。
不況から恐慌へと向かおうとしているいま、経営者のなかにも、物語を語れる経営者が必要なのではないかと思う。
社員が熱くなるような、物語を語れる経営者が必要なのではないかと思う。

写真は、2月15日まで白樺湖畔で行われている氷燈祭。
氷のイルミネーションが幻想的。

2009年1月11日 (日)

鎌田實 日本経済への提言⑤

~~介護は雇用問題を解決するカギ~~

介護は、“やっかいもの”として扱われている。
小泉さんも、投げだしてしまった二人の首相も、いまの麻生さんもみんな、介護費を抑制することしか考えてこなかった。
ぼくは逆手にとって、考えるべきだと思う。

介護はいま人手が足りなくて、日本中で介護崩壊を起こし始めている。
どこかの施設やどこかの地方域で、限定的に不足しているというのではなくて、全体的に、どこもかしこも人手が足りない。
介護の人材を育てる学校も、欠員がものすごく多くなっている。
介護の専門家になる人が少ないのだ。

一方で、職を失う人たちが増えている。P1010412
その人たちを介護の世界に送り込むのはどうか。
職を失った人たちが、ヘルパー2級のライセンスとって、介護の仕事をはじめる。
介護は、やりだせばおもしろいのである。
あったかくなるのである。

派遣切りにあった人たちのインタビューを、テレビで見ることがある。
彼らの多くは、礼儀正しく、誠実そうで、見ていて胸が痛くなる。
けっして「働く意欲が人たち」などではない。
こういう人たちのなかで、介護の勉強してもいいという人たちには、介護のプロになれるようなチャンスをもうけてはどうか。
彼らも、介護の仕事をすることによって、今までの派遣の仕事よりは間違いなく給与は上がる。
そして、彼らの生活が安定すれば、よい消費者になり、資本主義はいい回転に入っていくのである。

麻生さん、2兆円をただばらまくのでなく、もっと有効に使うべき。
たとえば、国は、市町村にお金をまいたり、人を雇って、雇用を生み出す。
家を失った人には、とりあえず、廃校になって使わない小学校などを利用して寝泊りをしてもらう。
そして、数カ月中には給与をためてアパートを借りられるようにする。
2兆円を使えば、生活の確立をしてあげることができるはずである。

市町村も、国からもらった2兆円の一部を補助金にして、各市町村で、介護で働く人たちを数十人単位で雇い、地域の介護力をあげる。
はじめはライセンスがなくても、補助員、研修生というかたちで現場で働くのでもいいと思う。
ヘルパー2級は集中すれば、短期間で取得できる。
そこから本格的な介護のプロを目指す人たちがでてきてもいいのではないか。
みんながみんな介護という仕事に合うかどうかは別問題であるが、一度しんどい思いをした人たちは、その分、あたたかな心で、障害者やおとしよりに接することができるのではないだろうか。

介護は、“やっかいもの”なんかじゃない。
介護こそ、この国の経済を救うし、この国で生きていくことに迷っている派遣の人やフリーターたちを救うカギを握っている。

麻生さん、このプログをみてくれるといいなあと思う。
これまでの自民党にはないような、ダイナミックな発想の転換をしてみてはどうだろう。
麻生さんが、気持ちをちょっと変えれば、国民はまだまだ麻生さんについていくと思う。
麻生さん、勇気をもって方向転換しよう。
いらない道路をつくって公共投資をし、経済を動かすなんて古い自民党的な考えは、はやくやめたほうがいい。

年末年始と、ブログで展開してきた日本経済への提言が大好評。 Photo
鎌田流経済対策は、ほうぼうから興味津々の声があがっている。
月刊誌「潮」2月号の、日本再生の条件という特別企画のなかで、カマタが「介護こそ雇用問題の解決のカギ」と、どんと提案している。
こちらも、ぜひ、お読みください。

2009年1月 8日 (木)

鎌田實 日本経済への提言④

~~株を買おう!~~

昨年11月にも、この国を救うために、最小単位でいいから株を買おう、とこのブログで書いた。
10年先を見越して、ポリシーのある企業を応援することなるし、自分の利益になるだけでなく、この国の経済を救うことにもなる。

どの株を買うか、ずっと考えていた。

こんな時代に、人員を増やす企業に応援をしたくなった。
居酒屋の白木屋が、3月までに500人中途採用するという。
ぼくは、あまりお酒を飲まないので、白木屋の株は買わないけれど、なんとなく応援してあげたくなる。

第一交通産業は、3月までに乗務員を6000人新規雇用する計画があるという。
うれしくなった。
うちの地区にも第一交通がある。Pb190352
月間契約をし、タクシー券をもつことにした。
でも、タクシーが環境にいいわけでもないので、できるだけ第一交通に乗るようにするだけで、株を買うところまではいかない。

野島家電量販店とか、ホームセンターのカインズとか、アパレルのイトキンなども職員の採用をしてくれる哲学のある企業と思った。

株を買うのは、やはり地球のことを考えている企業にしたい。
日産自動車とNECは、電気自動車やハイブリット車に使う、大容量のリチウムイオン電池を20万台規模で量産するという。
こういう動きは、ぜったいに応援したくなる。
NECやパナソニック、三洋電機もリチウム電池を作ろうとしているので、触手が動くが、
いちばんはホンダと三菱自動車に搭載する予定の、GSユアサのリチウムイオン電池かなと思っている。

今年中に三菱自動車の電気自動車、アイミーブ(iMiEV)が発売される。
ぼくも応援する意味で、これを一台買おうと思っている。

オバマも、グリーン・リカバリーを訴え、環境をとおして経済再建をはかろうとしている。
地球を救いながら、経済を再建させる動きが大事である。世界中 がそういう方向に動き出している。
だから、ぼくはぼくの哲学で、電気自動車のリチウム電池をつくるGSユアサがいちばんいいかな、と思い出している。

環境研究家の田中優さんに、おすすめの企業をきくと、アミタ株式会社という。
資本金4億7000万円で、リサイクルに強い企業である。
1977年創業で、地域の再生と自然資源の再生を一つの事業でおこなったり、森をまもりながら、海の資源もまもったり、ごみで発電をしたり。
「強いものが勝利する弱肉強食の道ではなく、少量消費で、最大効果の価値の提供ができる、精神的満足を提供する第三次産業革命の道」を模索しているみたいである。
アミタという企業にちょっと注目をしていきたいと思う。

★11日からは、「鎌田實 日本経済への提言」の連載を再スタートします。
お楽しみに!

2009年1月 4日 (日)

鎌田實 日本経済への提言 番外編

~~経済も「いいかげん」が大事~~

昨年暮れに、このブログで「日本経済への提言」を3回連載で書いた。
経済には素人だが、大好評だった。

経済は難しい。
でも、こんな時代だからこそ、経済の勉強はしたいなと思っている。
もうけるための経済ではない。
あたたかく、たくさんの人のいのちを支える経済。
そのための経済や経営学の勉強ならば、学びたいと思っている。

こんな時代だからこそ、不況の罠にはまらないこと。
こんな時代だからこそ、不況感の連鎖を断ち切ること。
政府も、起業家も、国民も、この二点に集中することが大事なのではないだろうか。

不安なときこそ、明るく笑うべき。
萎縮したからだやこころが、ほっとする。

やっぱり、経済も、ぼくの言葉がぴったりという気がする。
「いいかげんがいい」
なんちゃって。

近いうちに、「日本経済への提言」第4弾をお送りする。
ぜひ、読んでください。

2008年12月26日 (金)

鎌田實 日本経済への提言 その③

~~発想を転換しよう~~

Pc120376 「日経マネー」の取材を受けたとき、世界三大投資家の一人、ジム・ロジャースの考えとよく似ていると、ほめられた。
どの部分が似ているのか、定かではないが、おそらく、ここから述べることが似ているのではないかと、ぼくは思っている。
今後、どうなるのかという展望についてである。

石油のバブルや穀物相場を沸騰させ、だぶついたお金は、いま行き場を失っている。
ユーロ世界では、サブプライムローンで大きな傷を受け、ユーロが復権するまでにはもう少し時間がかかる。
ドルは、何とか価値が保たれているものの、アメリカの実体経済をみたときに、危うさを感じずにはいられない。

アメリカの経済を牽引してきたビッグ3の商品は、もう魅力的ではない。
この時代に、ビッグ3がつくるような高級大型車を、だれが買うのであろうか。
アメリカ政府が何兆円をビッグ3につぎ込もうとも、魅力的ではない会社を救うのは難しい。
おそらくビック3のこの数年の利益の大半は、金融工学的なでっちあげによって、利益をあげていたのではないか、と思う。

アメリカが中心となり、小泉さんもムチを叩きながらついていこうとしたねずみ講のような金融詐欺に、アメリカはどっぷりとつかっているはずである。
いまギリギリ保たれているドルの価値は、下がっていくだろう。

それにともない、どこにも行き場を失ったお金は、必然的に傷の浅い「円」に向かう。
円買いがはじまっていく。
先日、瞬間風速的に1ドル75円を経験したが、おそらく数カ月のうちには、円高の針は一気に75円まで振れていくのではないか。
そして、想像もできない世界であるが、1ドル60円という驚異的な世界にも、瞬間的に入る可能性があると、ぼくはよんでいる。

こうした状況のなかで、政府は、円高の利点を生かした政策を考え、経済危機を脱出していくにはどうすべきか、考えていかなければならない。
企業経営者や国民ももちろん、自分の資産を守るために、未曾有の円高を想定することが大事なのではないかと思っている。

こんな時代だから、と滅入ってはいけない。
こんな時代だからこそ、いま投資をすべき、とぼくは思っている。
一カ月ほど前のブログでも、「今こそ株を買おう!」と書いた。
この提案を、経済に素人のぼくがしていることも、日経マネーの編集長を驚かせたという。

時代を10年単位の大きな波で考えると、必ず上がっていく株があるはずである。Pc120378
みんなが株を売っているいまこそ、株を買うチャンスである。

では、どんな株がいいのか。
円高ドル安であるから、当然、金を買うというのが一つの選択であるが、ここは難しい。
金は、2004年くらいから3倍ほど上がってきているが、この上がり方をどう考えるかという判断は、素人のぼくには何ともいえない。
ただ、買っていい株はあるはず。
残念なのは、それが何かは、勉強していないぼくには、わからない(笑)。
でも、10年後にこの地球を救うような会社の株は、買い得かな、と思っている。
たとえば、太陽光発電の生産は、止まらないのではないか。
ぼくのうちの屋根にも、太陽光発電をつけた。
調べていないのでわからないが、太陽光発電にかかわる企業の株価が、もし、下がっているとすれば、下がりきったところで買うのも手なのかもしれない。

少量の株でもいい。
みんなが少しずつ、応援したい企業の株を買うことが、自分の資産を守るためにもなるし、この国を救うことにもなる。
そんな大きなデザインのもとに、お金のことを考えたらどうだろうか。

勝手なアメリカにひきずられて、すべてが決められていく株価に翻弄されるのではなく、
国民が、自分たちの国に投資し、自分の応援したい企業に投資しながら、その発展に協力していく。
そんな発想の転換が求められているように思う

Photo そう考えれば、自分たちの国や企業を育てていくうえで、いまは大事な時期にきている。
逆に言えば、おもしろい時期にきているのではないか。

★「日経マネー」の2月号もご覧ください。

2008年12月25日 (木)

鎌田實 日本経済への提言 その②

~~冷え切ったこころをウォームアップ!~~

不況とか、恐慌というのは、マインドの冷え込みがいちばんの問題だと思う。
不安と不信で、冷え切った国民のこころを、どうあたためていったらいいのだろうか。

ぼくは、こう考える。Pc240406
まずは、下半身にあたたかな血を通わすことが大事だ。
たとえば、今回、緊急経済対策で投入しようとする23兆円は、若者たちが結婚できて、子どもを産み、育てる気になるような政策のために有効に使うべきだ。
人口が増えていけば、しぜんに消費者が増えていく。
医療や福祉にも当然、23兆円を使って、医療と福祉をたて直さなければならない。
2兆円の定額給付金のバラマキはやめて、1兆5千億円を医療崩壊を防ぐために使い、5千億円を福祉に使えば、医療崩壊や介護崩壊をだいぶ食い止めることができる。

雇用の安定も重要である。
いま派遣切りが問題になっているが、トップランナーの大企業は、なんとか派遣労働者を生き続けさせられる方法を考えるべきだ。
正規社員の給料を5%ほど減らしてでも、派遣の給料を半額にしてでも、派遣を切らない方法をとり、なんとか土俵際で持ちこたえる粘り強さが必要だったのではないか。
それは、派遣労働者を守るためでもあるが、企業自身を守ることにもつながる。

だが、すでに引き金はひかれ、企業はドミノ倒しのように、萎縮の方向に向かいはじめている。
今まで日本にあった分厚い中流層は崩れ、下流層が多くなり、社会は安定性を失っていく。消費はますます冷えていくだろう。
そんなマイナスの連鎖を断ち切るためにも、国民や企業をまもる政策を打ち出すべきである。
国民や企業経営者に安心感を与え、雇用を安定させ、分厚い中流層をつくることが大事なのだ。下流をつくってきたここ数年の大きな流れを反省すべきである。

Pc240400 「100年に一度の経済危機」という言葉に萎縮してはいけない。
ぼくたちの国は、世界でいち早く危機を脱出する切り札をもっている。
1500兆円という、世界でもっとも多くの貯金をもっている、という切り札だ。

“眠れる貯金”を動かすには、リーダーが、安心の国づくりをするという熱い物語を語り、国民の冷え切ったこころをあたためることが必要だ。
そして、リーダーは国民にこう語ることである。
「自分の貯金をつかって、自分の人生を豊かにしてほしい、それが、この国を救うことになる」

同時に、1500兆円のお金を動かするために、ちょっとした仕掛けも必要だ。
ぼくは、「1年間の相続税の撤廃」を提案したい。
たとえば、若い夫婦は家を買おうと思っても、勇気がないし、経済力にも不安がある。
でも、この1年間は相続税がかからないということになれば、親が家やマンション、土地などを買ってあげやすくなる。
不動産だけでなく、必要ならば車やモノを買ってあげるのもいいだろう。
もちろん、今の制度でも、ルールによってちょっとずつ異なるけれど、最大3500万円までは、贈与税がかからない。
ただし、将来、親が亡くなって遺産を相続するとき、生前に贈与されたものは遺産相続の額にカウントされて、相続税の対象となる。
ぼくの提案は、この将来の相続税の部分も、1年間はナシにしようというものだ。

また、NPOやボランティア団体に寄付するとき、医薬品や医療機器Pc240409などモノで寄付する場合は税金をとらないという形にしてしまえば、もっと寄付をしやすくなる。

親の世代にとどまっていた貯金や、富裕層のお金が、しぜんに動き出すような仕掛けをつくり、いまはとにかく、買える人に、土地やマンションや高級品を買ってもらうことが大切なのである。
そうすることにより、凍りついた経済が少しずつ動いていく。

不況は、つもりつもって恐慌になるのではない。
憎しみや不信感が、暴力や戦争への連鎖を起こしていくのと同じように、
不況という不安感が連鎖を起こして、恐慌へと走っていくのである。
恐慌への連鎖を断ち切るには、不安で冷え切ったこころをあたためなければならない。

こころをウォーミングアップする政策が、いまこそ必要なのだ。

2008年12月24日 (水)

鎌田實 日本経済への提言 その①

~~リーダーよ、物語を語れ!~~

「日経マネー」という月刊誌の取材を受けた。
経済のことは、わからない。
経済誌など、見たことがない。
基本的に素人である。

編集者から、たいへんほめられた。
日本の経済をどう立て直すべきか、持論を述べたところ、
世界三大投資家の一人とされる、ジム・ロジャースというカリスマが言っていることと、
ドクター・カマタが言っていることは、けっこう似ているなどと言われ、うれしくなった。

ぼくは、35年前、4億円の赤字を抱えている病院に赴任し、病院の再建に取り組んだ。
まず病院の、地域の評価をあげること。Pc230382
あたたかなシステムづくりをすること。 
地域へ出て行くことなどによって、成果をあげた。

経済も、経営学も、学んではいない。
ただ、ぼくは、2、3年という小さな単位ではなく、10年単位の大きな波があると考えて、
10年先を視点に入れながら、病院の舵取りも、自分の人生も歩んできた。
現在のように、100年に一度の恐慌という機運が蔓延していると、永久にこのまま悪い状態が続くのではないかと人間は思ってしまう。
だが、今は下向きの波でも、いつか必ず上向きの波がやってくるものだ。
あせってはいけない。

ところで、ぼくは、この波の高低差をできるだけ小さくするのが、新しいスタイルの資本主義のあり方だと思っている。
資本主義は、ほうっておけばドライな競争主義になる。
競争が激しくなれば、必ず、波形は大きなものとなり、上向きの好況も大きくなれば、下向きの恐慌も大きくなる。
この波を小さくすることが、資本主義を永続させるうえで、大事だと考えている。
ぼくは、これを「ウエットな資本主義」といい、3年ほど前から原稿に書いたり、話したりしてきた。

「ウエットな資本主義」とは、小泉さんがやろうとしていた「ドライな資本主義」とは真逆にある。
Pc230386そして、下半身に血の通った、あたたかな国づくりをし、上半身で貿易立国として、過激な戦いのできる国にすべき、と述べてきた。
下半身にあたたかな血を通わせるためには、分厚い中流をつくることである。
分厚い中流を育てるためには、子どもを安心して産み育てられ、教育が充実して、歳をとることが怖くないようように老後の心配をなくしてあげること。
これを徹底的に充実させながら、激しい競争ができる国にするのというが、ぼくの考える理想的な国づくりなのだ。

だが、この国のリーダーは、どんな国づくりを目指しているのか、まったく見えてこない。
こんな状態になったときこそ、理想の国づくりの物語を、リーダーは語るべきではないか。

時事通信の最新の世論調査によると、麻生内閣の支持率はさらに下がり、16.7%になった。
23兆円の緊急経済対策を出したにもかからず、
日銀が金利0.1%にし、CPを買い切るという異例の企業支援を打ち出したのにもかかわらず、
逆風は止まりそうもない。
それは、日本のリーダーが、どんな国にしようとしているのかを語っていないからである。
いくらお金を動かしても、そのお金は生きてこない。

いまこそリーダーは、国民に向かって、切々と物語を語ってほしい。
そして、その物語は、国民の冷え切ったこころをあたためるような、熱い国づくりの物語であってほしい。

2008年12月23日 (火)

深刻な医師不足のなかで

地域の中核病院である研修病院で、医師が不足している。
ほぼ4割の病院で医師の数が減っているという。

いちばんダメージが大きいのは、産婦人科で39%。
内科では38%、精神科では34%の病院で、医師数が減っている。

内科では医師が確保できず、外来診療をやめてしまっている場合もある。
内科の外来がない研修病院というのは、かなり問題ではないかと思う。
産婦人科では、病棟閉鎖が行われているという。

諏訪中央病院の産婦人科は、一度、病棟閉鎖が行われたが、いまは3人の産婦人科医により再開した。
ありがたいことだと思う。

2008年12月19日 (金)

「いざなぎ越え景気」は何だったのか

「いざなぎ越え景気」は、なんだったんだろうか。
この時期に、日本の土台にあたたかな血を通わせていれば、もっとふところの深い国になっていたと思う。

「いざなぎ越え景気」のときに、トヨタをはじめ大企業は想像を超えるような利益をあげていた。
だが、実際のところは、派遣労働者を利用して、安い労働力を使ってきた結果であった。
この時点で、企業だけが収益を出すのではなく、労働者に利益がまわるような形にしていれば、もっと分厚い中流ができ、消費を喚起することができたはずである。

いまからでも遅くはない。
これから100年に一度の恐慌が起こる。
これは逆にいえば、チャンスなのである。
恐慌がずっと続くということは、ありえない。

円高もおそらく、1ドル75円ぐらいのところまではいくだろう。それ以上かもしれない。
円高を逆にどう利用していくか、ここが考えどころであると思う。

ユーロが安くなり、ドルはアメリカ経済の実態が悪いから、もっともっと安くなっていく。
そうすると、行き場のないお金が円に流れてくる可能性が高い。
円高は、必然的に起きてくるわけで、その円高をどう逆手にとるかが問われているような気がする。
そのときのために、政府は手を打つ必要がある。

2008年12月17日 (水)

不況の罠にはまるな

実体経済が悪いという以上に、不況の罠にはまりだしているように思う。

いま、みんなが少し努力して、モノを買ってはどうだろうか。
本当に必要なものはこの時期だからこそ、安く買える。
家が必要な人は、勇気をもって家を買う。
車の買い替えを考えていた人は、車を買う。
むだなところにお金はかけなくていいが、必要なものならば、今がチャンス。
自分のためにもなるし、社会のためにもなる、と考えることが大事である。

不況の罠から脱出するには、リーダーの物語が必要である。
リーダーが、物語を語れないといけない。

麻生さんは、お金を湯水のように使おうとしているが、お金を使うことの先に、どういう国にするのか、どういうふうに経済を立て直すのか、
物語が語られていない。
政策を発表しても、物語が語られていない。
それが、麻生さんのもっとも大きな欠点である。12111
失言や漢字が読めないことは、大きな問題ではない。

麻生さんが、あたたかな国づくりの物語を語れば、国民は納得する。
納得して、歯をくいしばって、ついていくのではないかと思う。

あたたかな国づくりとは、分厚い中流をつくることである。
その分厚い中流が、子どもやお年寄りを支える力を蓄えてくれる。
若者たちが当たり前に結婚できて、子どもを育てられ、40歳くらいになったらローンを組んで自分の家がもてる。
そんな、あたたかな国づくりの物語を語ることが必要ではないかと思う。

国民に向かって、本気の演説をしてほしい。
国民の心を揺さぶってほしい。
国民の心を揺さぶってくれたら、不況の罠から脱出することができる、と思う。

2008年12月13日 (土)

がん対策基本法の狙い

東大の放射線科の准教授、中川恵一先生と毎日新聞の仕事で対談をした。
中川先生とは『がん 生きたい患者と救いたい医師』(三省堂)という本を共著で出している。
今まで対談もやっており、今回が4回目だ。
がん対策基本法をつくるうえでは、かなり大事な役回りをした一人だと、僕は勝手に思っている。

乳がんは、1センチの大きさになるのに15年かかる。Gan_ikitaikanjya
直径1センチから10センチになるにはさらに5年、そのころには手がつけられなくなる。
1センチ以内で見つけるのはとても難しい。
だが、1センチから2センチになる1年半の間に、見つけることはできる。
だから、年に一度、がん検診が必要ということになるのだろう。

日本のがんの検診率は20%。
これを何とか50%以上にしないかぎり、がんでの死亡率を下げることは難しい。

たばこをやめること、健診を受けること。
そして、大腸がんなどは、軽い運動をすることが、あきらかに効果があることがわかっている。
赤や黄色、緑の色素の入った野菜を多く食べることもいい。

がん対策基本法の話になった。
この法律そのものが、「がんばらないけど、あきらめない」ことだと中川先生は言った。
僕のフレーズを使いながら、うまく説明をしてくれた。

がん対策基本法は、がんの三大治療である、手術、放射線治療、化学療法をバランスよく充実させることを一つの大きな目標にした。
手術や化学療法はがんばる治療であるが、放射線治療はがんばらない治療だ、と中川先生は言う。
脳に転移があっても、骨に転移があっても、あきらめずに放射線治療をすることで、しばらくの間、いい時間を過ごすことができる。
前立腺がんや食道がんでは、手術と放射線治療はほとんど効果は同等というデータが世界中で報告されている。
だとすると、高齢の場合は放射線治療を選んだほうがメリットが多いという場合が出てくる。
まさに、がんばらないけど、あきらめない治療なのだ。

放射線ががんに効くしくみというのも、意外に知られていない。
喉頭がんの放射線をあてると治るが、これは免疫なんです、と中川先生は言う。
がんは自分の細胞からの突然変異なので、免疫はなかなか異物とみなすことがむずかしい。
がんと闘うマクロファージなどは、がんを異物と同定することができず、見逃してしまうのだ。

だが、放射線をあてることによって、がんの隠れ蓑であるステルスを消してくれる。
それによって、がんがはっきりと異物と同定できるようになり、マクロファージががんを必死に食べ始める。
そして、喉頭がんが消えていく。
放射線で被爆をさせて、がん細胞を壊しているのではなく、
ステルスを消して、マクロファージに食べさせているのである。
なかなかわかりやすいなと思った。
もちろん、悪性リンパ腫のように、がん細胞にアポトーシスという細胞の自死をおこさせるものもある。

がんの痛みに関して、ぼくたちの国は、積極的ではなかった。
モルヒネは、カナダやオーストラリアの7分の1の量しか使用されていない。
医療用麻薬の使用量は、アメリカの20分の1である。
日本の医師は、患者の痛みに関して鈍感であった。

これをがん対策基本法では改善し、患者さんを痛みで苦しませないようにしようというのが、二つ目の大きな狙いだ。
そして、がんを早期発見するために、検診率を上げ、がん登録を推進して、がん治療の効果判定が科学的に同定できるようにしようというのが、がん対策基本法の考えなのだという。
がん対策基本法では、緩和医療の充実を強く後押しをした。
がんを治療をする外科医も内科医も、5年間に10万人が学ぶことを目標に、現在すすめられている。

だが、現実はまだまだ厳しい。
がん患者を救うはずのがんの拠点病院で、がん難民を生み出しているという現実を、中川先生も鎌田も指摘している。
この指摘にご不満のある厚労省の局長もおられたが、中川先生もぼくも、たくさんのがん難民が、大学病院やがんセンター、癌研、そのほか多くの拠点病院でつくられていることはよくわかっている。
いまの在院日数が病院の収入に影響するようなルールがあるかぎり、がん難民はある率、生じてしまうのである。
医師が忙しすぎることも、大きな原因である。

お産難民が母子の総合医療センターなどでつくられている。
救急医療のたらいまわしで、救急医療難民もつくらている。
この現実をきちんとふまえないといけない。
患者を救うのは、医者の仕事だけでは限界がある。政治の仕事が必要だ。
医療費の抑制政策をしていては、この問題を治すことはできないだろう。

2008年12月10日 (水)

うそっぽい改革

この国のリーダーの支持率が、急降下している。しかし、人気とは何なのか。

国民に人気があった小泉首相の改革。
郵政民営化を争点にもちあげて暴れまわったが、十分な規制緩和、民営化がほかの業界になだれうっておきたとはとても思えない。
最大の目的は、一握りの既得権を得て、うまみを吸っている人々を減らすことであった。
だか、天下りも官政談合も、社保庁などの不祥事も、メスが入っていないのである。
野放しの特別会計は、たくさんの既得権をもった人にとって、依然として宝の山である。
このうまみを吸う人たちを、自民党のなかで切ろうとしたのは勇断ではあった。
しかし、結局、自分が辞めて、息子に地盤を渡し、世襲をしてしまう。
うまみを吸う人たちを野放しにしたまま、小泉さんは終わろうとしているのだ。

郵政民営化は結局、何だったのか。
小泉さんは、日本の大改革をやりかけたが、やりきれなかった。
実に残念である。
それどころか、日本の医療も福祉も、ぐちゃぐちゃにして去っていった。

あたたかな国づくりをするリーダーを望む。

2008年12月 6日 (土)

核燃料サイクルの導入に疑問

東北の女川原発でのプルサーマルによる発電実施にむけて、地方自治体に申し入れが行われはじめている。
着々と世界が撤退したプルサーマルを、日本では推し進めようとしている。

九州の佐賀県にある玄海原発、四国の愛媛にある伊方原発、福井県にある高浜原発、静岡県にある浜岡原発については、地方自治体がすでにプルサーマル計画導入を了承している。
プルサーマルとは、原発からでる使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて、混合酸化物燃料をつくり、再び原発の燃料とすることである。
お金も余分にかかり、危険も高まる。
青森県の六ヶ所村にある核燃料再処理工場は、本格操業が大幅に遅れている。
実際のところはまだまだハードルが高いのである。

今年7月、僕はチェルノブイリ原発事故を起こした、ベラルーシ共和国にあるベトカという村を訪ねた。
事故後22年たった今でも、60~100キュリー以上の汚染地域が一帯に広がり、新規の体内被曝をしている患者が、人口2万人強の町で、年間56人発生している。
原発の事故は怖い。
あいまいなまま、安易にプルサーマル導入計画がすすんでしまうことは疑問である。
できるだけオープンな形で科学的な話し合いがもたれ、導入することのプラス、マイナスを検討すべきと思う。

2008年12月 5日 (金)

手遅れ、麻生さん

麻生さんは、11月末に来年度の社会保障費の2200億円の抑制を行うかどうか再検討するように、与党に指示を出した。
小泉さんがはじめた社会保障費の抑制を、麻生さんがやめるのなら、拍手喝采であった。

2兆円のバラマキがなければ、ほめたいところであった。
麻生さん、ピントがはずれている。

そもそも、1兆5000億円を医療に、5000億円を介護・福祉に使い、2兆円を有意義に使えば、医療崩壊も介護崩壊も防ぐことができるはずだ。
そうすれば、2200億円の社会保障費の抑制は継続していいのだ。
財政再建の旗を振り下ろし、2兆円を無駄にバラまくのと、
財政再建を継続しながら、緊急経済対策として2兆円を安心の国づくりのために使うのとでは、大きな違いだ。

今からでも遅くはない。
麻生さん、考え直してみてはどうだろうか。

2008年12月 3日 (水)

医師693人増員

医学部の入学定員を増員し、総定員数を8486人とする計画が発表された。
今までは毎年、約7800人が新たに医師となっていた。
しかし、平均4300人の医師が開業し、老齢化や死亡などで廃業する医師もいるので、病院の医師はいっこうに増えないという問題が生じていた。
病院の医師は、拘束時間が長い半面、給与が低いという厳しい労働条件であるため、開業へとなびいていくのである。
歯止めが必要である。

病院の医師の仕事に、やり甲斐を感じている医師は実はたいへん多い。1120
病院では、チーム医療でなければ、助けられない命がいっぱいある。
チームの一員として、自分のスペシャリティーを発揮していくことを、ずっと続けたいという医師はけっこう多い。
だが、情熱だけでは、続けられない。
時間的な余裕をつくりだしてあげること。
そして給与を大幅に見直してあげることが大切だ。

それには、医療費を見直さなければならない。
日本の医療費はGDP比8.0%で年間33兆円、先進国のなかで最も安い国の一つである。
せめて先進国の平均並みの、9.6%前後にもちこんで、約40兆円にすれば、救急医療も充実する。
産婦人科の救急患者さんのたらいまわし問題も、防ぐことができるのである。

麻生政権は、勇気をもって、このことに明確に手をくわえなければならない。
2兆円ものわけのわからないバラマキをするのではなく、医療崩壊を食い止めるために使うべきだ。

  写真は、雪をいただく八ケ岳。

2008年11月30日 (日)

幸せを感じることのできる国をつくりたい

青少年白書をみていて、唖然とするデータがあった。
親の人生を肯定する人は、わずか16%というのである。
父親の人生をみて、生きがいがあると感じている人は16.7%、母親の人生については15.5%にすぎない。
電通総研が実施した世界価値観調査では、自分が幸せと思う人の比率は、日本は29位だった。

Pb210361 豊かになったけれど、幸せを感じない国ニッポン。
こういう国づくりを、今の政府はしてきた。
小泉さんがすすめてきた新自由主義は、まさに規制緩和をして、豊かさを目指した。
だが、どうも幸せの国づくりではなかったような気がする。
心や体、人とのつながりを大事する新しい国づくりが今こそ必要なのではないだろうか。
モノやお金よりも大切なものがあるという、原点に立ち戻ったほうがいいように思う。
こんな経済が混沌として難しい時代だからこそ、目先の欲にとらわれないことだ。

日本は1500兆円の現金をもっている国である。
どこの国よりも土台がしっかりしている。
デンと構えて、自然を大切にしたり、子どもを大切にしたり、地域を大切にしたり、いい製品をつくることを心がけるべきではないか。
そんな国づくりを、リーダーは国民に呼びかける時期にきているのではないか、と思う。

二大政党になって、明確に論戦をし、どんな国づくりをするのかを、国民に明確に訴えて、選挙で問うべきだ。

2008年11月28日 (金)

麻生さん、あなたに医療費を払ってもらっているわけではありません

麻生さん、またやってしまいましたね。
以前、このブログで追加経済対策の一部を「よくやった、麻生さん」とほめたのに、あれから失言、放言が続いています。

経済財政諮問会議で、社会保障費の抑制をめぐり「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)をなんで私が払うんだ」とあなたは発言しました。
麻生さん、医療費はあなたに払ってもらっているわけではありません。
国民が払っているのです。

1102あなたは、医療保険制度のことをまったくわかっていない。
日本の医療費は、年間33兆円。
そのうち、政府が支出しているお金は9兆円だけです。
あとの大半は、国民の保険料から払われているのです。
しかも、ほとんどの人は、窓口で3割を負担している。
いや、まさか、一国の首相が、医療制度のことを理解していないなんて、ありえない。

あなたは毎朝、散歩をしているらしいが、それはあなたが自分の健康をまもるためであり、政府の医療費抑制のためにやっているわけではないでしょう。
なのに、不摂生な人を非難するような発言をし、首相が、国民に運動を強要するのはナンセンスです。
そもそも、病気は不摂生だけが原因ではありません。
遺伝的な病気や原因のわからない病気もたくさんあるのです。
そして、それをみんなで支え合うのが、社会保障制度というものでしょう。

漢字が読めないなんて、たいしたことではありません。
あなたは、同窓会で会った「よぼよぼ」の友だちと比べて、「私のほうが税金は払っている」と自慢している。
その、あなたの人間性のほうが問題なのです。
同窓生も、あなたみたいな人が仲間であったとは、とても恥ずかしい気持ちだろうと思います。
人の気持ちがわからなければ、血の通った政治はできません。

麻生さん、あなたに日本のリーダーはつとまりそうにありません。

2008年11月27日 (木)

おたおたしないことが大事

1120 トヨタ・ショックが波紋を広げている。
トヨタが2兆2000億円の利益から、6000億円と下方修正したことがショックとなり、次々と株を下げているのだ。

発想の転換が大事である。
こういう厳しい時期に6000億円の利益が出たことを評価すればいいのである。
おそらくトヨタは、アメリカのビッグ3を抜いて、世界のトップに躍り出る。
GMは、7月から9カ月期だけで、2500億円の赤字。
フォードは125億円の赤字を発表した。
やはりトヨタの一人勝ちなのである。

ここで、萎縮してはいけない。
日本は、世界的な恐慌前夜のなかで、ものすごくいい実体経済を示しているのである。

おたおたしないこと。
萎縮しないこと。
カラ元気でいいから、胸を張って、元気を表明すること。
それが今いちばん大切なことだと思う。

  <写真は、雪をかぶった八ケ岳>

2008年11月24日 (月)

恐慌なんて怖くない

金融不安になり、しばらく数年は不透明な経済が続く。Photo
人間の心も、うつ的になっていく可能性が強い。

日本では、自殺者が毎年3万人続いている。
この数は、さらに増えていく可能性も高いように思う。
こんな状況だからこそ、副交感神経を刺激して、ときどき心のウォーミングアップすることが大事なのだ。
心のウォーミングアップ、つまり、心を温めること。
心と体の健康を守りながら、何とか明るく乗り越えていくことが大事だと思う。
そして萎縮しないこと。
経済活動も、こんなときだからこそ、勇気をふるって、元気な経済活動を装う必要がある。
そんなふうにずっと思っていた。

不思議なタイトルにひかれて、『わが友、恐慌--これから日本と日本人の時代が訪れる8つの理由』(松藤民輔著、講談社)という本を読んだ。
経済のことはまったくオンチであるが、素人でもちょっとおもしろい書き方になっている。

著者の松藤さんは、「恐慌こそチャンス」だという。
僕と同じようなことをいう。
だが、チャンスの意味が違う。
彼は、恐慌こそ、ふつうの人がお金持ちになれる一発逆転のチャンスがやってくると主張する。
僕は、モノやお金よりも大事な、忘れていたものがあるということに、もう一回気がつく、一発逆転のチャンスがやってくると考えるのである。

おもしろいと思ったのは、7月末に出ているこの本には、2008年10月24日に2~3割株が下がっているだろうとか、2009年10月24日はさらに下がっているだろうなどと、予言めいたことが書かれていることだ。
さらに、ダボス会議の真相や、地球環境問題の「利権に群がるエリートたちのまやかし」など、うん、なるほど、その可能性はあるなという思うことが端々に出てくるのだ。

日本は、バブル以降、カーボン技術や燃料電池や太陽電池など、職人国日本として実体経済を築いてきたので、被害は少ない。
いま、日本のチャンスである。
アメリカもEUも、実際のお金をもっていないが、日本は1500兆円の預貯金を持っている国である。
世界の先頭を走れるかもしれない、と僕もこのブログでも書いてきた。
松藤さんとは、同じ視点があるなと思った。

株の格付けをしている会社の存在というのも、けっこういいかげんということがわかった。
あのサブプライムに、トリプルAがつけられていたというのも、笑いものである。
世界中がレバレッジ(てこの原理)を利用して、元金の10倍、20倍の賭けをしていた。
博打のようなものである。
これがこげつきの原因となった。

何度も時代は変化してきている。
今回がはじめての不況ではない。
躁うつ病が必ず、うつから躁に変わっていくように、不況から好況に変わっていく。
じっと待つことである。
問題は、その間、心が冷えてしまわないように、温めておくこと。
いまは時代の流れを読み、過去から学び、いい時代が来るのを待つことである。

2008年11月23日 (日)

子育て支援の見直し

政府が、出産費用の病院窓口での支払いを、公的に立て替える案を出してきた。
とても歓迎である。
現在、平均35万円ほどの出産時支援金が、各健康保険組合から支給されている。
地域や病院によって出産費用は違うが、おおむね40~50万円かかる。
個室料や、特別な入院治療費を必要としている産婦人科病院の特別な支払いは別であるが、
おおむね平均的な支払いに関しては地域差も考慮して、出産一時金として支払いを公的に立て替えることを起案してきた。
たいへんいいことである。

Photo 1971~74年の第二次ベビーブーム期に生まれた、現在30歳代の女性の半数以上が、30歳までに赤ちゃんを産んでいないことが統計でわかっている。
日本の子育て支援は、GDP比0.75%と先進国のなかでも非常に少ない。
フランスはGDP比3.02%を投入することによって、出生率2.0を超えるようになった。
日本の出生率は1.31である。
一組の男女から1.3人の子どもしか生まれないということは、人口の減少を意味する。
晩産化と無産化が進んでいる一方、結婚前の妊娠で生まれた第一子は、2004年で26.7%いる。
都道府県別にみると、沖縄が42.2%と、唯一40%を超している。
ちなみに長野県は26.4%である。
未婚でも、いい子育ての環境はつくれると思うが、非常にきびしい子育て環境であることは予想される。
生まれてくる子どもには責任がないだけに、子どもがすくすくと育つような環境づくりは社会の仕事である。

この出産支援に500億円の予算を盛り、妊婦健診の無料化を考えているようである。
子どもを安心して出産でき、育てられる国づくりを目指すことは大事なことである。

しかし、こうしたことも、選挙対策にみえてしかたがない。
選挙のときだけで、ふだんの自民党の政治はどんどん冷たくなっていく。
選挙ではない年にもこうしたことを計画したら、もっと評価されるのに、と思う。

写真は、諏訪中央病院の産婦人科病棟。産婦人科は一時閉鎖していたが、3人目の産婦人科医が見つかり、今までになくベテランの産婦人科で充実しはじめた。

「赤ちゃんにやさしい病院」のライセンス取得を目指して、がんばっております。

2008年11月21日 (金)

今こそ株を買おう!

松下幸之助氏が、こんなことを言っていると聞いた。

「株を買うんやったら、もうけるために買うんやない。その会社を応援する気持ちで買わなあアカン」

調べてみると、PHPの昭和42年11月号「株式の大衆化で新たな繁栄を」のなかで、松下幸之助氏がそれに近いことを、たしかに書いている。
しみじみと、いい言葉だと思った。

僕はつねづね「逆転の発想」という考えで生きてきた。Pb140330
35年前、諏訪中央病院に来たころ、この地方の大きな課題は、第二次ベビーブームによる子育ての問題だった。
そのとき、僕は10年後の高齢化社会を予感して、在宅医療をはじめた。

今、人気のないことをしておくこと。
マスコミの短期的な視点に惑わされないこと。

時代は10年周期に、大きな波を描いて変化する。
だとすると、今みんなが株から離れているときこそ、株を買うことが大事。

自分がもうけるためではない。
ずっと応援したいような企業、環境のことも考えているような企業の株をほんの少し買って、持っているのも悪くないなと考えている。
それが、ひいては、この国を守るために大事なのではないかとも思う。

こんな時代だからこそ、みんなで1000株くらい持って、これはと思う企業を応援してみるのはどうだろうか。
ぜひ、考えてみてほしいなあ。

「社会的常識」欠落しているのは、麻生さん、あなただ

11月19日、首相官邸で全国知事会が開かれた。
医師確保などに関連し、麻生首相は「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。もっとも社会常識がかなり欠落している人が多い。とにかくものすごく価値観が違う。そういう方をどうするか、こういう話を真剣にやらないと・・・・」
と述べたらしい。

たしかに、変わった人がいることは事実である。
しかし、どんな世界にもそういう人はいるというのが、世の中の前提ではないだろうか。
そういう意味で、政治家も社会的常識の欠落者が多いように思う。
とくに麻生さん、あなたが、いちばん社会的常識が欠落しているように思えてしかたない。

Pb140340 首相がこういう発言したらどういうことになるのかを考えて、普通の大人は、配慮するのである。
まして、あなたたち政治家リーダーのおかげで、日本の医療崩壊は間近に迫っている。
こういう状況に追い込んだのは、毎年2200億円の社会保障費の抑制をしている、あなたたちである。
先進国のなかでもっとも医療費を使わない国にしてきた、麻生さん、あなたたちが病院医療の崩壊を起こさせているのである。

あなたは、麻生財閥で、病院も経営している。
経営者として、医師は操りにくい人間だと、あなたは思っているのだろう。
かつて炭鉱やセメントなど、あなたはたくさんの会社を経営してきた。
昔の職種は、あなたにとっては牛耳りやすかったのだろうか。

医療評論家や医療従事者、そして医療を受ける国民が言うのは自由である。
しかし、首相の発言としては、あまりにも悲しい。謝罪すればすむというものでもない。
いま病院の医師たちの多くは、燃え尽きそうな状況のなかで、必死に、誠実にこらえている。
その医師たちの、最後の土俵際のふんばりを、首相がけたぐってどうするのだ。

またまた、この国はどうしようもないリーダーをもってしまったようだ。

2008年11月19日 (水)

原発の代償は?

悪性リンパ腫で2005年3月になくなった沖縄の53歳の男性が、7年間7カ所の原発で働き、青森県の六ヶ所村再処理工場で放射能漏れ検査に従事し、悪性リンパ腫で亡くなったことについて、労災認定がされた。
原発労働による放射線被爆によって、悪性リンパ腫を発病し、死に至ったと認められたのである。
それまでは白血病などは労災認定されたことがあったが、悪性リンパ腫ははじめてである。

チェルノブイリの原発事故から22年たつ。Pb140347
今年の7月に放射能汚染村ベトカに行った。
新しく体内被曝をする一般の生活者があとを断たない。
ホールボディカウンティングをすると、昨年1年間で56人の体内被曝者が発見され、
僕が行った今年の上半期だけでも、すでに26人の体内被曝者を数えた。
この人たちはチェルノブイリで働いていた人たちではない。
原発の風下になった地域の一般の農民である。
しかも、数百キロ離れた地域の森のなかで生活する人々である。
その森が放射能で汚れて、22年たった今も、そこで生活している人たちの体内へ放射能がもぐりこんでいるということである。
原発で働くことも、原発が近くにあることも、怖い。

本当に原発を次々に作らないと、電力をまかなえないのか。
できるだけ慎重に検討したほうがいい。
温暖化は事実であるが、それをうまく利用されて、軽がると原発を増やしていくことに関しては、ぜひぜひ厳しい議論をしてほしいと思う。

2008年11月18日 (火)

銚子市立病院がつぶれた

銚子市立病院は、2年前までは34人の医師がいて、銚子市約10万人の健康をまもる拠点病院であった。
今年6月には、医師は12人に減少していた。

銚子市長の言葉によると、2年間で40億円を病院に投入した。
市の貯金である財政調整基金は4億2000万円しかない。
市の財政から考えると、これ以上一般財源から病院に繰り入れることはできない、とのことであった。
きっかけは、赤字体質に業を煮やし、病院の再建を考え、医師の給与を引き下げたことから、派遣元の日本大学の逆鱗に触れたとのこと。

現在、自治体立の病院の8割は赤字だという。
全体の累積赤字は、1兆8736億円といわれている。

小泉首相の時代から厳しく行われた、国の医療費抑制政策が、ボディブローのようにきいている。
国立がんセンターでは、麻酔科医がいなくなり、手術も減らさざるを得なくなっている。
地方の大病院や国のナショナルセンターですら、大変なことが起きているのである。
妊婦が脳内出血を起こし、8つの病院に受け入れ拒否された問題は、偶然の出来事ではなく、国の医療費抑制政策で、現場がへとへとになっているのである。

1102 34人の医師がいた病院が12人の医師になると、もう当直すら回すことができなくなる。
救急医療もきちんと行えない。
そして、その間に、赤字は火達磨になっていくのである。
大都市にあり、医師が集まりやすい拠点病院以外のほとんどの病院では、黒字にするのはほとんど不可能だ。
がんばって赤字を低く抑えたとしても、医療費抑政策が重くのしかかり、病院はこれ以上がんばれない。
今はとにかく地域医療をつぶさないことが急務である。

数年前までは、日本の医療は世界最高の医療システムとWHOで賞賛されていた。
まだ土俵を割ってはいない。
が、土俵際にいることは間違いない。
日本の医療を崩壊させてはならない。
それには、消費税をあげてでも、日本の医療を再建させる必要がある。
できるだけはやく選挙を行い、医療と福祉、教育という、人間が生きていくうえでもっとも大事な国の下半身に、あたたかな血を通わす政策を掲げる政党はどこか、国民の選択を仰ぐべきだと思う。

写真は、地域をまもる諏訪中央病院。かつては累積赤字4億円をかかえていた。

2008年11月14日 (金)

おそまつ麻生くん

政府の追加景気対策の柱、総額2兆円の生活支援定額給付金が迷走している。
もともと意味のないことをするから、こんなことになるのである。

みんな言うことが違って、何がなんだかわからない。
全所帯に給付といったり、高所得者は辞退してほしいといったり。
だいたい、辞退するルールなんてありえない。
市町村の窓口は、大混乱が予想される。
世の中をあやふやにしてしまうルールは、絶対によくない。
結局、いまの日本の経済状態を麻生さんはわかっていない。

日本はお金がないわけではない。1500兆円の貯金をもっている。
その国民が、なぜお金を使えないのか。
この国を信じていないからである。

自分の老後や病気をしたときに、この国は自分を守ってはくれないと思っている。
信じられない体制のままでは、いくらお金を配っても、預貯金になるだけだ。
2兆円をばらまいても、おそらく消費に使われるのは5000億円といわれている。
こんなお金の使い方は、愚の骨頂である。

2兆円を使うことで、20兆円の財政効果を生むような使い方をしなければいけない。
それには、この国を信じられるような、熱いメッセージが必要だ。
そして、医療や福祉、教育、子育てなど、命の根幹を支えるための国づくりに、舵を切っていく勇気が必要だ。
安心して子育てができ、がんになってもがん難民にならなず、老いても自分らしく生活できる。
そんな信頼があってこそ、国民の消費マインドはおきてくるのだ。
それをしないで、バラマキをするから、こんなことになるのである。

でも、貧乏をしたことがない麻生さんには、わからないだろうな。
居酒屋でカンパイしてみせただけでは、庶民の気持ちはわからない。
金持ちのぼんぼんとして育った、そういう人が、ずっとリーダーだったこの国の悲劇。
ちょっともう、うんざりである。

2008年11月 4日 (火)

麻生さん、よくやった!

麻生首相が発表した追加景気対策を見て、いいぞ、と思った。
鎌田がずっと訴えていたウエットな資本主義に、少しだけ舵を切った感じがした。
政府にわりあい甘い読売新聞ですら、市場関係者や学識者の採点は40~60点と辛口の評価が多かった。
僕の採点は50点。
及第点には至らないが、評価すべきことはある。

まず、消費税を3年後に上げると言及したことは評価に値する。Photo
二大政党論者の僕ですら、民主党が消費税に関して逃げていることに、納得していない。
麻生さんは、よくやったと思った。
最大の欠点は、バラマキである。
給付金は、おそらくGDP比0.2%上げるのがやっと。
そのための2兆円は無駄である。

次にほめていいのが、介護報酬の引き上げだ。
常勤の介護労働者の月給が2万円程度上がるように、1200億円のお金をつぎ込むという。
これは大英断である。
11月11日が、「介護の日」となった。
名前だけでなく、介護する人を社会的に評価するための、きっかけになればいい。
こういうのは無駄金にならないのである。
自民党が何度もやってきたバブル崩壊後の公共投資は、ほとんどが死に金になっている。
ただ、崩壊寸前の医療には、明確な提言がないことが残念だ。

読売新聞で、ある識者がこう述べている。
社会保障費の国民負担を先行的に国費でまかなったほうが、景気に貢献できたのではないか、と。
至言である。
麻生さんも、この言葉を肝に銘じたほうがいい。
医療や福祉にお金にかけても、国は傾かない。
むしろ、経済的な効果を生むと信じたい。
たとえば、第二子から3000円程度の給付をするなどとお茶を濁すのではなく、医療や介護、子育て、教育という分野に一気にどんとお金を注ぐ。
そのお金は、あたたかな資本主義社会を築くうえで無駄金にはならない。
そして、国民が希望をもって生きるための、下半身にあたたかい血を通わすことになる、と僕は思っている。

1 もし、麻生さんが、国民に向かって、新しい国づくりのビジョンを提示し、協力してほしいと熱いメッセージをおくることができたら、国民の行動も変わってくるに違いない。
今のままでは、病気になったときや老後、介護が必要になったとき、国を頼りにすることはできない。
貯金が頼りなのである。
日本は、1500兆円という、世界でいちばん貯金をもっている国だ。
その3割が動いたら、アメリカを抜いて世界一の経済大国になっていくのである。

麻生さんは、ちょっとはがんばった。
けれど、まだまだ。
もっと自信をもって、あたたかな資本主義を実現してもらいたい。

こうやってみると、やっぱり首相の権限は大きい。
自分の息子に地盤を譲ってしまう首相のあと、投げ出す首相が二代続いた。
日本のこの10年は、リーダーの無力による失われた10年だったように思う。

(写真は、諏訪中央病院の屋上庭園と、絵のあるロビー)

2008年11月 2日 (日)

ウエットな資本主義をつくりたい

岩次郎小屋の木々も、鮮やかに色づきはじめた。気持ちのいい秋である。

081029_2 僕はかねてから「ウエットな資本主義をつくりたい」と思ってきた。

資本主義はもともと競争主義であり、ほうっておけばドライになる。
だから、意識してウエットにしたい、と思う。

この10年、日本はアメリカをお手本にしながら、国づくりを行ってきた。
もともとアメリカは砂漠のある多民族の国である。
気候もドライだ。
いろいろな国から移ってきたたくさんの人間が生き抜くためには、透明性のある競争社会をつくるしかなかった。

でも、日本はちょっと違う。
水が豊かで、湿気の多い国である。
梅雨もある。
気候もウエットである。
この気候で何万年も生きてきた。
僕たちは感覚的になかなかドライになれないのではないだろうか。

資本主義社会は、競争主義を前提としている。
だからこそ、競争主義の土台のところに、あたたかな血が通っていなければならならいと思う。
これが僕のいうウエットな資本主義である。

具体的にいうと、まず教育の充実が大事だ。
アイスランドがGDP比7.2%に比べて、日本は3.4%と先進国のなかでもっとも教育にお金をかけない国である。
若いお母さんたちを支える子育て支援も、日本はGDP比0.75%と先進国のなかで少ない。
3.02%のフランスはすでに少子化から脱出し、出生率2.0を超えた。人口が増える国になったのである。
医療費も、日本はお金を出さない国である。
アメリカは15%、ヨーロッパの先進国は9.2~10.2%くらいなのに対し、日本はわずか8%である。

ウエットな資本主義を行うためには、教育と子育て、医療、介護の充実がまず大事である。
それを実現するには、消費税を上げるしかない、と僕は思う。

10月16日付けの読売新聞では、8ページにわたって、医療崩壊に対する新しい提案がされている。
年金と医療と介護を充実させるために、消費税を10%にすべきと提案している。
大賛成である。
医療崩壊がおきてからでは遅い。
まずは来年から医療の抑制政策をやめ、医療と介護に、僕たちの税金をある程度投入すべきだ。
そして、再来年からは毎年1%ずつ、10%まで消費税を上げていく。
国民も、ある程度覚悟がいる。
しかし、現在の世界経済の厳しい状況のなかで、日本という新しい国づくりを明確に示したほうが、国民は納得するのだと思う。

2008年10月31日 (金)

妊婦はなぜ断られたのか

大都会の東京で、36歳の妊婦が脳内出血を起こし、8つの病院に受け入れを断られ、出産後に脳内出血で亡くなった。
2年前、奈良県でも分娩中、意識不明になった妊婦が、19の病院に受け入れを拒否され、亡くなっている。

1031 8つの病院は、都立墨東病院や慶応義塾大学病院など、そうそうたる病院が名を連ねている。
都立墨東病院はとくに、総合周産期母子医療センターで、こうしたリスクの高い妊婦を受け入れるという前提で病院が成り立っているはずである。
なおかつ、東京ERの一つで、救急患者を受け入れるはずの病院なのである。
にもかかわらず、断らざるを得ない状況が生じている。

なぜなのだろうか。
この8つの病院が悪いのではない。10312
日本の政治が悪いのである。
厳しい医療費抑制政策は、1998年ごろからはじまった。
さらに小泉首相の時代になると、極端な医療費削減が断行された。
その結果が、この医療崩壊なのである。

受け入れを断った病院をバッシングするのでは、問題は解決しない。
二度とこうした問題が起きないために、構造的な問題としてとらえ、緊急に考える必要がある。

写真は、諏訪中央病院のハーブガーデンを彩るお化けかぼちゃのランタン。ボランティアがつくってくれたものだ。今宵、ハロウィンは、看護師のお子さんや、入院しているお子さんたちらが庭に集い、ボランティア手作りのかぼちゃスープを味わうなど、大賑わいだった。

2008年10月20日 (月)

原発の嵐が吹きはじめた

現在、原子力発電は30カ国で439基が動いている。
一番多いのはアメリカで104基。二番目がフランスの58基。日本は55基で、世界の三番目になる。
現在建設中、あるいは具体的な計画ができているのが130基。そして将来構想として、新規導入を考えているのが220基。Photo
原発ラッシュなのである。

地球温暖化の危機感のなかで、低炭素社会をつくるには原発がいちばん、というストーリーが描かれている。

原発メジャーを中心に、莫大なお金が動く。
市町村や、口利きをする地元の政治家、顔役、国会を牛耳る大物の政治家、官僚・・・・。
原発に群がる利権に吸い寄せられるように、たくさんのお金の亡者が集まる。

穏やかに、丁寧に、本当に原発がどのくらい必要なのか、考えないといけない。
膨大なお金に群がるハイエナのような人たちの、ちょうちん持ちの意見はいらない。
きちんとした議論をして、原発の是非を問わなければいけないと思った。

2008年10月15日 (水)

貧困

ワーキングプアの人が、日本だけで1700万人いるという。
豊かな国になったはずなのに、豊かさを実感できない国らしい。
不登校の子どもが12万人、引きこもりは100万人いるらしい。

日本はこの10年、規制緩和をおしすすめながら、一部の人間にとってお金をもうけやすい国をつくってきた。
そのため、日本が自慢にしてきた、分厚い中流層が壊れはじめてしまった。
20年ほど前、多くの人が「自分は中流だ」と思っていた。
かなり厳しい生活をしている人たちも、自分は「中流の下」と考え、自己評価していた時代があった。
それは、当時のいろいろなアンケート調査に明らかだ。
実はこれがとても大事な、大事なことなのである。
年金制度や医療制度などの社会保障が、制度として十分に守られていくのも、分厚い中流層があるためだ。
地域で生きていくうえでのルールなども、中流意識が支えている可能性が高い。
しかし、僕たちのこの国のリーダーたちは、アメリカにそそのかされ、途方もないお金がもうけられるようなシステムに変えてきた。
いい加減を、見失ってしまったのである。

加減がいいことは大事なはずなのに、日本はいい加減を通り越して、もっといい生活をしたい、もっともうけたい、そう思いながら、一握りの大金持ちをつくったものの、社会を支える中流層を崩壊させてしまった。
格差社会である。
いや、格差社会よりも、さらに一歩悪い方向へと歩み出してしまい、「貧困大国ニッポン」になりPhotoはじめているような気がする。

一人ひとりの人生のあり方も、いい加減が大事である。経済も、いい加減が大事なのである。
途方もない経済成長の持続を望んでも、地球が悲鳴をあげている。
どこかの国が豊かに生活しようとすれば、その反対側に、貧困にあえぐ国をつくらざるを得ないのである。
同じ国のなかにも、豊かな人ができれば、貧しい人ができてしまう。

僕は子ども時代、貧しい生活をしていたので、貧困のつらさはよくわかる。
母は心臓病で入院し、父はタクシーの運転手をしながら、僕の面倒をみてくれた。
貧しかったために、母を病院にもつれていくこともできなかったこともあった。

貧困をゼロにすることはできないにしても、できるだけ貧困にあえぐ人々を生まない社会的なシステムが必要だと思う。
そういう国づくりを、日本のリーダーはしないといけない。
いい加減を、大切にしていきたいと思う。

(写真は、イラクの難民キャンプで、貧困に耐える子どもたち)

2008年9月30日 (火)

金融資本主義は下品だ

証券会社リーマン・ブラザーズが破綻した。CEOは200億の給与をもらい、300億円の退職金をもらうという噂を、数年前に聞いたことがある。

金融工学という錬金術をマジックのように使い、お金をどこかからかすめとってしまう。こんなことが合法的に行われる金融資本主義が長期的にうまくやり続けることがきでるわけがないと、ぼくは思う。

日本はこれに引きずられて経済をさらに悪化させてはいけない。年収200万円以下のワーキングプアが既に4人に1人いるという。これ以上ワーキングプアを増やしてはいけないのである。

三菱UFJフィナンシャル・グループは、モルガン・スタンレー株式の21%を取得すると発表した。また野村ホールディングスはリーマン・ブラザーズのアジア・太平洋部門と欧州・中東部門を買収するという。とてもいいことである。

今日本は土俵際で元気を出していく必要がある。1993年のGDP世界第2位から現在18位に脱落した弱腰の日本経済を、もう一度力強く蘇らせる必要がある。

金融資本主義にあまり手を染めず、実態ある資本主義、つまり製造業を中心とした、大金は稼げなくとも小金を稼いでいく資本主義に、日本は戻るべきだと思う。

1500兆円もの預貯金を持っている日本である。まだまだ足腰はしっかりしているはず。無能な政治家たちを舞台から降ろして、新しい引っ張り役を生み出さないといけない時期にきていると思う。

2008年9月28日 (日)

2/22 サダコ映画会&鎌田實講演会

イラクでコレラが流行っているという。イラク政府は70数名のイラクでのコレラ患者の発生を認めている。しかし一方で、何千人ものコレラ患者がいるという噂もある。治安だけではなく、衛生面でも心配な状況が生まれ出している可能性がある。

JIM-NWT会議が行われた。

イラクの病気の子ども達を救うため、今年もバレンタインにボランティアチョコレートを販売することに決めた。自衛隊が派遣されていたイラク・サマワで白血病と闘っているハウラちゃんに絵を描いてもらい、北海道の六花亭にも協力してもらって、7万個発注。1個500円で販売する。ぜひご協力をお願いします。

昨年は坂田明さんらクインテットに協力してもらい、バレンタイン・チャリティ・コンサートを行った。

今年は2月22日、東京でサダコの映画と鎌田實の講演会を行う予定である。

広島で被爆し、千羽鶴を折りながら白血病と闘った故・佐々木禎子(さだこ)さんの折り鶴が、「サダコ」・虹基金創設者の故・大倉記代さんからJIM-NETにバトンタッチされた。それについてメッセージを送りたいと思っている。

2008年9月25日 (木)

日本の医療制度の危機

後期高齢者医療制度の余波が出ている。

09232 後期高齢者医療制度の財政負担を5:4:1の形で明確にしたこと、そして前期高齢者に対する健保組合に対する新たな負担が加わったこと。これによって、健康保険組合連合会に加入している1500組合の約9割が赤字の見通しという。

西濃運輸の健康保険組合の解散の次には、京樽の健康保険組合も解散した。解散後は中小企業が加入する政府干渉健康保険組合へ移る。ここにはかなりの税が注ぎ込まれおり、ここにどんどん健康組合が解散して加入して行くと、税で国民皆保健制度を守ることになっていく。これも厚生労働省がつくった、国民皆保険制度を守るシステム上の間違いがあったように思えてならないのである。

後期高齢者医療制度に関しても、国民皆保険制度を守るそれぞれの財政支援の負担の割合に関しても、この数年の制度の手直しに関しては、財務省の負担だけが減っていくような、巧妙な手口が使われている。財務省の一人勝ちである。すべての国民に負担が押しつけられ、ぎりぎりなんとかうまく運営されていた健保組合まで大変な状況に追い込まれ出している。

政治の発想が悪いのだろうと思う。医療費を切り詰めて構造改革をしているので、ジリ貧の政策しかできていない。鎌田がこのところずっと強調している、33兆円の医療費を40兆円に増やす中で問題解決しないかぎり、日本の医療制度は守れないと、強く強く思う。

写真は、岩次郎小屋から眺めた秋の山並み

2008年9月24日 (水)

後期高齢者医療制度に激しく噛み付いていた茨城県医師会

茨城県医師会はおもしろい。ぼくとは少し考え方が違うが、なかなか気骨があると思っている。

0923 後期高齢者医療制度に反対し、茨城県医師会の政治団体・茨城県医師連盟は、次期衆院選で、県内7つの全選挙区で民主党から立候補を予定している7人の推薦を決めた。

日本医師会は、自民党に対して経団連に次ぐ政治献金をしていた。自民党と日本医師会とはそういう関係ができあがっていたのだ。

これからは二大政党にして、医療を支援するのはどちらかをきちんと見極め、医療を充実させる側に支援した方がいい時代になってきたのではないだろうか。

自民党は制度疲労してどうしようもないし、民主党もどうも頼りのない政党でどうしようもない。未成熟な政党をきちんとした大人の政党にするためには、二大政党しかありえないのではないかと思う。政権交替を何回か繰り返しながら、明確な政策の違いを論争させ、国民はどちらかを選んでいくというスタイルが、成熟した政党を作っていく上では大事なのではないかと思っている。
そういう意味では茨城県医師会の快挙に拍手を送りたい。

もう一度言おう。自民党も民主党もどうしようもない政党だ。しかしこの国が良い国になるために今一番大切な事は、二大政党を作り、政権交替を繰り返しながら、政治を成熟させることだと思っている。

写真は、黄金色に輝く岩次郎小屋からの風景。

2008年9月16日 (火)

放射性廃棄物の最終処分の問題

経済産業省は、使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分の候補地に対し、一次調査で年間10億円などの電源立地地域対策交付金を出すという。大盤振る舞いである。こうでもしなけりゃ手があがらないということである。先端医療機関の整備だとか、企業の研究機関の誘致だとか、甘い言葉が160くらい並んでいる。

政府が仕組んだ方式のターゲットは小さな町や村である。札束でほっぺたをたたき、なんとか住民の不平不満を押さえ込み、お金で小さな自治体を丸め込んでしまおうという魂胆だ。先端医療機関の整備などは、小さな村などには必要がない。すべて幻想でしかない。

地球温暖化を大騒ぎしながら原発の増加を画策している。当然、高レベル放射性廃棄物の最終処理の問題が生じてくるのである。

限界のある方式に、どうしてこれほどこだわるのだろう。原発を作ったり、最終処理場を作ったりすることで、巨額のお金が動く。そこに、お金をピンハネしていく政治や官僚、企業のシステムがあるからに他ならないと思う。

ゆっくりと、原発の良い点、悪い点を考えなかればならない。ヒステリックにではなく、穏やかに、プラスとマイナスを論じ合わなければいけないと思う。

2008年9月15日 (月)

金融資本主義の猛威を許すな

NYの原油価格が一時1バレル100ドルを割った。一時147ドルまで上りつめていた。アメリカや中国など世界の株が下がり始めている。行き場を失ったマネーが金や石油へ行き、石油の値段を一気に倍近い値へ押し上げていった。

09151 本来の資本主義は使う分だけに価値が見出され、モノの値段が緩やかに上がったり下がったりするはずだが、有り余ったお金が投機となり、モンスターとなっている。

これを操っている中枢の人たちは、値が上がろうが下がろうが、常に利ざやを稼いでいく。このモンスターに踊らされていく庶民の生活はたまったものではない。ドライな金融資本主義を許さず、ウェットな血の通った資本主義を目指す必要があると思う。

※写真は岩次郎小屋の石段

2008年9月14日 (日)

アイガー東壁崩れる

8月18日正午、アイガー東壁の一部が崩れ落ちた。

落下した部分は、5万立方メートル。50件分の家に相当するという。原因は温暖化による氷河の後退と溶解のためだと思う。岩と岩をつなぎとめていた内側の氷河が溶け出したのである。

今年の南極のオゾンホールは今までで最大になった。

沖縄の珊瑚は7割消えたという。海水が0.7度、海面水温が過去100年で7度上がったため、珊瑚の白化が起きてしまった。藻類が抜け出してしまったのだ。もともとIPCCは1度上がればほとんどの珊瑚は白化すると警鐘を鳴らしていた。0.7度の上昇で大変なことがおきだしているのである。

気温が1度上がるくらいたいしたことはないなんて思わないようにしたい。数字ではなく、生活しているぼくたちの体感を大事にすべきだ。多くの人が何となく思っている、夏の暑苦しさ、これが大事なのである。

09154地球温暖化を否定する人たちは多いが、間違いなく大変なことが起き出している。
なんとかしなければならない!!

(写真は、岩次郎小屋に訪れた秋。コスモスが満開)

2008年9月13日 (土)

自民党総裁選に思う

09153 自民党総裁選の5人の立候補者の演説が行われたとき、偶然永田町の自民党本部へ行った。理由は、衆議院議員・中山太郎氏(元外務大臣)との対談のためである。

お受けした理由は、彼が医師で、現職の国会議員の中で現在一番長い議員であるということ。医療費を年間33兆円から40兆円に上げ、それ以上うなぎ上りに上がらないシステムを構築すべき、というぼくの考えをなんとか実現するためには、政権与党の中に理解者を増やしていくことが大事だと思ったからである。

中山太郎氏にもこのことをお話した。彼はもちろん理解を示してくれた。しかし彼は、「これだけ大きな変更をできるのは首相だけである」と明確に言った。

参議院議員の調査委員会にも呼ばれて、同じことを論じた。しかし、犬の遠吠えで終わった。

民主党の議員に言っても、自民党の議員に言っても、結局現実を変えることはできないのである。

霞が関の財務省が握っている。それを変えるのは首相しかいない。だとすると、首相を決めるのに国民の声がなかなか反映されないのは非常に残念である。結局、自民党総裁選に当選した人が、公明党の力を借りて、国家の首相になってしまう。こういう政策を持っている人を首相にしたいという国民の声が通じない民主主義になっている。日本の民主主義のシステムに問題があると思う。

やはり、大統領制にした方がいいのではないか。今回のアメリカの大統領選などを見て、あれだけきちんと意見のやりとりがされ、意見が分かれながらも最後は納得していく。そういう国づくりを国民も巻き込んでしていくことが大事なのではないかと思った。

今の、総裁選挙、首相を国会で指名するという選挙のあり方に関していうと、なんともまだらこしい、国民の民意が反映されないシステムだと思う。できるだけ早く大統領制にしたほうがいいと思った。

2008年9月11日 (木)

憎しみや恨みの連鎖を断ち切ろう

今年の夏、9・11のグランドゼロに立った。そこで3000人の尊い命が奪われた。許されざる行為である。新しい建物が建てられるらしく、工事が行われていた。

0911 9・11のテロ以降、世界は一変した。アメリカはアフガニスタンを攻めたが、戦争には勝っても、ベトナムと同じで、治安の安定は一向に行われていない。最近ますますアフガニスタンの状況は悪化してきている。

アメリカ軍が束縛し、一般市民が殺されると、その残された家族がタリバンに入る。そしていつでも自爆テロの要員に手を挙げるのである。

憎しみや恨みの連鎖が蔓延している。タリバンは、自爆テロリストを募ることなく、いくらでも集めることができるようになってきているという。悪循環である。

イラクも難民が400万人。イラク国内に200万人、シリアやヨルダンを中心としてイラク国外に200万人と言われている。膨大な数の人たちが、生活を奪われ、命を奪われた。

自分がもしイラクの一般市民だったら、アメリカを憎むだろうな、アメリカに加担する国々を恨むだろうなと、想像する。

憎しみや恨みの連鎖をとにかく断ち切らなければいけない。
温かな手を差し伸べることである。時間はかかるが、そこから暴力や戦争への連鎖を止めることが大事なのである。小さな温かさだって、必ず連鎖が起こる。
そう信じています。

2008年9月10日 (水)

公的な教育支出、1位はアイスランド

日本の公的な教育支出額は、GDP比3.4%。アイスランド7.2%に比べると半分、先進国OECD28カ国の中では最低である。

小泉さんは教育も医療も、全部切り捨ててきた。じりじりと下がり続けている。今の政権は、道路やダムや原発を作ることに夢中である。道路ならばいくらでもピンはねできるからだろう。医療や教育など、権力者たちがピンはねしづらいところにはお金は回らない。防衛も同じだ。防衛の汚職は繰り返され、後を経たない。防衛費を増やせば政治家や役人たちが得をする。

0705_05s アイスランドは軍隊を持っていない。軍隊に使うお金を、教育や医療に差し向け、女性を大切にする国づくりをした。世界で初めて女性大統領を生み出し、日本を抜いて男性は世界一の長寿国となり、教育支出額も世界一に上り詰めた。国づくりの志が違うような気がする。

ぼくたちのこの国の20年は、最低な人たちに最低な国づくりをさせてしまった。日本人は一生懸命働き、税金もしっかり出してきたにも関わらず、その税金が有効に使われなかった結果が、こんな国にしたように思う。早くなんとかしないといけないと思う。

民主党もどうしようもない政党だと思う。うんざりである。しかし、自民党がやっていた結果がこれだ。たいした党がどこにもないが、2大政党にして、悪いことをしたときに必ず政権交替が行われるようにすれば、悪いことが発覚しやすくなるだろう。発覚しやすくなれば悪いことをする人間は減る。どうしようもない自民党と民主党ではあるが、2大政党が政権交替する形を作らない限り、この国をよくすることはできないように思う。

0910_2右の写真は、自民党本部。総裁選の5人の立候補者が演説をした会場。偶然今日、自民党議員と対談の約束をしていた。

とにかく医療費を年間33兆円から40兆円に上げ、充実した小児医療・産婦人科医療・がん医療・緩和医療を充実させること。医療費が40兆円にした後は、天井知らずに医療費が上がることを防ぐべき。そのためには包括払い制度を導入してもいいのではないか。これがぼくの考えである。それを伝えるために、自民党の議員と対談をした。

この国が大統領制ならば、ぼくも命がけで一度立候補して、自分の考えていることを実現してみたいとも思う。いろいろなところから、国政選挙に出てみないかというお誘いを受けるが、ぼくは絶対に出ない。陣笠をやっても何もかわらないと思っているから…。

2008年9月 5日 (金)

なげださない

昨年9月、安倍元首相がこの国をなげだした。
ぼくは安倍さんに読んでもらいたいと思って、今年1月「なげださない」という本を書いた。
この国の首相が日本をなげだしても、庶民はなげださない生き方をしている姿を見せたかった。

またまた福田首相がなげだしてしまった。
安倍さんだけでなく、福田首相にも「なげださない」を送って読んでもらっておけばよかったかなと思っている。
今度の首相には、ぜひ鎌田實の「なげださない」を読んでもらいたいと思う。

政治家はなげだしてはいけない。

2008年9月 1日 (月)

好況感のないまま景気拡大が終わろうとしている

いざなぎ景気を抜く戦後最長の景気拡大があったというが、国民は経済が良くなったという実感のないまま、景気拡大が終わろうとしている。

2000年に比べると現在、材料は3倍ほどになったが、消費物質は8%くらい下がっている。ここに問題があるように思うのだ。

ヨーロッパ、特にEUは物価が非常に高い。ハンバーガーを食べたら1000円、空港の飲用水を飲んだら600円。高くて驚いた。むしろ日本も若者の職場を広げ、若者の給料をあげるためには、物価が若干上がるよう誘導していかないと、企業も持たないように思う。企業が抑制に向かえば、さらに若者達の働く場が狭められていく。

このままデフレが進めば、精神的抑制により、社会がより萎縮していくように思う。
材料代が3倍になり、消費物質は8%安くなった。しかし企業は、戦後最大の利益を出しているという。企業はどこかの部分でかなりの無理をして合理化しているのだ。合理化のし過ぎがおきているような感じがする。

物価が少しあがることを耐えていくことで、景気拡大だけでない好況感もでてくるのではないかと思う。

2008年8月30日 (土)

福島県立大野病院でおきたこと

2004年に帝王切開手術を受けた女性が福島県立大野病院で亡くなった。
産婦人科医は業務上過失致死罪に問われていたが、今回、
「過失のない治療行為をしたが女性の死亡は避けられなかったもので、異常死とはいえない。無罪」
と判決が下された。遺族にとっては大変残念な結果だったろうと思う。

もともと警察が乗り込み、司法が介入すること自体問題だったのである。
射水市民病院で人口呼吸器がはずされた事件に関しても、ぼくは主治医の軽率な行為と思いつつも、警察が介入すべきではないと主張してきた。
第3者機関が判断し、医師に倫理的な判断の誤りがあったとすれば、医師免許の停止などではなく、3ヶ月間の倫理教育の徹底とか、あるいは1年間の過疎地での医療業務の命令など、もっと違う処罰を下していくべきだと思っている。
今回の無罪判決は、遺族にとってはつらいだろうが、当然だと思う。

同じように東京都内の大学病院で、癒着胎盤と診断された女性が、帝王切開後直ちに子宮摘出手術を行ったにも関わらず、大量出血のため亡くなっている。
今回胎盤を剥離したことによって大量出血がおきたため、子宮摘出をするべきだったという意見が反対論としてあることを承知しているが、子宮全摘を行っても危険なわけである。

これは医療事故ではない。しかし家族にとってみれば、元気だったお母さんが突然亡くなったのである。
第3機関できちんとした話し合いが行われ、精神的な賠償は行われるべきだと思う。
そうすることによって医療者側も精神的なダメージを受けなくてすむ。

福島県立大野病院の産科医が警察に逮捕されたことによって、産婦人科を希望する若手医師が減ったことは間違いない事実である。
同時に、出産を扱っていた産院が、出産を扱わない外来だけの婦人科クリニックに衣替えしてしまったというケースも少なくない。

医療者側の「これじゃやってられない」という思いと、
患者側の「これじゃやってられない」という思いの妥協点を見つけるためには、
警察ではなく、医療安全調査委員会のようなものを作ることが大事だと思う。

病院の中で起きたことに対して、できるだけ警察は介入を慎むべきだ。
早急に第3機関の創設を望む。

追記:

翌日、舛添厚生労働大臣は、医療安全調査会の設置を前向きに検討し、次の臨時国会に設置法案を提出する意向を明らかにした。とてもいいことである。 
無過失保障制度が大事だと思う。医療者側にとっては犯罪ではない。そういう意味では無過失である。しかし、なんらかの方法でこの母親を助けれらかもしれなかった。遺族にとっては本当に残念な結果である。無過失ではあるが、遺族の精神的な苦痛に対して、なんらかの保障をする制度があっていい。
医療を供給する側も、医療を受ける側も、恨みあうのではなく、お互いが理解しあうということ。それを第3者委員会を通して現実のものにすることが大事なのだと思う。

2008年8月28日 (木)

国民皆保険制度があぶない

カンガルー便でおなじみの総合物流商社、西濃運輸の健康保険組合が解散となった。
グループ31社の従業員とその扶養家族、計57000人が加入している健康保険組合が、政府管掌健康保険へ移るという。これにより国庫負担は年間約16億円程度増大するという。

小泉路線が引いた社会保障費毎年200億円の減額のため、国の負担を極力増やし国民や企業側に負担を押し付けてきたツケが、ここへきて結局回ってきたというわけだ。

2007年度は、老人保険制度と退職者医療制度への負担金が35億円。2008年度は、後期高齢者医療制度ができたこともあり、前年度比約62%増の58億円にまで増加した。
健保組合に関する負担が増強しすぎたのである。負担金を払うためには、保険料率を10%程度にしないといけないという。政管健保の保険料率が8.2%なので、政管健保に入ったほうが、57000人の加入者にとっては負担が軽くなる。

今年度は、健保組合の9割程度が赤字になると見込まれている。
後期高齢者制度に対してぼくがしてきた批判の一つとして、見えてこないサラリーマンの負担増を懸念していたが、早くもぼくの心配が現実のものになってしまった。
小泉以降、3代の首相による失政が原因だと思う。

国民皆保険制度は日本の宝である。これを壊さないように、速やかに抜本的な日本医療制度の改革が必要である。

2008年8月22日 (金)

インドで赤ちゃんを作る

インドには以前から腎臓村があり、貧乏な若者が結婚する際に二つある腎臓のうち一つを売って、外国のお金持ちの腎臓移植を成立させてきた。インドでは、代理出産が法律で認められている。

日本人夫婦が海外で代理出産をすることは、日本学術会議が原則禁止をうたっている。

愛媛県の42歳の男性医師と妻はインドに行き、インド人女性と代理出産契約を結んだが、その後夫婦は離婚してしまった。
男性の精子と不明の卵子を使って受精卵を作り、インド人女性の子宮を使って子供が生まれた。
インドには、独身男性が女の子を養女に迎え入れることはできないという法律がある。

こんなことまでして子供をもたなくてはいけないのだろうか。

ぼく自身、岩次郎夫婦に1歳のときにひきとられた。
ぼくのように、親が子供を育てられない行き場のない子どもたちはたくさんいるはずだ。
そんなに子どもがほしいなら、そういう子どもを引き取って育て、その子の成長に喜びを見出せればそれで充分ではないだろうか。

男性医師の母が今、その赤ちゃんの面倒をインドでみているという。
子どもにとっても、こんな複雑な生まれ方をして本当にいいのだろうか。
足るを知るとか、ほどほどとか、何か大切なことをぼくたちは忘れているような気がする。

科学の進歩とお金で何でも解決ができる。心が少し傲慢になっているように思う。
ときに人はあきらめること、求めないことも大事である。
求めすぎない中に、幸せは隠れているような気がする。
求めても、求めても、求めても、欲望はキリがない。

「いい かげん」が大事なのだ。
「いい加減」は許されないが、「良い加減」は許される。

がんばって、がんばって、がんばって、全力投球して欲しいものを得るより、ほどほどの加減をもう一度思い出したほうがいい。

「良い加減」な生き方が大事なのである。

2008年8月14日 (木)

温暖化と原発

アル・ゴア元副大統領の「不都合な真実」は地球温暖化に大きな警鐘を鳴らし、ノーベル平和賞を受賞した。
しかしなんとなくぼくは好きになれず、ベストセラーになった本も映画も見たいとは思わなかった。

080711 週刊朝日によると、アル・ゴアの父親は原発推進派の可能性があり、アル・ゴア自信も原子力研究のメッカ、オークリッジ国立研究所に出入りしデータ協力を受けている。ここは原発を推進する研究機関である。
そして環境ファンドを立上げ、原子力発電の事業を世界的に展開しているGE(ジェネラル・エレクトリック)社に投資している。

温暖化を盾に原発推進のムードを作り出し、一時期原発を抑制したムードを一新し、いまや世界中で原発が建てられているという。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のラジェンドラ・パチャウリ議長は、第4次評価報告書の中で代替エネルギーとして原子力に言及している。
原発増設を訴えているのである。
そういえば日本でも7月末、2017年までに原発を新たに建設するアクションプランが閣議決定された。

080712 石油メジャーによって踊らされ、「温暖化なんて全くないのだ」といいながら石油で儲け、温暖化を認めない人たちがいる。
今度は原発を推進することによって利益をあげる原発メジャーが、温暖化理論を地球環境保護の名の下に利用しようとしている。
温暖化は間違いなくある。しかし原発を推進することが温暖化対策ではないと、きちんと理論立てていかないと危ない状況になってきたように思う。
アル・ゴアが代表を務めている環境ファンドは、約50億円分のGE社株を取得していた。

080718原発を推進することでお金を儲ける人たちが間違いなくいる。その人たちにとってみれば、理由はなんでもいいのである。
住民の反対意識を変えるには、地球温暖化というお題目はもってこいである。

しかしウランの埋蔵量には限界がある。おそらく70年程度くらいしかもたないのではないかといわれている。
石油は100年、天然ガスは60年、石炭は200年。資源にはどれも限界があるのだ。
地球温暖化のことを本当に考えるならば、天然エネルギーを大幅に取り入れていくことを考えなければならないだろう。太陽、風、水。

080716 今年の夏、ぼくの住む岩次郎小屋の屋根にソーラーパネルを取り付けた。電力会社に電気を売っている。
家の周りに木を植え始めた。夏を涼しく過ごすためである。夏の電力消費を少しでも減らそうと考えている。

写真は、岩次郎小屋のベランダ、家の前に立つニセアカシアの大木、小さな森、畑の野菜など・・・。

2008年8月13日 (水)

豊かな資源に翻弄される国々

新疆ウイグル自治区の西部にあるカシュガルで警察官16人がテロで殺された。
独立派の五輪妨害かと報道されていたが、民主化した人たちの過激な民主化運動ととらえていいと思う。

なぜこんなことがおきるかというと、中国最大の天然ガスと油田が眠っている。中国政府は絶対に独立を認めないのである。

チェチェン紛争がどんなに激しくなっても、ロシアがチェチェンの独立を認めないのは、明らかにヨーロッパに通じる石油のパイプラインがチェチェンを通っているからだ。
この7-8年のロシアの繁栄を支えている命綱を、ロシアはどんなことがあっても放さないだろう。

スーダンで非人間的な虐殺の試合が行われているのも、実はスーダンにアフリカ有数の石油が眠っているからだ。

資源があることで豊かになり、資源があることで翻弄され自由な国になれないという矛盾を内包しているように思う・・・。

2008年8月12日 (火)

北極点の薄氷

ぼくは行った北極圏へ行ったが、北極点へは行けなかった。
今年の夏、その北極点に潜水艦で旅した人がいる。
北極点に上陸するはずだったが、氷が非常に薄くなり北極点に立つのは危険とされ、見るだけに終わったという。

0712_04s 田中優さんからインディペンデント紙が発表したIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書の概要を教えていただいた。
100年後の気候変化の予測結果は、人類が対策をきちんとはじめた場合、2.4℃の上昇、最悪の場合、6.4℃の上昇ということである。
2.4℃上昇すると、グリーンランドの氷床の溶解がとまらず、山脈の氷河が消え、1千万人の人が水不足に苦しむ。また海面上昇が加速し、海に浮いている環礁の小さな島国や、低地デルタ地帯は海に沈む。
6.4℃上昇すると、メタハイドレードが噴出し、すべての生命は絶滅するとインディペンデント紙は予想している。
氷床は解け始めていた。実際にもう大変なことがおき始めている。
もし3.4℃上昇すると、北極の氷は夏消滅し、ここ300年で初めて北極に氷のない状態ができる。北極グマ、セイウチ、ワモンアザラシが絶滅する。
南アフリカを越えてカラハリ砂漠が広がり、数千万人の人が立ち退きを余儀なくされる。

もうすでに今年の夏、北極点の氷は異常に薄い状態にある。1ヶ月ほど前に北極点を訪れた人の話だ。夏のピークを迎えている今、北極点の氷はどうなっているだろう・・・。

2008年8月11日 (月)

許せないODAの贈賄を考える

日本の政府開発援助は、数年前までアメリカを抜き世界1位を走っていた時期がある。
しかし世界一の金額の支援をしても、なかなか日本の政府開発援助は世界から尊敬を集めなかった。世界を見ていて、そんな感じがいつもしていた。

080715 ドイツの北側、オーバーハウゼンにあるドイツ国際平和村には何度も通った。なぜ日本ではこれができないのだろうか。ぼくらのNPOに毎年3億円くらいのお金を政府が託してくれれば、世界の戦争に傷ついた子どもたちを日本で助けることができる。外国へ緊急医療支援へ駆けつけることもできる。そう考えていた。

もちろん最近、外国の災害等に対して緊急支援を送る日本の力は一歩前進していると評価はしている。しかしぼくらの国はなぜ他国から尊敬されるような途上国援助(ODA)ができないのか、いつも疑問に思っていた。

今回、パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)の贈賄事件でその理由がよくわかった。
ベトナムへの支援に9000万円の賄賂を使っている。現地に道路を作るプロジェクトである。
以前にもフィリピン、コスタリカ、モンゴルへのODAにからみ、不正が摘発されている。
不正の問題以外でも、巨額のお金が途上国へ支援という形で流れても、その国にとって本当に必要な支援でない場合が多い。例えば、日本製品の使用が条件とされていたりするのだ。

4年前、イラクのドクターたちとカンファレンスをしてびっくりした。
腹腔鏡の最新型機械の支援が盛り込まれていた。
イラクの小児癌の専門家たちは戸惑いながら話してくれた。
「今は子供たちを救うための最小限の薬すらない。手術で傷が小さく綺麗に縫える腹腔鏡の機械は、5年先にイラクが安定した社会となったときに必要だ。今は無用である」
その通りだと思った。

税金をもっと有効に使うためには、コンサルタントという業種に頼り、甘い汁を吸われてしまうのではなく、支援に入っている民間人の知恵や感覚を、政府はもっと勇気を持って利用すべきである。
福田首相は、今後アフリカ支援などたくさんの支援を約束している。
アフリカ支援をしているNPOの声を聞き、ぼくたちの税金が本当に困っている発展途上国の人々を救うために使われるよう、有効な支援をしてほしい。

Fujinkoron ★今発売中の婦人公論をご覧下さい。

特集 「いつも笑顔でいる心の秘訣」 
~弱い自分を認めてあげよう~

巻頭で鎌田實がニコニコ顔でインタビューに答えています。

※右上の写真は、岩次郎小屋の庭の小道

2008年8月 9日 (土)

長崎に原爆が落ちた日

今日は長崎に原爆が落ちた日だ。あれから63年。

ぼくたちJCFは数年前、永井隆 平和記念・長崎賞という賞を頂いた。チェルノブイリ原子力発電所事故後の放射能汚染地域の子どもの救援活動を評価され、永井隆先生の賞を頂いたのである。

永井先生は、放射線科の医師であった。長年の放射線研究による被曝で慢性骨髄性白血病を患っていた。余命宣告を受けた後、長崎医科大学で仕事中、長崎に原爆落ち、直下で被爆した。
体調がわるくても、医師として被爆者たちの救援を行い、さらに病状が悪化すると、寝ながら顕微鏡をのぞき、白血病の研究を続けた。
同時に「長崎の鐘」や「ロザリオの鎖」、「この子を残して」など、本を書き続けた。
住まいとした如己堂はたった2畳の粗末な平屋である。
印税などの収入は被爆して困っている人のために使ったという。

「長崎の鐘」
こよなく晴れた 青空を 悲しと思う せつなさよ
うねりの波の 人の世に はかなく生きる 野の花よ
なぐさめ はげまし 長崎の ああ 長崎の鐘が鳴る
(詩:サトーハチロー 曲:古関裕而 歌:藤山一郎)

歌も映画も小説も大ヒットした。

天皇陛下、ヘレンケラーなどが永井先生のもとを見舞った。
そして、二人の子ども達に見守られ、永眠。43歳であった。

ぼくたちが永井隆賞を受賞したとき、永井隆さんのご長女、茅乃さんが舞台に立ち、スピーチをしてくれた。茅乃さんは普段、永井隆賞の授賞式には顔を出されるが、舞台でスピーチをしたことは今までなかったという。
「父は、東京の学会で白血病の発表を行った後、東海道本線に乗らず、中央線に乗って名古屋経由で長崎へ帰ってきました。
そのとき父は、車窓から見える八ヶ岳山麓の美しい景色に心を奪われました。
私の名前は、そのときの美しい思い出の中で作られたのです」

そう、なんとぼくの住む茅野(ちの)市のことである。
「茅」の読み方を「かや」と変え、「野」の字を「乃」と変えて、「茅乃(かやの)」という名前を娘につけたのだ。ああすごい、とぼくは思った。不思議な縁である。

永井先生の本の中には茅乃さんのことがたくさん出てきる。大変愛されていた。
ぼくがお会いした当時、茅乃さんは60代半ばだったと思う。
その茅乃さんも数年前、癌でお亡くなりになった。
やはり被爆が遠因だと考えられる。子どもの頃被爆し、幹細胞の遺伝子に傷がつき、長期間かけて癌化する。被爆したひとたちが重複癌をわずらうことはよく報告されている。
こんなおそろしい武器、核兵器が、いまだに世界中にたくさん存在していることは信じがたい事実である。

今日は静かに、世界の平和を祈りたい。

今日これから、諏訪中央病院でホスピタルコンサートが行われる。
いままで8月9日に重なったことは不思議と一度もなかった。
今日のコンサートは「レクイエム(鎮魂歌)」である。

2008年8月 7日 (木)

第三国定住制度導入について

昨秋、「黙っていられない」(マガジンハウス)を共著した池田香代子さんからFAXを頂いた。
難民受け入れに関するぼくのワキの甘い評価に対して、厳しいチェック。さすが、なるほど、と思った。

池田さんのお許しを頂きましたので、ここに掲載します。読んでください。

カマタクン、お元気ですか。池田です。

お忙しいと思い、FAXにします。
「毎日が発見」、送られてきました。
 (鎌:←ぜひ読んでください)
読んでみようかなと思わせる、彩り豊かな誌面になっていて、さすがと思いました。

ある方から、カマタクンがなんとブログをなさっていると聞いて、きのうのぞいてみました。
よくそんな余力がおありですね。
つくづくすごいと思う。

船旅の記録は、ゆっくり読ませていただこうと思います。
いいなあ。

直近の、第三国定住制度導入について。

難民キャンプでじかに切実な訴えを聞いているカマタクンが、これを歓迎する気持ちはよくわかります。
わたしも、難民鎖国日本の扉にほんのわずか隙間が開いたと思う。
でも、UNHCR認定難民だから日本としては構成で迅速な認定ができる、という政府の説明には釈然としません。
日本に逃げてきている難民の人たちとかかわる立場からいうのだけど、UNHCRが認めたマンデート難民でも、これまで法務局は偽難民だといいはって、追い返してきたんです。
それで強制帰国させられて逮捕され、拷問を受けた人はたくさんいます。
だから、よくもまあぬけぬけと、というのが本心だけど、そこはおとなとして、いいことをしようとするムキは褒めないと、と思います。

恐いのは、日本で難民申請をしている人たちが、これまでに増して冷たい仕打ちを受けないか、ということです。
わが国は第三国定住制度によって一定数の難民を受け入れているのだから、その一方で日本国内の難民申請者にはこれまでより厳格に対処する、なんていうお役所の論理がまかりとおたらたいへん、よーく目を光らせていないと、と身構えてしまいます。

ブログによると、かなりむちゃな移動をなさっていますね。
わたしだけじゃないんだ。
ちょっと安心。

                                       池田 香代子

2008年8月 6日 (水)

8月6日原爆の日

広島の平和記念公園の中にある、「原爆の子の像」のモデルになった佐々木禎子さんは12歳で白血病でなくなった。
サダコと同じ病室で入院していた大倉記代さんは、サダコと一緒に折った折鶴を守り続けてきた。
「想い出のサダコ」を出版し、サダコ・虹基金を設立。被爆で苦しむ子どもたちの救援活動を行ってきた。

記代さんは、数年前からJIM-NETに寄付をしてくれている。
記代が亡くなった。卵巣がんだった。全身に転移していった。
記代さんの意思はJIM-NETに引き継がれることになった。
サダコのご両親から記代さんに託されたサダコの鶴も、JIM-NETの佐藤真紀にバトンタッチされた。

原爆にあって生き延びた人たちは、被爆しなかった人に比べ、白血病や癌になる確率が高くなっている。
原爆投下から数年後に慢性骨髄性白血病が急増し、ピークが終わった後、乳がんや胃がん、あるいは骨髄が抑制されるMDS等が次第に増えていった。
被爆者の癌死亡者は、2040年までに2万7千人に達すると予想されている。
原爆投下直後に生き延びた人たちの多くは、結局は癌になってなくなっていくという現実がある。
おそらく、幹細胞の遺伝子が傷つけられたため、長い時間を経て癌化を起こしている可能性が高い。

核戦争はどんなことがあっても止めなければならない。微量の放射能だからたいしたことはないといっても劣化ウラン弾を安易に他国に投下するのはやめるべきである。
自分の国に投下されれば、完全撤去するだろう。
今、イラクでは街の中にゴロゴロと劣化ウラン弾が放置されている。
今日もサケルという白血病の少年が亡くなったと悲しいメールが入った。

0803_1 8月1日、21歳のお客さんがベラルーシの放射能汚染地域からやってきた。ジーマ君。17歳のときに白血病にかかった。
チェルノブイリ原子力発電所が爆発したのが22年前、1986年4月26日。彼はまだ生まれていなかった。
お母さんのお腹の中で、放射能の影響をうけたかどうかは定かではない。

ぼくたちJCFが1991年1月に訪ねたミンスクのドクター・オリガの病院で、彼は治療を受けた。白血病を克服して元気になり、医学の道を志していた。
1996年チェルノブイリの健康被害を検討する学会をJCFとゴメリ医科大学の共催で行った。ジーマ君は、そのゴメリ医科大学の医学生となった。

0801_2 0801_3 奥志賀高原ホテルのJCFのチャリティ・ジャズ・コンサートに参加し、みなさんから温かな声をかけてもらった。一緒に草津温泉にも入った。

草津温泉の帰り道、菅平のお蕎麦屋さんに立ち寄って、イモ汁や蕎麦やモツ煮など日本的な食べ物も経験した。
ぼくがずっと来たかったお店である。忙しくてなかなか訪ねる機会がなかったが、今回やっと約束が果たせた。
このお蕎麦屋さんを切り盛りしていたおばあちゃんは、亡くなる数日前、同じく癌を患っているご主人のおじいちゃんと、痛みをこらえながら、諏訪中央病院の即席ダンスホールでラ・クンパルシータを踊った。そのご夫婦のお店である。夏の盛り、店は大変繁盛していた。

二酸化炭素と温暖化を理由に、再び原発肯定論が世界を闊歩し始めたが、原発にも大きな危険がある。
CO2の排出が少ないということで、温暖対策のエネルギーともてはやされているが、
長期間使用した後の廃棄の問題を考えれば、コスト的にも、健康被害のリスクの上でも、安易に原発に頼るのは良いことではないと思う。

ジーマ君は、1週間信州大学で勉強し、その後1週間長崎大学で勉強し、ゴメリへ帰る。

2008年8月 4日 (月)

終末期医療について

元岐阜県知事の梶原さんがやってきて、茅野市長などと昼食をとった。
健康医療市民会議信濃を茅野の市民たちが立ち上げた。梶原さんはその全国版の代表である。市民が自ら健康や医療について意識を高め、医療を変えていく必要があるのではないかというのが梶原さんの考えのようだ。

080704 安らぎの丘の回診、予約外来、東京の方二人の新患。ぼくにとっては電子カルテ化の初めての日である。クラークがついてパソコンのしくみを教えてくれているが、息を合わせるためにはまだまだ時間がかかりそうである。地獄の外来となった。しばらく外来はとてもステレスフルになりそうである。穏やかな気持ちで診察をし続けるよう注意しなければいけないと思った。

終末期医療について

終末期医療について、読売新聞が全国の3百床以上の病院にアンケート調査を行った。

終末期医療に問題があるとした病院は91%。大変病院が疲れていて、きめ細かく温かな終末期医療がやれていないと病院自体が自己批判している数字でもある。

終末期の延命中止が2割行われているが、ガイドラインどおりたくさんの患者や家族を巻き込んだ形で延命中止が意見がまとまることがあまりないということも、アンケート調査でわかってきた。

こうして考えてみると、後期高齢者医療制度の終末期医療相談料が2週間くらい前に点滴をことや人工呼吸器につないで欲しくないことなどを本人に確認することによって、2000円もらえるという制度は、大変批判がでた。そのとおりである。
この制度は感性の鈍いどうしようもない制度だと思う。

しかし終末期のあり方を、本人が元気なときに自分はどうしてほしいかと言っておき、それをできるだけ守ってあげられるようにすることは、新しい医療の流れだったはずである。

後期高齢者医療制度に、終末期の問題にふれたこと自体はそう悪いことではないのではないかと思っている。

ヒステリックに、後期高齢者医療制度のすべてが悪いと批判するのではなく、終末期のあり方を強制ではなく、患者さん自信が選べて人工呼吸器などは自分で必要ないと思う人は、必ず2~3割りいるはずで、その人たちがその思いがちゃんと達成できるようにすることは問題がないように思った。

2008年8月 3日 (日)

社会保障費の抑制

ずっと福田政権がやってきたことを批判し続けてきたが、この頃少し方向転換しだしているかなと思っている。

ぼくは、社会保障費2200億円の抑制をやめるべきだと主張してきた。
2009年予算の概算要求基準(シーリング)の中で、社会保障費2200億円の抑制をやめるわけではが、3300億円程度、社会保障費や環境などの重点化枠に振り向けるという。
つまり、差し引き1100億くらい、環境、医療、福祉にお金が回ってくる可能性が出てきたということだ。これは大歓迎である。

確かに財政赤字の建て直しは必要である。日本国家として赤字の解消が行われていない状況は、世界から見てもまずいだろう。財政赤字のことも考えながら、重点項目を見直すという点では、柔軟性のある良い案だと思う。
医師不足なども大きな重点項目の一つとして捉えられているようである。

なんといっても良いのは、公共事業費や防衛費などの削減を行って、3300億円程度のお金を作るということだ。これが政治の仕事である。
もちろん公共投資が必要だった時代もある。しかし、無駄な道路、無駄なダムの建設をやめ、防衛費を削って、環境や社会保障費に回すというのは、大変いいことだと思う。

2008年8月 2日 (土)

療養病床・低炭素社会づくり

2012年までに、35万床の療養病床を18万床へ減らす計画を修正し、22万床にすることが決まった。4万床増えたのである。

老人のベッドが18万床まで減ることについては、大変なことが起こると感じていた。
医療費の抑制だけを最優先に考えた机上の理論だと批判してきたが、やっとそのことに気がついて、緩和措置を行われることになった。患者が行き場を失うという点については、若干ではなるが、改善されることとなった。

福田政権は相変わらず人気はないが、このところ実はちょっと舵取りが変わってきだしているのではないか、と思うようになりつつある…。

政府は温室効果ガス排出を大幅に減らすため、低炭素社会づくり行動計画の中で、太陽光発電機の価格を3-5年後に半額程度にする政策を打ち出した。これはすごいことである。

日本の太陽光発電の導入は2004年まで世界一であった。しかしそれが小泉首相の時代に環境に手を回さなかったため、2005年ドイツに抜かれ、大事な時期に政府は、世界の先頭を走る企業を持ち上げることも怠ってしまい、後手に回ったのだ。そのことは大変不満に思っていた。

080720_2 ぼくは岩次郎小屋を300年もたせようと思って建てた。
今年春、20年使ったウッドシェイクの屋根をやめ、迷った挙句、太陽光発電機のついた屋根に替えた。見栄えは少し悪くなり、もちろんコストはかかったが、満足している。
電力会社に電気を売るようになった。ソーラーパネルのついたカバンというのも買ってみた。旅行中も携帯電話などの充電は太陽光発電で行うよう努力し始めている。

住宅向け太陽光発電機の価格は現在、2~300万円。3~5年の間にそれを半額程度に引き下げられるよう、迫真的技術を作り出すために、政府が新たな応援するという。これは大変良いことだと思う。
電力の節約は大事である。LETを使った電気は徐々に自宅の電気を変え、消費電力を少なくする努力をしている。

080710しかし同時に政府はドサクサにまぎれて、低炭素社会作りの行動計画の中に、原子力発電の建設について、2017年度までに九基の建設をしようとしている。これは発想がおかしいと思っている。

電気のピークに電力供給量を不足させないために原発をつくるれば、高い電気を買わざるを得なくなる。
夏のある時期を除けばあまった電力を作り出しているのだから、夏の一時期の電力消費量を減らす政策を講じることの方が重要だ。そうすれば、新規の原発を7基も作る必要はないだろう。
老朽化し廃棄するときの危険やコストを考えると、簡単に低炭素行動案の中に原発をコソコソと作るのはいかがなものかと考えている。

2008年7月30日 (水)

介護の日2

「介護の日」が11月11日と決まったのは、鎌田實の意見が発端である。

実は4年前から、「がんばらない介護の会」というものをつくり、9月25日を「介護の日」と設定して活動してきた。
毎年9月の「介護の日」には、ポスターを作り、介護のシンポジウムやレクチャーを行ったり、「介護をしてくれてありがとう」というメッセージカードを作って介護を受けている人から介護をする方へ手渡してもらったりしてきた。

やっと9月の「介護の日」が起動に乗り出したところだったので、今回政府から「介護の日」制定の話が出たとき、はじめは9月25日を「介護の日」として提案した。
しかし、9月25日という日にちには特に意味もなく、ゴロあわせもうまくいかず、広く皆に知っていただくためには物足りない気がした。

そこで第2案としてぼくが提案したのが11月11日であった。
今年11月11日、長野県で「いい日いい日幸せ介護」というキャッチフレーズでイベントが行われる。介護をしてくれる人に感謝の意を表し、介護を上手につかっていきいきと生きる、という新しい介護の時代を高らかに宣言しようというものだ。
鎌田實が記念講演を行う予定である。
これを提案したところ、インターネットを使ってヒアリングを行い、400以上の方の意見が寄せられ、
11月11日「いい日いい日幸せ介護」へのたくさんの賛同が集まったという。
厚生労働省も難産ではあったが、介護の日を11月11日に設定したとのことである。

政府も、口うるさい人を遠ざけず、口うるさくてもきちんとものを述べる人を、たまには委員会に呼んで意見を聞くこともいいのではないかと思っている。
福田さんは舛添大臣に対しても、週刊誌や月刊誌で激しく批判してきたにも関わらず、ぼくの意見を聞きたいといってきてくれた。
それは少し大人の判断をしだしたのかなという気がした。

耳障りの良い話しかしない人を呼び、経済財政諮問会議みたいなものをつくり、
この国のシステムを操ってきた小泉政権以降の国のあり方を少し変えて、
色々な反対意見を言う人たちの言葉に耳を傾けるときが来たように思う。

2008年7月29日 (火)

介護の日1

いも政府は新しく「介護の日」を作るという。
11月11日を「介護の日」と設定することを決定したらしい。

堀田力さんや樋口恵子さんらを筆頭に、「介護の日」の制定についての小さな委員会が作られた。
ぼくも意見を求められて「介護の日」を制定することに賛同した。
介護をする人たちに「ご苦労様」「ありがとう」と伝え、介護される人たちも自分らしくイキイキと生きる。
高齢化社会の中、そういう国づくりを目指すためにも、「介護の日」を制定することは大変良いことだと思う。

社会保障費年間2200億円の抑制が決まった頃から、介護の世界に対しても厳しい抑制が始まり、介護職員たちの待遇の悪さが表面化され、若者たちが介護の世界へ入らなくなってきた。
多くの介護の学校が欠員を生じ、廃校をせまられている。
一時期、得策として「介護の時代」「介護は必要」と若者たちにアピールし、優しく誠実でまじめな若者たちが介護の専門化を目指した。
しかし、うなぎのぼりに増加する介護保険給付費にブレーキをかけようと抑制策に転じ、ここへきて一気に、介護で働く人たちの待遇悪化が顕在化したのである。

そして、コムスン介護報酬不正請求事件。
人材派遣業のグッドウィルがコムスンを作り介護ビジネスの全国展開をした。
グッドウィルのリーダーは巨万の富を得、大きな別荘をつくり、外車を何台も持ち、ゴージャスな生活をしていた。
一方、介護をしている人たちの生活は、頑張っているのに大変厳しい。
そういう構造が浮き彫りになった。

そんな状況の中、政府がもう一度仕切り直しをし、介護が大事だと高らかに謳い上げるために、「介護の日」制定は大いに賛成である。
「介護の日」をただ作るだけではなく、「介護の日」制定をスタートとして、介護問題を国民の問題としてとらえ、介護に関わる人たちの社会的な評価や金銭的な評価をきちんとしていくことを考えてほしいと思っている。

2008年7月27日 (日)

第3国定住制度導入へ

後期高齢者医療制度のことで、文芸春秋をはじめ多数の週刊誌や月刊誌で、はげしく福田政権の批判をしてきた。
しかし最近、少し潮目が変わりだしていると、実はぼくは感じている。

政府は、難民を日本で恒常的に受け入れる第3国定住を導入する方針を決めたという話を聞いた。

ぼく自身、イラクの難民キャンプでの悲惨な生活を目のあたりにしている。
「ヨルダンの難民をぜひ受け入れてほしい」
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のヨルダン事務所を訪れるたび、何度も要請を受けた。
日本政府が自衛隊を海外派遣する1万分の1ほどのお金で、何十人かの子ども達を助けてあげることはできるだろう。

今まで日本は、難民受け入れに対して閉鎖的だといわれてきた。
まったくゼロではなかったが、難民認定数は年間数人から数十人程度である。
第3国定住制度は導入していなかった。

第3国定住制度とは、第3国が難民キャンプなどに調査団を派遣して、難民本人と面接し意志を確認した上でリストを作り、移住が決められるという公平な制度である。

2010年から30人程度の難民を受け入れるという。
ほんのわずかだが、世界から尊敬される国づくりを目指す第1歩としては、ぼくは合格だと思っている。

2008年5月28日 (水)

イラクの病気の子ども達4

 原村診療所に外来のお手伝いに行った。大好きな時間である。
 午後は諏訪中央病院看護学校の校長として、3年生に2時間哲学の授業を行った。哲学のある看護師を育てたいと思っている。
 夕方はテレビ朝日「スーパーテレビ」の打ち合わせがあった。

イラクの病気の子どもたち(4)

 急性リンパ性白血病のサラは5歳、かわいい女の子だ。バクダッドからやって来た。6カ月前に発病した。サラは注射が嫌い。採血のときサラは泣く。JIM-NETで雇っている院内学級の先生、イブラヒム先生が、サラに寄り添う。サラの心の支えになろうとしている。

 お金を支えてあげること。
 生活を支えてあげること。
 お母さんやお父さんを教育すること。
 そして、子供たちの勉強の面倒を見ること。
 子供たちの心を支えてあげること。
 その上で病院の薬や検査のキットを支えてあげなければ、子供たちの病気は治らないのだ。
 幾つものことを支えないと病気は治らない。幾つもの幾つもの支えが子供たちの命を救うのだ。

 院内学級のイブラヒム先生は格好いいことを言う。
「イラクに残念だけど今、希望はない。それでも希望を持って子供たちを助けなければいけない。
 子供たちは人間の体にたとえれば肝臓のようなもの。エネルギーを蓄えたり、体の毒素を解毒したり、エネルギーが足りないときには、そのエネルギーを肝臓から放出したり、たくさんの役割を肝臓はしている。
 子供たちが、生きていくためのエネルギーを蓄えてくれたり、エネルギーを放出してくれたり、この世の中の毒素を解毒してくれている。だから、私たちは子供たちを助けなければならない」

 戦争があって、厳しい社会環境の中で病気になって、貧困があって、家庭が崩れる幾つもの困難が子供たちに襲いかかる。でも、子供たちは負けない。いつかイラクに平和が来る日を祈って、とにかく子供たちに手を差し伸べ続けたいと思う。

 応援をお願いいたします。

2008年5月27日 (火)

イラクの病気の子ども達3

9時から諏訪中央病院看護学校の1年生に1時間の授業を行った。ホスピスの回診。13時から予約外来。夕方、厚生労働省の課長と雑誌の対談を行った。

イラクの病気の子どもたち(3)

 <ヨルダンにて>
 マリアンは12歳の女の子。2カ月前と6カ月前に、親戚のおじさんが2人、バクダッドで殺されたという。お母さんの乳がんが再発しないことを祈っている。イラクは大好き。早く平和が戻って、イラクに帰りたいと言う。

 今、マリアンはヨルダンの学校に通っている。幸せな方である。アラビア語の勉強が好き。
 明日、イラクとヨルダンのサッカーの試合がある。
「どっちを応援するの」と僕が聞くと、
「ヨルダンも好きだけど、やっぱりイラクを応援する」と恥ずかしそうに笑った。

 最近、イラクからヨルダンへやって来た子は学校へ行けない。
「私は学校に行けてるから幸せ。
 同級生に、イラク人だといってばかにされることもある。でも、先生はよく守ってくれる。いじめられても私は学校が好き。
 昔は、サダム・フセインが好きだった。でも、今は嫌い。イラクの国をめちゃくちゃにしたから。サダム・フセインが処刑されたことは知っている。仕方がないことだと思う。
 私が6歳のときに、私はイラクを出た。イラクのことはいっぱい覚えている。イラクへ帰りたい。友達のことも覚えている。しかし、今、生きているかどうかはわからない。イラクは美しい。だれも嫌いになる人なんかいない、いい国だった。
 まるでパズルのようだ。すべてがうまく当てはまらない。私の将来が見えてこない。私の将来はわからない」

 12歳のマリアンは、美しい顔をしながら、悲しげに笑った。

 なぜ、子どもたちに未来をあげられないのか、悔しい。

2008年5月26日 (月)

イラクの病気の子ども達2

今日は東京プリンスホテルで、全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会の主催の講演を行った。講演時間はたった30分ほどであったが、皆、涙を流して聞いてくれた。

夜遅く、約1週間ぶりに茅野の自宅、岩次郎小屋へ帰ってきた。山積みの原稿や書類がぼくを待っていた。

イラクの病気の子どもたち(2)

080526_3  治療は順調である。アハマド・サラームの中を流れている血液の中から、白血病細胞が消えた。完治がいよいよ近づいてきている。お父さんが言う、やっと希望が見えてきた。この子にすべてをかけた。この子は今、再び元気な命をもらうことができつつある。うれしい。

 イラクの病院をどう思うかと聞いた。
「すぐれた技術をかつては持っていたが、今はおくれてしまっている。とても自分の大切な子供を安心して任せられない。少し難しい病気のときは、結局、国外に脱出するしかないように思う。早く平和が来てほしい」

 平和は来るでしょうか」と聞くと、
「必ず来る、アメリカ軍がいなくなれば」とにこっと笑った。

 アメリカ軍がいなくなっても宗教の対立があるのではないかと僕が聞く。
「大丈夫、心配するな。私と妻はシーア派とスンニ派。こんな夫婦はたくさんいる。今のように戦争状態が続いているときでも、スンニ派とシーア派の若者が結婚をしている。すぐ仲よくなる、大丈夫だ」

 通訳をしてくれているアブ・アハマッドさんが、自分の意見を急に差し込んできた。私はクルド系イラク人だ。イラクから脱出してきた。クルドも、スンニ派も、シーア派も、いつでも仲よくなれる。私たちは一緒に助け合って、こうやって今だって生きている。大丈夫、アメリカ軍だけでなく、アルカイダを追い出すことが大事。

 アハマド・サラーム君のお父さんの言葉は明快だった。そうだ、そうだ、と思った。そうか、シーア派とスンニ派が憎しみあっている今でも、結婚する若者たちがいるって、何か救いのような感じがした。

 宗教の対立を見ていると悲しくなる。仏教はいい。おだやかでいい。考え方の違う人の存在を認める宗教はいい。チベット仏教なんか、あれだけひどい弾圧を受けても、理性を失わないのはすごい。世界を平和にするためには、仏教の力が必要なのかもしれない。

 JIM-NETは、サラーム君のようにイラクから重い病気の治療にやって来るときのアパートの家賃の援助をしている。せっかく白血病の治療が軌道に乗っても、その後の経過観察をきちんとしないために、再発をし、亡くなっている子供たちが多い。お父さんは、ぼくらのNPOのおかげで助かっていると喜んでくれた。

 イラクの子どもたちを救いたいと思って、5つの小児病院に毎月400万円の薬を送っている。フセインの国に生まれたいと思って生まれてきた子どもは一人もいない。子どもに責任はないのだ。
 困難の仲にいるときに、自分の国の子どもを救ってくれた国は、いつまでも忘れないものだと思う。これが日本のセーフティネットになると信じて、医療支援をこれからもしてきたいと思っている。

 悲報が入った。
 アハマド・サラームのお父さんが死んだ。「うれしい」とぼくの手を握ってくれたのは、数週間前のことだ。その後バグダッドの自宅に帰って、爆撃にあったという。
 戦争は悲しい。
 お父さんに代わって、サラーム君をなんとかぼくらが支えていかなければいけないと思う。応援をお願いします。JIM-NET:TEL 0263-46-4218

※写真は、白血病の少年と子どものお父さん。お父さんは、この写真撮影のあと1ヵ月程して爆撃にあって亡くなった。

2008年5月25日 (日)

イラクの病気の子ども達1

今日は、埼玉県春日部市にある秀和綜合病院で講演を行った。
院長の五関先生は、大学の1年先輩である。
野球部でピッチャーをしていた。ぼくはキャチャーとして五関先生の球を受けていた。バッテリーを組んでいたのだ。昔よくご馳走になったので、恩返しをしなくてはいけない。
会場のロビーは700人ほどの人であふれ、たくさんの方が聞きにきてくれた。

イラクの病気の子どもたち(1)

080525_2  アハマド・サラームは8歳の男の子。急性リンパ性白血病。バクダッドで2005年、発病した。
 イラクでは治療ができないと言われ、ヨルダンのがんセンターへ紹介された。
「絶望に襲われた。でも、どんなことをしてもこの子を助けたいと思った」
 と、お父さんは言った。

 バクダッドからヨルダンのアンマンの病院へ向かう間中、14時間、車の中でずっとアハマド・サラームは泣き続けた。家が恋しかった。お母さんが恋しかった。

 ヨルダンのがんセンターに着いてからも、「イラクにいつ帰るの、いつ帰るの」と泣き続けた。どんなにイラクが荒れ、バクダッドが危険になっても、アハマド・サラームにとっては大切な家だった。

 3年間、必死に治療を続けた。

 治療が長引いて、副作用で苦しいときに、JIM-NET(ジャパン・イラク・メディカルネットワーク、代表:鎌田)が派遣をした学校の先生、イブラヒムに病院の中で勉強を教えてもらった。勉強を教えてもらうことは心の支えになった。

 アハマド・サラームは、今、1年おくれたが、バグダッドの学校に通い出した。勉強が好き。特に理科が好き。大人になったら先生になりたいと言う。いい笑顔である。

※写真は、白血病の少年、アハマド・サラーム君。

<つづく>

2008年5月19日 (月)

温かな資本主義

諏訪中央病院の敷地内にある特別養護老人ホーム「ふれあいの里」で、おすしの日があり、入所者の方々と一緒においしいおすしの昼ごはんを食べた。

080518 昨日、5月18日(日)の読売新聞の朝刊に、
ぼくの連載「見放さない」第11回が掲載された。

「血の通った資本主義」というタイトルで、幸福感のない日本についてエッセイを書いた。
何人もの人から、「おもしろかった」「よかった」という電話を頂いた。
どうもありがとう。

このところ、温かな資本主義について書くことが多い。
ウェットな資本主義が大事といい続けている。

よかったら読んでみてください。

一部抜粋:

あたたかな土台のないまま競争を続けたこの10年、ぼくたちの国は何か冷たく、豊かにはなったが幸せを感じない国になっているように思えてならない。

いい国がいい国で在り続けるためにも、世界経済の大きな枠の中で負けないためにも、貿易立国として生き延びていくためにも、土台の温かな国づくりが大切だ。

血の通ったウェットな資本主義社会を作っていくことが、ぼくは大事だと思っている。

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